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http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0NB0R020150420
コラム:物価下落が裏付ける中国「低成長」懸念
2015年 04月 20日 18:06 JST
John Foley
[北京 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 鈍化傾向にある中国経済だが、その成長スピードはすでに危険なほど「遅すぎる」領域に接近している。政府は、雇用創出に必要とされる年7%の経済成長率の達成が危機にさらされていると警戒しているが、物価動向を見るとその懸念は正当なものだ。
ほぼすべての国と同様に中国も、モノやサービスの市場価格を使って経済活動を合計していき、物価変動の影響を除外することによって実質国内総生産(GDP)を算出する。その際用いる「デフレーター」を見ると、物価が過去1年でどう変化したかが如実に分かる。2015年第1・四半期、中国のGDPデフレーターはマイナス1.1%だった。
要するに、2009年以降で初めて、中国の経済全体で物価が下落したということになる。中国人民銀行(中央銀行)が20日から、全銀行を対象に預金準備率を100ベーシスポイント(bp)引き下げたのは、物価下落を懸念したためだ。この措置によって、銀行がこれまで人民銀行に預ける必要のあった約1兆2000億元(1930億ドル)が経済に放出されることとなり、物価の下支え効果が期待できる。
中国がどれほど物価支援を必要としているかは明白だ。工業セクターにおける15年第1・四半期の名目GDPと実質GDPの差から計算すると、同セクターの物価は4.2%下落したことになる。言い換えると、実質GDP伸び率は6.4%だったが、名目ベースでは1.9%にすぎず、20年超ぶりの低成長だったことになる。これは心配な状態だ。融資の利払いや株主への配当支払いはデフレでも調整されない。
サービスセクターも楽観できない。同セクターのGDPデフレーターは、プラス1.6%だった。通常、賃金が上昇すれば物価が上がり、生産性が高まれば物価は下がる。中国のサービス企業の生産性が高まっていないと仮定すると、賃金は12年ぶりの高ペースで低下していることになる。労働者の不満は、社会の不安定化につながりかねない。
GDPや全国の物価統計などといった幅広い数字がいったい意味を持つのか、疑問を持つのはもっともだ。確かに、一般の国民には直接影響しない。ただ、こうした経済指標は、地方政府の支出や企業の資産活用に影響を及ぼす。要するに、「大掛かりな」数字はなお重要であり、目標を達成するには、さらに「大掛かりな」努力が必要ということだ。
●背景となるニュース
・中国人民銀行は19日、全銀行を対象に預金準備率を100bp引き下げると発表した。20日から実施する。預金準備率の引き下げは2月初め以来で、過去2カ月半で2回目。経済成長の減速に対応し、銀行融資を拡大する措置を強化する。今回の引き下げにより、大規模銀行の預金準備率は18.5%となる。
・中国国家統計局が15日発表した第1・四半期の実質GDP伸び率は前年同期比7.0%。需要の低迷が響き、昨年第4・四半期の7.3%から減速、6年ぶりの低成長となった。名目の伸び率は5.8%。
・第1・四半期のGDPデフレーターはマイナス1.1%だった。
・中国政府は2015年の実質GDP伸び率について、7%前後との目標を発表している。中国GDPは2014年は7.4%増加した。
・工業セクター(第2次産業)の実質GDP伸び率は6.4%。名目では1.9%となり、少なくとも1993年以来の低水準となった。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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