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全人代に姿を見せた習近平国家主席(手前)ら党指導部。軍事クーデターの可能性もささやかれている(AP)
習政権厳戒! 軍事クーデター情報 大粛清に募る不満 ウイグル族「不穏な動き」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150321/frn1503211000001-n1.htm
2015.03.21 夕刊フジ
全国人民代表大会(全人代)が閉幕した中国に暗雲が垂れ込めている。「虎もハエもたたく」として腐敗官僚の排除を推し進める習近平国家主席が独裁体制を固めつつあるなか、不満分子によるクーデターの可能性がささやかれているのだ。専門家は、極度の締め付けによって不満を募らせる軍部の暴発を懸念。元最高幹部の周永康氏の失脚によって後ろ盾を失った「四川閥」の残党や、弾圧に苦しむ少数民族のウイグル族にも「不穏な動きがみられる」(専門家)という。
「法の整備により反腐敗を継続するとともに、官僚のサボタージュに反対する」
全人代閉幕直後の15日、北京で記者会見した李克強首相はこう述べ、反腐敗運動を継続する方針を明らかにした。
この言葉の通り、中国当局は12日、昨年1年間に収賄や横領などで立件した汚職官僚が前年比7・4%増の5万5101人に上ったと発表。摘発された汚職官僚の中には、江沢民元国家主席率いる「上海閥」の大物である周氏や、同じ派閥に属していた軍制服組元トップ級で病死した徐才厚氏も含まれていた。
中国湖北省の人民検察院(地検)は19日、収賄と職権乱用などの罪で、周氏の元側近である党幹部2人も相次ぎ起訴。公判では、汚職事件への周氏の関与が明らかにされるかが注目されており、習政権による上海閥への包囲網が狭まっていることを改めて示した格好だ。
習政権は、上海閥のみならず、「団(共青団)派」の胡錦濤前国家主席の側近である令計画氏も粛清の対象にしており、その勢いはとどまるところを知らない。
ただ、急進的な改革は中国共産党内に大きな亀裂も生んでいる。
中国情勢に精通する評論家の宮崎正弘氏は「習氏が特に綱紀粛正に力を入れていた軍部が、不満をためている。習氏の一声で、ぜいたく禁止令が出され、宴会もできなくなった。これまで黙認されてきた買春も厳しく取り締まられるようになり、兵士の鬱屈は最高潮に達し、クーデターが起きてもおかしくない情勢だ」と指摘する。
軍部内に広がる反発ムードに危機感を募らせた習氏は、不測の事態に備えて身辺を固める動きをみせている。
習氏が、昨年末から中国各地を統括する七大軍区の1つで、首都・北京一帯を防衛する「北京軍区」の軍幹部のクビを次々にすげ替えたのもその表れだ。
「新たな北京軍区司令官に南京軍区副司令官を務めた宋普選氏を抜擢(ばってき)し、中南海の警護に当たる武装警察の司令官にはやはり南京軍区出身の王寧氏を据えた。2人とも習氏の信任が厚い。親衛隊のようなものを作って防御を固めたのは、軍事クーデターに備えるためだとみていい」(情報筋)
そんななか、とりわけ習氏が警戒するのは、七大軍区の中で、四川省や雲南省を統括する「成都軍区」とされる。同区で権勢をふるったのは、ともに習氏によって失脚させられた周氏と薄煕来・元重慶市党委書記を輩出した「四川閥」。反腐敗運動によって、強力な後ろ盾を失った派閥残党の軍幹部らは、習氏に強い敵愾(てきがい)心を抱いているという。
「現在、軍部内には、胡氏と近い団派の范長竜、許基亮両氏が軍事委員会副主席の地位に就き、習氏の独裁体制ににらみを利かせている。可能性としては低いが、習氏の独裁がこれ以上に強化されれば、対抗措置として、彼ら団派と四川閥が組む可能性も否定できない」とし、続ける。
「新疆ウイグル自治区のウイグル族による暴動やテロ活動も止む気配がない。一部過激派には、イスラム教スンニ派過激組織『イスラム国』との連携も指摘されており、これ以上テロの規模が広がれば、現在の警備体制で対応できるかは不透明だ。習氏は新たな派閥作りを画策しているが、利害関係だけで結びつく紐帯はもろい。小さな綻(ほころ)びから政権基盤が一気に崩壊することもあり得る」
「赤い帝国」の血みどろの覇権争いは、さらに激化しそうな様相を呈している。
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