http://www.asyura2.com/14/china5/msg/452.html
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伊豆諸島・鳥島(奥)の周辺でサンゴを密漁する中国漁船とみられる外国船=昨年10月31日
中国サンゴ密漁団、次の標的はマグロか 漁獲制限免れ「乱獲」の恐れ 奥窪優木氏
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150215/frn1502150830001-n1.htm
2015.02.16 夕刊フジ
中国が空前のマグロブームに沸いている。現地のすし店は高級マグロを求める中国人客であふれかえり、関連ビジネスも活況だ。マグロ熱が沸騰する一方で、不安視されるのが無法操業を繰り返す「赤い船団」によるマグロの乱獲。昨年、日本の伊豆諸島沖や小笠原諸島沖に大挙して押し寄せて大騒動を巻き起こした赤サンゴの密漁団が、日本近海のマグロを狙っているというのだ。「日本のソウルフード」が直面する脅威を中国事情に詳しいジャーナリスト、奥窪優木氏がリポートする。
昨年のGDP伸び率が7・4%にとどまり、成長の停滞が鮮明となった中国で、例外的に熱気に包まれている産業がある。マグロビジネスだ。
「ちょっと前まで、すしといえばサーモンだった中国ですが、最近では多くの中国人がマグロの味に目覚め、赤身やトロを注文するようになった。ただ、日本人がおいしいと思えるマグロは、赤身の握り一貫で1000円以上する。それでも良いマグロが食べられる高級すし店は、連日大盛況です」(上海市在住の日系メーカー社員の男性)
こうしたブームのなか、大手企業も相次いでマグロビジネスに参入している。
1月17日、ニュースサイト「澎湃新聞」に「クロマグロの誘惑」という見出しが躍った。
記事の内容は、大手水産企業の「大洋世家」が、中国最大の食品企業「中糧集団」傘下の食品BtoC(一般消費者向け)サイトと生鮮食品販売の分野で戦略提携したことを伝えるものだ。
同社のCEO・曽岳祥氏は、中国での高級マグロ市場の可能性にいち早く目を付けた人物。曽氏は記事中、「クロマグロの需要はこれからも増大し続ける」と、提携がクロマグロ市場を見据えた動きであることをほのめかしている。
一方、上海証券取引所に上場する遠洋漁業大手「開創国際」は今年、子会社を通じ、マグロ漁と加工を行う会社をシンガポール企業との合資で設立する予定だ。
日本への高級マグロ輸出で長らくナンバーワンの座にある「中国金槍魚産業」も昨年、香港証券取引所に上場申請した。
だが、環境保護団体、グリーンピースによる「地球環境を脅かすことなしに、同企業の持続的発展はありえない」という趣旨の抗議を受け、同取引所に申請を却下されている。
世界では、マグロ類の保護を求める声が高まっている。昨年11月には、国際自然保護連合(IUCN)が公表したレッドリストにおいて、太平洋クロマグロが「絶滅危惧II類」に分類された。
これを受け、中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)は、重さ30キロ未満の未成魚の太平洋クロマグロについて、各加盟国の2002〜04年の平均漁獲量から半減させた漁獲枠を設定。今年以降の日本の漁獲枠は、年4007トンとなった。
だが、同じくWCPFCに加盟する中国は、この漁獲枠制限を免れているのだ。中国は、WCPFCが求めるクロマグロの漁獲量を報告していなかったため、目標設定ができなかったというのがその理由だという。
日本をはじめWCPFC加盟国が漁を控えている間に、マグロブームに沸く中国に採り尽くされてしまう心配もある。
さらに気になる話もある。ブームを支えるマグロ漁を担うのは、昨年、小笠原諸島沖などを騒がせた赤サンゴの密漁者たちと同じ、福建省の漁民たちだというのだ。
日系水産商社の北京駐在員の男性は話す。
「マグロ漁船の乗組員たちには、福建省の漁民たちが多い。もともと蟹などの高級海産物の漁で潤っていた彼らですが、ぜいたく禁止令を受けて収入が激減している。赤サンゴの密漁業者も、そこに目をつけて彼らをリクルートしたわけですが、今はマグロ漁を行う水産企業が同じように彼らに声をかけている。中国漁船のマグロ漁は、これまで尖閣沖など日本海がメーンでしたが、需要の増大や燃料費の下落を受け、今後は太平洋側のさらに広い範囲に漁に出てくるでしょう」
日本の海が凪(な)ぐのはいつになるやら…。
■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県生まれ。上智大経済学部卒。2004年に渡米、出版社・新聞社勤務を経てフリーに。07年から中国・広州で取材活動を開始。08年に帰国し、中国の社会問題を週刊誌などで執筆中。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社)、『中華バカ事件簿』(同)など。
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