その後、ディーゼル化や電化の時には、ソ連や東欧各国の技術が導入された。中共は東側諸国だったので、大規模な援助を行なったのである。ところが1950年代後半からの中ソ対立によって技術援助を渋るようになり、1960年代、1970年代には完全に停滞してしまった。

あせった中共は、西側諸国へ接近し、西側諸国も中共の友好ポーズに騙されて、大切な技術を次々と譲り渡してしまった。これ、本当に馬鹿なことをしたものだと思う。

中共は日本の新幹線の技術を供与され、自分の技術として他国に売り込んでいる。だが、自分たちで考え開発したものでないから、売り込み先のアフターサービスが充分にできない弱点がある。これで酷い目にあったのが、ニュージーランドKiwi Railのディーゼル機関車だ。中国大陸から輸入された機関車だが、部品にアスベストを平気で使っていることが大問題になり、中国大陸から出張工事して交換したが、膨大な請求が来たそうだ。

中共がいかに先進各国の技術を盗んでも、自らつくることのできない部品がある。ディーゼルエンジンなど、ドイツから今でも輸入している。電装品は自製だが、ニュージーランドではこれも問題になっていた。

車体の構造材に使われる鉄の品質にも問題がある。一言で言えば、薄くすると裂けやすく、錆にも弱い。このため、中国大陸製の鉄道台車には根本的な欠陥がある。これはニュージーランドのKiwi Railの機関車にも見られた。

材質的に耐摩耗性が低く、錆が早い中国大陸製の鉄道台車を使用している、中国大陸製の高速鉄道車輌に乗りたいと思いますか。鉄道車輌は、命を乗せて走っているのである。過酷な高速走行を毎日繰り返す条件で、走行中の事故が起きる確率は、限りなく高まる。

中共は、耐久性や信頼性の低さを誤魔化すために、よく使う手が「早めの乗り換え」である。安い分、早く買い換えろと奨めるらしい。かつて毛沢東時代、中共は第三世界との連帯を打ち出して、アフリカ各国に貨物輸送の鉄道を売り込んだ。それら中共の援助で出来た鉄道は、早々と使い物にならなくなり、トラック輸送に戻ってしまったという。買い換える資金がなかったからだ。

　　飛行機は前進するにはエネルギーを使うが、翼の揚力で浮くのにはエネルギーを使わない。

　　リニアは前進にも浮揚にもエネルギーを使い、さらに高空を飛ぶ飛行機よりも空気抵抗が大きい。