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全人代で成長率目標引き下げを表明した李克強首相(新華社=共同)
中国「新常態」掲げるも「異常事態」の現実 海外企業脱出で製造業“空洞化”
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150306/frn1503061528007-n1.htm
2015.03.06 夕刊フジ
開会中の全国人民代表大会(全人代)で2015年の経済成長率目標を14年の7・5%から7・0%に引き下げると表明した中国。習近平政権は「新常態(ニューノーマル)」を掲げて安定成長をアピールするが、現実には日米欧など主要国が逃げ出す「異常事態」にみまわれている。
「中国経済は坂を上り、峠を越えるべき重要段階を迎えた」。李克強首相は北京の人民大会堂で政府活動報告を険しい表情で読み上げた。
峠の先にあるのは下り坂。統計数字の信憑性について疑念が持たれている中国では「7・0%という数字自体に意味はないが、引き下げを認めざるを得なかったことが重要」(シンクタンク研究員)だという。
規模では世界第2位の経済大国になった中国だが、新たな成長の原動力は育っていない。コスト高を嫌う国内外の企業は既に生産拠点を東南アジアに移しており「製造業の空洞化」(中国の研究者)も始まった。
2014年の中国への直接投資実行額は日本が前年比38・8%減、米国も20・6%減、欧州連合(EU)も5・3%減らした。中国南部で活動する米国企業の団体も、今年の投資額を前年から9・3%減らすとの調査結果を出している。
中国当局が海外の金融機関などに対するサイバー規制も打ち出していることも、海外企業の逃げ足を速めることになりそうだ。
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