10. 母系社会 2015年1月07日 00:30:26
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<ロシアの逆襲戦略?>●2008年のリーマンショック以来、金の保有高を増やそうとしている国が増えているらしい。冷戦時代のドイツは最前線国家。それで、旧ソ連に奪われる可能性があるという理由で米国やイギリス、フランスに金を預けていた。2013年、ドイツはその預けていた金の一部を取り戻すことにした。同様の理由で米国に金を預けていたオランダは取り戻したが、なぜかドイツは米国からは取り戻せなかった。スイスも、結局否決されたが金資産の倍増や金の売却禁止などを国民投票で決めようとした。(ドイツが米国から金を取り戻せなかったので、財政危機状態が長い米国には、公表されているほど多量の金は、既に無いのでは?という疑惑が生じたが真相はナゾ) その他では、インドが金の保有高を増やそうとしているという。中国も金の保有を増やそうとしている可能性があるが、下記の記事のドミトリー・カリニチェンコ(ロシア)によると、金の保有に最も熱心なのはロシアである。現在、ロシアは石油とガスの代金としてドルを受け取るが、即座に全て金の現物に変えているから、事実上、金の現物でしか石油とガスを売っていないという。こうして、ロシアは去年の第三四半期に、全ての国の中央銀行が購入した合計93トンの現物の貴金属のうち、55トンの金を購入するなど、ロシアは猛烈な勢いで金の現物保有高を増やしている。 ●1970年初頭の金価格は、1トロイオンス(約31グラム)で600ドル弱だった。その後、金価格は上下しつつも、おおむね値上がりを続けた。金は原油と共に投機対象になったこともあり、2011年秋には1800ドル弱まで値上がりした。その後、約1年間は上下しつつも高止まりしていたが、2012年の秋頃から下がり始めて、今は1200ドル台である。 米国の策動で、ドルの価値防衛のために金の価格は意図的に下げられたという説がある。それで、原油価格を下げられたロシアは、原油やガス、武器などの輸出で稼いだドルは貯め込まずに直ぐに金などに替えてしまい、原油価格の値下げによる損出を、金を買うことでヘッジしているという。ロシアは、価値が下がり続ける石油やガスを、人為的に価値が上げられているドルと交換で売り、そのドルを、直ぐに人為的に価値が押し下げられている金に替えている。需給バランスで決まるはずの金の価値が人為的に下げられているなら、やがて金の価値は上がるはずなので、原油価格の値下げによる収入減の補填策となるからである。 ●中国はドル建て外貨準備を増やすのをやめると発表した。この意味は中国商品に対してドルでの支払いは認めるが、中国も新たに得たドルは即座に処分し、金などの何か他のものに置き換えるが、これまでのように米国の長期国債を購入するのは止めるという意味。欧米が主導するIMFに対抗する金融機関を立ち上げたBRICs諸国の中心国である中国とロシアは、組織的に金などの貴金属を買占めている可能性がある。 貨幣には商品流通の媒介機能だけでなく、価値の尺度や価値の貯蔵手段という機能もある。今までドルは、この3つの機能を持っていた。そこで、BRICs諸国はドルを貯め込むのを止め、市場にドルを放出して価値を下げ、さしあたり価値貯蔵機能を無くそうとしている。しかし、価値が下がって価値貯蔵機能を失うと、やがて媒介機能も価値尺度の機能も失い、最終的には基軸通貨の地位も喪失させる略。 BRICs諸国間の貿易決済を金で行えばドルは不要となり、BRICsが貯め込んだ金は内部で巡回するだけで他には流出しない。そして、やがてロシアがEUに対して金の現物で支払わなければガスをEUに売らないルールに替えれば、EUが所有する金の現物は徐々にロシアへ移行し、EUが保有する金が不足して市場から金の現物を買い集めれば金は高騰する。そして、EUが市場から金の現物を買い集められなくなった時点でガスの供給を停止して、EUを屈服させる戦略らしい。 金の現物でなければ石油やガスを売らないとは過酷なようだが、売り手と買い手は対等の立場だから、石油やガスの媒介物は売り手が信頼できる通貨や「もの」でなければ理不尽であり、売り手が納得するものとの交換でなければ契約が成り立つはずがない。米国が消費するウラン燃料の6分の1はロシア製なので、米国に対しても金の現物での支払いを要求できる。 ●すると、ドルしか印刷できない米国は手の打ちようがなくなる。普通の国なら戦争になるが、米国でもロシアや中国との戦争は核戦争になるので不可能。とは言え、米国がロシアや中国の核戦力が弱く、勝てると見なしたら万一の場合もあるので、ロシアや中国は核戦力を増強しようとしているらしい。 ロシアが悪いと思う人もいると思うが、ロシアが抗議しても米国はロシアを敵視し、イラン向けだと言ってロシアの周囲に核戦力を封じる施設を強引に建設してきたから、米国に責任ある。グルジョア戦争の時、ロシアは簡単にグルジョアを占領できたが撤退したように、これまでロシアはEUはロシアと協調してくれると期待して行動をセーブしてきた。しかし、ウクライナ問題でEUも米国の奴隷だと判断し、ついに諦めたらしい。それで、本気でEUを米国から離反させる作戦を始めたというのである。 金が値上がりすればドルが値下がりするから、米国とEUはロシアの金の現物保有戦略に気付いているが、手の打ちようがないという。それで、EUも米国も頭を抱えているとドミトリー・カリニチェンコは主張している。 金には依然として富の象徴的魅力があり、2008年のリーマンショックによる金融危機は、金の魅力を増大させた。BRICs諸国の中国や南アフリカ、ロシアは金の大産出国であり、中国とロシア+南アフリカの3ヶ国だけで、米国の3倍の金を産出することも影響しているかもしれない。BRICs諸国は再び金本位制を導入しようとしているとは限らないが、「より金を多く持っている者が、ルールを決める」という黄金律に期待し、金の現物保有を生かせる通貨制へと移行し、ロシアは「新冷戦」に勝つ戦略かもしれない。 ★ロシアが欧米に対して本気で怒っているのは間違いない。しかし、中国は国力では量的レベルで米国に追いついたに過ぎない現時点の中国が、本気で米国の覇権に挑戦し始めたとも思えない。 というのは、ほぼ国民国家化して、ナチとの厳しい戦いにも耐えたロシアは、プーチン的な近代人がリーダーなら、外圧を加えられても団結力を高められる国。しかし、まだ国民意識が共有されず、モザイク国家のレベルを出ない中国には、自称民主主義の欧米諸国も、実質的には「独裁国家」であり、中国と同じようにマスゴミによる世論操作が行われていることを知らない単純リベラル派の国民が多い。 ウクライナのように欧米の内部工作が行われれば、「分裂ー内戦」もあり得るのではないだろうか? それで、中国はロシアが欧米の軍門に下らないように政治的経済的に支援はするが、質的にも米国に追いつき、勝敗が決定的になるまでは米国との戦いの矢面には立たず、ロシア側に立つが、同時に「漁夫の利」も狙う微妙なスタンスを維持するのではないか? ロシアの戦略が上手く行かない場合の最終手段は、一時的に大損をするが中国が保有する米国国債の売却だろう。血が流れずとも「戦い」なので仕方ない。しかし、それは今世紀半ば頃になるだろう。さしあたり中国は、アジアでの米国との「G2体制」の確立と維持、そして、世界レベルではBRICs諸国の団結の維持と、米国から覇権を奪取するための様々な準備を着実に進めるだろう。 <2009年の金の産出ランキング> 1位 中華人民共和国 32万0,000 2位 アメリカ合衆国 22万3,000 3位 オーストラリア 22万2,000 4位 南アフリカ共和国 19万7,698 5位 ロシア 19万0,693 <マスコミに載らない海外記事>達人プーチンのワナ http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-c100.html
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