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対中感情悪化の裏で、中国の日本人留学生が増加しているわけは?―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/a105787.html
2015年4月9日(木) 10時39分
2015年4月8日、インターネット時代の今、国境を越えた人と人とのコミュニケーションが便利になった。しかし、フェイス・トゥ・フェイスの交流が最も効果的な交流手段であることは、いつの時代も変わらないはずだ。近年、変転極まりない日中関係が、ある事実を物語っている。それは、地理的な近さ=心理的な近さとは限らないということ。そのため、より多くの人が、つまらぬ偏見を捨てて互いの長所を学び合う必要がある。新華網が伝えた。
文部科学省が2月27日に発表した統計によると、2012年の日本の海外留学者数は前年に比べて2637人が増え、延べ6万138人に達した。中でも、中国本土への留学者数は前年比18%増の2万1126人に上り、米国を抜いてトップとなった。内閣府が毎年実施する世論調査では、中国に対して親しみを感じないと答える人が年々増えている一方、中国への留学を選ぶ日本人も正比例で増えているのが実に興味深い。
私見を申し上げれば、日本人が中国への留学を選ぶ最も重要な理由は、やはり日中間の緊密な経済関係にあると思う。今、中国本土にとって日本は5番目の貿易パートナーだが、日本にとっては、中国が最大の貿易パートナーだ。総務省統計局の統計によると、日本の対中貿易総額は対米国の1.5倍であり、香港、台湾、シンガポールなどの「大中華圏」の貿易額を加えると、その総額は対米国の2倍となる。日中両国の政治情勢がどんなに変わろうと、日本の商業界は中国市場を軽視できず、多くの日本人にとって、中国語の重要性も言うまでもない。一体どれくらいの日本企業が中国との間に業務提携があるのだろう?今のところ、完全な統計というものがないが、一つだけ言い切れるのは、中国に進出し市場開拓に挑む企業のほとんどが、300人以上の従業員を持つ大企業ということだ。日本の大学生は就職活動で、中国と貿易関係を持つ企業を受けることも多々あるだろう。もし中国語をマスターしていれば、就活で優位に立てるに違いない。そのため、日本の学生にとっては、中国語はすでに英語に次ぐ重要な外国語となっており、もし2つの言語を同時にマスターできれば、各社が欲しがる人材になるはずだ。
日本人は実用主義を大事にしており、中国語が就職やビジネスに有利である場合、当然努力を惜しまずに中国語の勉強に励む。中国語を習得し、貿易の主戦場についてよく知るためには、現地に足を踏み入れるのに越したことはない。ある意味、功利的な目的があることは否めないが、今の日本の若者は「好き嫌い」という尺度ではなく、自分自身の将来のために中国への留学を決めたわけだ。例えその動機がやや「不純」であっても、中国は日本からの留学生を大いに歓迎すべきだ。なぜなら、日本の若者たちに本当の中国を知ってもらうには、これが最もいいチャンスであるから。日本にいて、日本のメディアを通じて得られた中国の情報だけでは、なかなか本当の中国を知ることができない。フェイス・トゥ・フェイスの交流が最も効果的な交流手段であることはどんな時代でも変わらないはずだ。
もちろん、中国の伝統文化に憧れて、あるいは本場の中華料理を毎日楽しむためなど、「ロマン」を求めて中国留学を決意した人も少なくない。日本政府は外交辞令として「米国と価値観を共有している」と公に述べているが、一般国民にとっては、中国の「三国志」といった古典文学や「論語」などの古代の知恵が伝える価値観の方が親近感があり、古代の中国への憧れゆえに、現代の中国を訪れ、その「ルーツ」を探ろうとする人は少なくない。
1400年もの昔から、日本は中国向けの公費留学制度を確立し、遣隋使と遣唐使を中国に派遣していた。そして今日、1000年以上の時を超え、当時の情景が今に蘇ったかのように、日本の留学生が続々と中国にやってきている。これは今の両国関係にとっても、ありがたい話だ。
目下、中国に滞在する日本人留学生は2万人を超えているが、日本の中国人留学生の人数と比べれば、この数はやはりほんのわずかである。日本政府は長期にわたって各国から留学生を誘致することに力を注いでおり、留学生たちが安心して日本で滞在できるように、進学や奨学金に関する優遇政策をたくさん打ち出している。日本政府は2009年から、2020年を目途に30万人の留学生受入れを目指す「留学生30万人計画」を推進し、それを国家戦略として位置づけてきた。日本の文部科学省は2014年に、企業献金を財源とする奨学金「トビタテ!留学Japan」を創立したのみならず、他の留学支援制度を充実させることにも力を入れ、大学の国際化を推し進めている。文部省は、「新政策の効果が今後次第に現れ、日本で勉強に励む外国人留学生がより一層増加することを期待する」としている。優秀な留学生が卒業後に日本に残って就職するというのは、日本が外国の人材を獲得するための効果的な手段であり、これらの人材も日本経済の発展に重要な役割を果たすことになろう。この点においては、中国も見習うべきである。
現在、留学生を受け入れる中国の大学の数は非常に限られており、中国に留学したくてもできない、というのが現状である。中国語を全く勉強していない学生には、中国への留学はやはり難しい。一方、日本には数百カ所の語学学校があり、日本語をゼロから学ぶこともできる。また、経済が急速に発展しつつある中国では、北京、上海といった大都市の不動産価格が東京を抜き、アパートやマンションの家賃も高騰し、生活コストも徐々に上昇している。留学生支援の一環として、政府が一定の手当を支給するという方法はどうであろうか。
日中両国が地理的に近いことは、互いの国を留学先と決めるもう一つの共通の理由である。東京から上海まで、飛行機でわずか2時間あまり。留学にかかるコストの低さは双方にとって共通のメリットである。両国の若者たちが互いの国を理解し合うことは、日中関係の未来に大きな希望をもたらす。近年、変転極まりない日中関係が、ある事実を物語っている。それは、地理的な近さイコール心理的な近さとは限らないということ。そのため、より多くの人が、つまらぬ偏見を捨てて互いの長所を学び合う必要がある。
海外旅行に出かけては、爆買いする中国人が増えている中、外国人から見る中国人のイメージも複雑になり、中国のことが理解できないというのが多くの外国人の本音だろう。こういう時こそ、より多くの外国人を中国に誘致し、3〜5年間中国に住むことを通じて、社会の変化を身を持って体験し、本当の中国と中国人を理解してもらうことが必要である。もちろん、日本に限らず、世界各国からの留学生をオープンな姿勢で歓迎することこそが、開かれた中国のイメージを世界にアピールする絶好のチャンスなのだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/Yiqi・編集/武藤)
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