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中国苦しめる高金利融資 企業の投資・計画ゆがめる ピーター・ファーマン氏
中国経済を苦しめる問題として高い借り入れコストほど有害かつ破壊的で見過ごされているものはない。ほとんどの企業、特に中国の優良企業の大半が含まれる民間部門で、担保融資の実質金利が10%を下回ることはめったにない。多くの優良企業が高利貸しの餌食になっている国はほかにない。
高金利は融資のデフォルト(債務不履行)率の高さを織り込んでいるからだと考えがちだが、そんなことはない。中国の銀行部門における不良債権比率は公式には1%で、米国、日本、ドイツの半分以下にすぎない。
中国の高利回り借り入れの市場は巨大だ。国内大手銀行や信託銀行、証券会社は2兆5000億ドルを超える社債や地方債を束ねて証券化して売りさばいている。こうした「シャドーバンキング(影の銀行)融資」は低リスクで一定の高リターンが得られる人気の投資となっている。
銀行とシャドーバンキング部門による融資残高総額は100兆元(15兆9000億ドル)を超え、米国の民間融資残高の約2倍に上る。こうした融資のコストは中国企業にとって巨額の課税に等しく、投資や合理的な長期計画をゆがめている。
中国企業はもはや高利回りの負債のコストを簡単に吸収できなくなっている。多くの企業で利ざやが縮小し、金利コストが利益の大部分をのみ込みつつある。国有が大半を占める中国の銀行の2013年の利益は2920億ドルで、世界の銀行業界の利益の3分の1を稼ぎ出している。
中国の融資は企業利益をかつてない割合で、国内の金利生活者に移すよう仕組まれた市場だ。高金利は中国経済から活力を奪い、リスクをとる起業家精神の魅力を損なう。中国に市場経済の兆しを探すなら、法外な借り入れコストの引き下げ手段として海外資本の流入が歓迎されているか着目すべきだ。
(Peter Fuhrman 深圳の投資銀行チャイナ・ファースト・キャピタル会長兼最高経営責任者)
英文は「Nikkei Asian Review」のサイト(http://asia.nikkei.com/)に掲載しています。
[日経新聞4月24日朝刊P.11]
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