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中国政府高官が発言「中国が中所得国のわなに陥る可能性は50%以上」―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/a107430.html
2015年4月28日(火) 6時24分
2015年4月24日、中国財政部の楼継偉(ロウ・ジーウェイ)部長は、中国は急速な高齢化によって、今後5年から10年の間、50%以上の可能性で「中所得国のわな」に陥るとの見解を示した。26日付で環球時報(電子版)が伝えた。
「中所得国のわな」とは、中所得国がその国の構造的な問題などによって高所得国になることができず、経済の発展が停滞することを意味する。楼部長は、中国が中所得国のわなに陥らないためには、年間6.5〜7%の経済成長率を維持する必要があり、これを実現するためには今後5〜7年のうちに、中国市場に依然として存在する“ゆがみ”について、全面的な改革と解決を行っていく必要があると強調。中所得国の罠に陥らないために、以下の5つの提言を行った。
1、農業改革の実施
中国人は戦争が起こる可能性を常に頭の片隅に置いているため、戦争の発生によって農産品の輸入が絶たれると心配するが、例え戦争が発生しても、転用した農地を元へ戻したり、湿地や草原を農地に変えることで十分な在庫を確保できる。従って、農産物への全方位的な補填(ほてん)を中止して農産品の輸入を奨励し、農村で余った労働力を利用すれば、製造業やサービス業で不足している労働力を補うことが可能になる。これによって、給料上昇のスピードを緩やかにし、生産効率上昇のスピードよりも下回らせることができる。
2、戸籍改革の実施
中国政府は14年7月に戸籍改革制度を公表したが、これまでに14の省・市で具体的方法が発表されたに過ぎず、人々が最も望んでいるような省・市ではまだ改革が進んでいない。労働力移動の阻害要因を打破するため、政府が教育や医療などのサービス資源を提供する必要があり、こうした政策によって流動人口を都市部へ定住させることが可能になる。
3、就業問題の解決
欧米諸国のように労働者が地域や業界としてまとまって雇用主と強行に交渉するスタイルは中国にはふさわしくない。企業と労働者が個別に決定することよって、就業増加の弾力性を確保する必要がある。
4、土地改革の実施
農村の土地使用権は、農民にわずかな金額を渡した後、あたかも地方政府のものになったように転売されている。土地取引の過程において、政府は勝手に土地収用や建物取り壊しなどを行うべきではなく、農民が自主的に決定すべきである。さらに、農民が買主との交渉にも参加し、農地を失った後の就業問題や社会保険料の納付問題などについても話し合う必要がある。
5、社会保険の整備
社会保険の問題において、国の資金を支出する必要がある。社会保険制度が整備されていなかった97年以前には、国有企業の労働者は年金の保険料を納めていなかった。これを解決するためには、国が資金を提供して不足部分を埋め合わせする必要がある。また、現在の社会保険制度に関しては、給付や納付、資金の運用などさまざまな面での調整が必須である。
こうした対策を施さなければ、すさまじい勢いで迫り来る高齢化の波を乗り越えられず、50%以上の可能性で中所得国のわなに陥るだろう。(翻訳・編集/秋田)
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