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<石平のChina Watch>抵抗勢力に追い詰められる習近平主席 異例の弁解=@四面楚歌の反腐敗運動
http://www.asyura2.com/14/china5/msg/594.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 23 日 17:25:05: igsppGRN/E9PQ
 

             習近平国家主席(左)と李克強首相=5日(共同)


【石平のChina Watch】抵抗勢力に追い詰められる習近平主席 異例の弁解=@四面楚歌の反腐敗運動
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150323/frn1503231140004-n1.htm
2015.03.23 夕刊フジ


 今月6日、習近平国家主席は全国人民代表大会(全人代)において江西省代表団との座談会に臨んだ。座談会の中、代表の一人が「江西省の昨年の経済発展はすさまじい」と語ったところ、習主席は直ちに「だから反腐敗運動は経済の発展に影響することなく、むしろ経済の持続的発展を利する」と応じた。

 翌日、「反腐敗は経済発展を妨げることはない」という習主席発言が新聞各紙に大きく報じられたが、座談会でのこの発言は実に異様なものであった。

 反腐敗と経済発展との関連性を誰から聞かれたわけでもなく、反腐敗運動の主役である習主席が自らこう言い出したのは、いかにも自己弁護に聞こえるからである。

 最高指導者の立場にある彼が地方からの代表団の前でこのような弁解をしなければならない理由は一体どこにあるのか。実は全人代が開幕した5日、関連があると思われる別の発言があった。代表の一人で北京首都旅行集団会長の段強氏はメディアの取材に対して、官官接待・官民接待の激減で北京市内60軒の五つ星ホテルが業績不振となったことを例に挙げ、反腐敗運動の展開は経済発展にマイナスの影響を与えた、との認識を示した。

 翌日の習主席発言は、段氏の見解に対する「反論」とも捉えられる。国家主席の彼が一民間旅行会社の経営者に反論することは、まさに前代未聞の異常事態である。

 その際、習主席にとってのけんか相手は決して段氏という一個人ではない。主席が強く意識しているのはやはり、段氏発言の背後にある反腐敗運動に対する政権内の根強い反対意見と、それを政争に利用しようとする党内の反対勢力であろう。要するに、「経済の発展を妨げる」との理由で反腐敗運動への反発が党内で広がっているのである。

 たとえば7日付の新京報という国内紙は別の角度から、「反腐敗運動」の経済に対する悪影響を論じている。「官僚の不作為について」と題するこの記事は、一部の全人代代表への取材を基にして、中国の各地では今、反腐敗運動の中で身を縮めている幹部たちが仕事へのやる気を失い、「不作為」的に日々を過ごしているありさまをリポートした。このような状況が各地方の経済発展に大きな支障を来しているとも論じている。

 昨年7月10日掲載の本欄でも、反腐敗運動の中で幹部たちが仕事を集団的にボイコットする状況を報告したが、どうやら今になってもいっこうに変わっていない。共産党の幹部たちはそもそも、賄賂を取るために幹部になったようなものだから、「腐敗」ができなくなると仕事への情熱を失うのは当然のこと。5日の全人代で行われた李克強首相の「政府活動報告」でも幹部たちの「不作為」を取り上げて強く批判しているから、仕事をボイコットするような形で反腐敗運動に抵抗する幹部たちの動きがかなり広がっていると思われる。

 そして党内の一部勢力が、顕著となった経済の減速をそれと関連づけて、経済衰退の責任を習主席の反腐敗運動になすり付けようとしていることも明らかだ。だからこそ、習主席は異例な弁解を行うこととなったのだが、一国の最高指導者が自己弁護を始めたこと自体、彼自身がかなり追いつめられていることの証拠でもあろう。

 このようにして、反腐敗運動を急速に推進した結果、政権の手足となる幹部たちの「不作為」と抵抗が広がり、「経済への悪影響」を懸念する声とそれを理由にした党内反発が強まってきているのは間違いない。猪突(ちょとつ)猛進してきた習主席はまさに四面楚歌(そか)の状況であるが、民衆の期待が高まってきている腐敗摘発の手を緩めるわけにもいかない。主席の悩みは深まるばかりである。


 

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コメント
 
01. 2015年3月23日 23:27:59 : TM4UpHpvxo
腐敗があってもいけないし、腐敗を撲滅しようとしてもいけない。石氏はとにかく、習主席に対しては、「何でもいけない」坊やだ。何をやっても気にくわない。自分の希望をあたかも将来予想のように述べる。まあ、評論家としては最低ですね。

02. 2015年3月24日 00:03:25 : jey9QlZyyg
 そうだね。藤原直哉もおんなじだよ
腐敗撲滅 → 内部闘争、文革だ
腐敗放置 → 腐敗を糺せない
憎しみの成せる業だよ

03. 2015年3月24日 01:02:08 : jXbiWWJBCA

2015年3月24日 齋藤尚登 [大和総研シニアエコノミスト]
全人代から読み解く中国「景気下振れリスク」の本質
――齋藤尚登・大和総研シニアエコノミスト
2015年の成長率目標が
7.0%前後に引き下げられた理由
第12期全国人民代表大会では、2015年の政府経済成長率目標が7%前後と、2012年〜2014年の目標7.5%前後から引き下げられた。中国経済の景気下振れリスクの本質を読み解く
Photo:AP/アフロ
3月15日に閉幕した第12期全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)第3回会議では、初日の3月5日に李克強首相による政府活動報告が行われた。注目された2015年の政府経済成長率目標は7%前後と、2012年〜2014年の目標7.5%前後から引き下げられた。中国は、2014年の7.4%成長(実績)からの若干の景気減速というソフトランディングを、目指していることになる(下記表1参照)。 
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2015年の主な目標は以下の通りである。 
・実質GDP成長率は7%前後(2014年の目標は7.5%前後、実績は7.4%)とする。
・消費者物価上昇率は3%前後(2014年の目標は3.5%前後、実績は2.0%)とする。
・都市新規雇用増加数は1000万人以上(2014年の目標は1000万人以上、実績は1322万人)とし、都市登録失業率は4.5%以内(2014年の目標は4.6%以内、実績は4.1%)に抑制する。
・貿易の伸びは前年比6%増前後(2014年の目標は同7.5%増前後、実績は同2.3%増)とし、国際収支の基本的バランスを図る。
・個人所得の伸びを経済発展に見合うものとする。
・単位GDP当たりのエネルギー消費量を、前年比3.1%以上削減(2014年実績は同4.8%削減)し、主要汚染物質の排出量を減らす。単位GDP当たりの二酸化炭素は同3.1%以上、化学的酸素要求量(COD)とアンモニア性窒素は同2%程度、二酸化硫黄は同3%程度、窒素酸化物(NOX)は同5%程度、排出量を削減する。
経済運営上、
最も重要な安定した雇用の確保
さいとう・なおと
1990年立教大学文学部卒業。山一証券経済研究所勤務。1994年〜1997年香港駐在。1998年大和総研入社。2003年〜2010年北京駐在を経て、2010年6月より現職。担当は中国経済、中国株式市場制度。近著に『最新中国金融・資本市場』(金融財政事情研究会、2013年)、『習近平時代の中国人民元がわかる本』(近代セールス社、2013年)、『中国資本市場の現状と課題』(資本市場研究会、2013年)。『中国改革の深化と日本企業の事業展開』(日本貿易振興機構、2014年、いずれも共著)。
成長率目標が2014年の7.5%前後から2015年は7%前後に引き下げられた一方で、都市新規雇用増加数の目標が1000万人以上に据え置かれたのは、「(雇用吸収力の大きい)サービス産業の割合が高まり、小型・零細企業が増えているため、7%前後の経済成長率なら比較的十分な雇用を確保できる」(李克強首相)との背景がある。 
消費者物価上昇率の抑制目標は、2014年の3.5%前後から2015年は3%前後に引き下げられたが、これは、資源・エネルギー価格下落(輸入物価の下落)や内需減速などにより、当面の物価が安定した推移となると見込まれるためであろう。 
中国政府は経済運営上、雇用と物価を特に重視しているが、当面、物価は懸念材料とはなりにくく、安定した雇用が維持できるかが最大のポイントとなる。李克強首相は、2014年の経済運営について、「経済への下押し圧力が強まるなか、我々(中国政府)は短期的な強力な景気刺激策を採ることなく、対象を特定した調整(下支え)を実施して、経済の活性化、脆弱部分の補強、実体経済の強化を図った」として、農業関連、インフラ、民生改善に資する投資の下支えや、農業関連や中小・零細企業向けの貸出比率が高い銀行への選別的な預金準備率引き下げ(2014年4月、6月)など、的を絞った景気下支え策を採用したことに、自ら高い評価を与えた。 
しかし、2014年秋口までのような分野限定の下支えでは、増大する景気下振れリスクに抗するには力不足との判断から、2014年11月22日の2年4ヵ月ぶりとなる利下げと、2015年3月1日の追加利下げ、そして2月5日の全ての銀行を対象とした預金準備率引き下げ、といった具合に、金融政策の下支えの対象は、経済全体へと範囲が広がっている。 
さらに、政府活動報告では、(1)2015年の財政赤字を前年比で2700億元多い、1兆6200億元(約31.4兆円)とし、財政赤字のGDP比を2014年の2.1%から2015年は2.3%に拡大する。うち地方財政赤字(地方債発行額)は前年比1000億元多い5000億元とするほか、特別債を適宜発行する、(2)マネーサプライ(M2)増加率は前年比12%前後(2014年の目標は同13%前後、実績は同12.2%)とするが、必要に応じて多少高くなっても構わない、とするなど、景気下支えのための政策的な余地を残すような配慮もなされている。 
財政・金融面での下支えによって、政策運営上、最も重要な雇用の悪化を招くような景気下振れを回避しようとしているのであろう。今後、さらなる金融緩和が実施される可能性が高い。 
過度に投資に依存するパターンから
消費主導による持続的安定成長へ
国家発展改革委員会の「2014年の国民経済・社会発展計画の執行状況と2015年の国民経済・社会発展計画」から需要項目に関連する目標をピックアップして、実績と比較したのが表2である。これによると、2015年の固定資産投資目標は前年比15.0%増と、2014年実績である同15.7%増を下回る想定である。一方、小売売上は2014年実績の同12.0%増から、2015年目標は同13.0%増へと伸びの加速が計画されている。 
拡大画像表示
おそらく、中国政府は投資に過度に依存した発展パターンからの決別と、消費主導の持続的安定成長に移行する政策意図を、より鮮明にしようとしているのであろう。ただし、景気が緩やかに減速し、輸入物価下落などから物価も低位安定が想定されるなか、名目小売売上の伸びが加速するというのは難しい。 
政府活動報告では、今後の消費の成長分野として、養老サービス、家政サービス、ヘルスケア消費、情報関連消費、観光・レジャー消費、エコ消費、住宅関連消費、教育・文化・スポーツ関連消費、そしてインターネットを媒介とした消費を列挙したが、これは従来から言われている通りであり、具体策にも乏しいのが現状である。 
2015年1月〜2月の実績と年間目標を比較すると、固定資産投資は1月〜2月の前年同期比13.9%増に対して年間目標は前年比15.0%増、小売売上は同10.7%増に対して同13.0%増と、このままでは2014年に続き、2015年も目標を達成するのは難しい。 
特に、1月〜2月の固定資産投資の内訳を見ると、景気下支え策の目玉となっているインフラ投資は引き続き同20%の増加ペースを保っているが、住宅販売不振・着工減少など内需減速や設備過剰問題を背景に、石炭採掘は同16.3%減、鉄鋼関連は同4.1%減など、資源・重工業関連の一部で厳しさを増している。 
成長率目標のハードルは下がったが
達成難度はむしろ上がる
全人代閉幕直後に記者会見を行った李克強首相は、「ニューノーマル(新常態)の下で、我々(中国政府)は中国経済を合理的範囲に維持することができる。景気が減速し、雇用や収入に悪影響を与えるなど、合理的範囲の下限に近付けば、政策を安定させ、中国経済に対する市場の長期的予想を安定させると同時に、分野を限定した下支えの度合いを強めることで、市場のコンフィデンスを安定させる。我々はここ数年、短期的な強力な刺激策を採用しておらず、政策運用の余地は比較的大きく、『道具箱』の中の道具は比較的多い」などと述べた。 
中国政府が最も重視する雇用の悪化を招きかねない景気下振れを回避するには、さらに強力な政策手段の用意があるということなのだろう。 
2015年の政府成長率目標は7%前後に引き下げられた。ハードルは下がったが、目標達成の難度はむしろ上がっているのである。 
http://diamond.jp/articles/-/68879 

04. 2015年3月24日 01:59:23 : jXbiWWJBCA

腐敗撲滅でやる気をなくす中国の役人たち
虎から蠅まで一網打尽、しかし本当の改革は先送り
2015.3.24(火) 姫田 小夏
 「今の上海はめちゃくちゃ、用がなければなるべく帰りたくない」

 こう嘆くのは東京に駐在する中国人男性W氏だ。帰れば必ずトラブルに巻き込まれるのだという。

 トラブルの多発地帯と言えばタクシーの車内。上海では今、W氏のみならず「できるだけ乗りたくない」とタクシーを避ける市民が増えている。上海万博以前はタクシー運転手は明るく、サービスもよかった。しかし最近はぶっきらぼうな運転手ばかりで、マナーも悪化。うっかりしているとわざと遠回りされるので気が気ではない。重たいトランクの上げ下ろしに手を貸してくれる運転手も少なくなった。

 上海でタクシー運転手は2000年代初頭まではちょっとした花形職業だった。しかし今では「安くこき使われる仕事」の代名詞となった。いまや上海戸籍をもつ運転手は少ない。多くは、非上海戸籍の江蘇省や安徽省などの出身者である。

「タクシーの座席には条例の指定で白いカバーが掛けられていたものだが、すっかり見なくなった。車内はお世辞にもきれいとは言えない」(同)

 Wさんは先日、上海で運転手の態度に腹を立てて口論になった。タクシーの日常業務を管理監督する「上海市城市交通運輸管理処」にすぐにクレームの電話を入れた。だが、誰も電話に出なかったという。

 上海市では「上海市出租汽車管理条例」(出租汽車=タクシー)という条例のもあとに、タクシーの運営管理、サービスの維持が求められているが、サービスのレベルは年々悪化する一方だ。Wさんは「行政は何をしているのか」と憤懣やるかたない様子だ。

“おいしい”出張に行けなくなった

 浙江省で地方公務員を務めるNさんは、数年前まで会議を名目に頻繁に上海に出張していた。「出張し放題」は地方公務員の特権だった。上海などの大都市を訪れることは一種の慰安旅行のようなものになっていた。

 ところが、習近平体制が発足すると、出張が「テレビ会議」に変えられた。Nさんはこう語る。「出張に行くことはすっかりなくなった。出張の際は必ず訪問先へおみやげを持参していたものだが、それすらも買うことがなくなった」

 北京や上海の高級飲食店の中には、公務員による高額消費を当て込んでいたところが少なくない。しかし、そうした店舗は、2013年から2014年にかけて軒並み業績が低迷した。中国割烹協会によれば、2013年、全国の飲食業における収入は2兆5392億元、その伸び率は過去21年間で最低だったという。特に高級飲食店の業績悪化が目立った。北京ダックで有名な「全聚徳」は日本人にもおなじみの老舗だが、25ある子会社のうち13社が赤字だと報道されている。

 さて、この地方公務員のNさんは、誰と食事をするときでも絶対に財布を開こうとしない。「公務員は自分から財布を開くことはないのだ」という。たまに自分がおごる番になると、友人の店に行き、「俺は○○局だ。お前の店の社長とは親しいんだから安くしろ」としつこく迫る。

 Nさんが吝嗇家なのは、懐が寒いためでもある。「知ってるか? 俺の給料はたったの9000元だ。40代で家族もいる。こんな薄給で生きていけると思うか。だからハンコを押す特権を金品に変えて、なんとか生活してきたんだ」

 贈収賄がダメだというなら、生活を切り詰めるしかない。「たまの休日に家族で外出する時のご馳走は、一皿5元の中国版ファストフードだ」とNさんは明かす。

 数年前まで、公務員は憧れの職業(不正な収入が得られるから)だったが、「最近は、優秀なやつは公務員にはなりたがらない」(Nさん)という。

 贈収賄はダメ、出張もダメとなった今、公務員の仕事に対するモチベーションは間違いなく低下している。

 警察官のモチベーションも同様に低下している。法律に基づいてしっかり取り締まろうとすれば、逆に市民から食ってかかられる。ルール違反が当たり前の世の中になってしまっているのだ。

 親戚に中国の警察学校の教員がいるCさんは、その親戚からこんな話を教えられた。「若い警察官がどんどん辞めている。1日中、街をパトロールするのは決して楽な仕事ではない。収入も少ないうえ、市民から難癖をつけられる。辞めていくのも無理はない」。収入と社会的地位、そして業務内容からすると、現代の若者にとって警察官は著しくバランスを欠く仕事と映るようだ。

続々と取り調べを受ける「たかり」の公務員

 中国の政府機関は、基本的に“やる気のない”職場である。新聞を広げてお茶をすすり、無駄話をしながら、面倒くさそうに仕事をする人たちばかり。加えて行政手続きのフローは不明瞭で、手続きに来た人はあちこちたらい回しにされるのが日常茶飯だった。

 これには現地の日系企業も泣かされた。たった1つのハンコをもらうためにも、公務員との「関係づくり」が欠かせない。

 公務員にやる気がないのは、薄給であることが背景にある。「この給料で一生懸命働けば自分が損をしてしまう」と、公共機関で働く女性は話す。そこで日本人駐在員は、食事への招待、高価な手土産、もしくは商品券、あるいは現金や海外旅行など、あらゆる手練手管を用いて公務員との関係を作ろうとした。

 上海で中小企業を営む日本人経営者Hさんは、「それでもハンコは簡単にもらえなかった」と振り返る。昼間の営業時間に訪れても「忙しい」の一点張り。「その最たる例が税関だ。営業時間内にはもらえず、夜中に担当者の家にまで行ってハンコをもらうのが通例だった」

 たった1つのハンコをもらい、たった1枚の書類を作成してもらうのに一体どれほどの金と時間を費やすのか・・・中国で働く日本人ビジネスマンの共通の嘆きである。

 “たかり”も多かった。上海在住の日本人経営者Iさんは、次のように話す。「これまで外資を含む工場経営者は市政府から補助金をもらうと、その一部を市政府の役人に“上納”していた。市政府が組織ぐるみでキックバックさせていたフシがある」

 だが、そうやって外資系企業にたかってきた公務員たちが、「最近、続々と取り調べを受けている」とIさんは言う。上は“虎”から下は“蠅”まで一網打尽の状況を見て、腐敗撲滅運動は単なるスローガンではないことを現地の日本人も思い知らされている。

「キツネ狩り」は文革時代に酷似?

 1949年に中国共産党による新しい国家が設立し、80年代に改革開放政策が本格化すると、贈収賄が全国で蔓延した。近年の中国経済発展の歴史は、腐敗蓄積の歴史だとも言える。

 中国共産党は、権力の乱用と私物化が生む腐敗問題は国民の利益を損ない、党の権威失墜にもつながるとし、2012年の第十八回党大会以来、総力を挙げてその取り締まりと撲滅に取り組んできた。「キツネ狩り」と称される逮捕劇は全国各地で展開され、汚職で捕まった公務員は5万5000人、海外逃亡した公務員は2万人にも及ぶという。

 中国の圧倒的多数の民衆がこれを支持していると言われるが、その一方で、現政権の腐敗撲滅運動を批判する声もある。「腐敗役人ばかり捕まえてもしょうがない」というのだ。

 声の主は、海外に散らばる中国の知識人たちである。一部の知識人は、習近平政権が推し進める反腐敗キャンペーンが「文革時代に酷似している」と警戒する。

 上海出身の華僑、Xさんはこう述べる。「中国共産党が汚職した人を摘発しているが、そこからして間違っている。中国という国は、いまだに法治国家ではないのだ。反腐敗は結構だが、制度改革がまったく見えてこない。例えば三権分立を実現させるための議論はいつ行われるのか」

 中国では腐敗撲滅運動が進められる一方で、影響力のある知識人のブログは閉鎖され、憲法に保障されているはずの「言論の自由」はむしろ後退を見せている。

 負の連鎖の原因を突きつめれば、共産党の一党独裁に行きつく。事態が発生すれば当局の圧力で沈静化を図り、憲法で言論の自由が保障されていても、国民に自分の意志や考えを発表する場は与えない。

 根本的な議論を行わず取り締まりばかりを強化する現政権。その結果、公務員はますますやる気を失っている。中国の公務員の質の低さは今に始まったわけではないが、これ以上低下すれば社会は秩序を失うだろう。一刻も早い制度改革が待たれる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43251


05. 2015年3月24日 02:06:33 : jXbiWWJBCA

中国最大の石油企業元幹部を起訴、収賄罪で
2015年 03月 24日 01:11 JST
[北京 23日 ロイター] - 中国の最高人民検察院(最高検)は、国内最大の石油企業・中国石油天然ガス集団(CNPC)の元副社長、王永春氏を収賄、職権乱用などの罪で起訴したと発表した。

当局は昨年、王氏に対する汚職調査を開始。CNPCは中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)(0857.HK)(601857.SS)の親会社。

CNPCの複数の幹部が汚職の疑惑で取り調べを受けており、元会長の蒋潔敏氏は先週、正式に起訴された。

最高検は声明で、王氏には多額の賄賂を受け取り、財産の大部分について出所を説明できない疑いがあると説明。また、政府の管理下にあるエネルギー部門で勤務した際に職権を乱用し、同部門に深刻な損失を与えたとした。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MJ1QU20150323


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