02. 2015年2月08日 23:10:26
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2015.2.8 13:30 【日曜経済講座】人民元は「国際通貨」にあらず 財務官僚はIMF認定阻止を お金を刷って外国で自由に使える。夢物語のようでも、一定の条件を満たせば、可能というのが現代の金融である。その条件とは、その通貨を外国人が額面通りの値打ちありと信用し、支払いやその準備用に利用できることだ。では、世界第2位の経済超大国・中国の通貨、人民元はどうか。ドル、ユーロ、円に並ぶ国際通貨だろうか。中国人旅行者は東京・銀座やパリ・シャンゼリゼ通りで元決済のカードを使える。今や元建て貿易決済額は円建て貿易決済をしのぐ。
国際金融社会の総本山、国際通貨基金(IMF)が5年前、人民元を「自由利用可能通貨」として認めなかった。中国は以来、まさに臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、2012年秋に習近平氏が党総書記に就任するや、全力を挙げてワシントンにあるIMFでのロビイング活動に取り組む一方で、党の影響下にある大手国有商業銀行を東南アジアからロンドンなど欧州の主要な国際金融市場に進出させて、人民元金融と貿易決済規模を拡大させている。 東南アジアと韓国は人民元建て貿易決済が急速に普及し、「元経済圏」と化しつつある。ロシアのプーチン大統領も人民元による石油代金決済受け入れを表明済みだ。日本の銀行や商社業界も人民元建てのビジネス取引を競い合うありさまだ。 IMFは今、日本を含む理事会で元を自由利用可能通貨として認定するか、検討中だ。5年前に比べて、情勢は大きく変わった。IMFの重鎮、英国はロンドン金融市場での元取引をビジネス・チャンスとし、チベットなどの人権問題での中国批判を差し控えるほどだから、人民元支持に回る公算が大きい。 自由利用可能通貨となれば、元はIMFが持つ合成通貨「SDR(特別引き出し権)」を構成する主要国際通貨の一角に組み込まれる。SDRは現実には流通していないが各国の外貨準備用として使われているだけに、政治的意義を持つ。 現在、SDRはドル、ユーロ、円、ポンドの4大自由利用可能通貨で構成され、保有国はSDRをこれらの通貨と交換できる。中国の元が加わると、世界各国の通貨当局や中央銀行は人民元を外貨準備として持つようになるので、元は国際決済用として一挙にグローバルに普及する道が開ける。しかも、元はSDR構成通貨中、円に代わってドル、ユーロに次ぐ第3位にランク付けられる見通しが、英金融筋から聞こえてくる。だが、ちょっと待て。元にSDR通貨の資格はあるのか。 第1に、人民元の正体とはしょせんドルのコピーである。グラフは、リーマン後の中国と米国の中央銀行による資金供給量(マネタリーベース)の増加額の推移を追っている。一目瞭然(りょうぜん)、中国人民銀行はドルの増量に合わせて元を発行している。人民銀行は「管理変動相場制」のもと、人為的にほぼ固定した相場で流入する外貨をことごとく買い上げ、資金供給する。元は姿と表記を変えたドルもどきである。コピー通貨が、変動相場制であるユーロ、円やポンドと対等の国際準備・決済用通貨であるはずがない。 第2に、中国は管理変動相場を堅持するために、上海などの金融市場への外からの資本流入を厳しく規制している。巨額の外貨が出入りすると、人為的な相場では対応できなくなるからだ。ロンドン市場などでの元取引は中国系銀行が介在し、元マネーの大部分を本国に還流させるようにしている。円建ての証券のように、国際的に自由に流通する元建ての金融資産の規模も種類も限られる。そんな通貨が「国際利用可能通貨」と定義されるなら、他の国だって通貨の自由変動相場を見直し、金融市場を規制してもよい、ということになる。 たまる外貨の大半は外貨準備となって膨張している。習指導部はその外貨を使って、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)など中国主導の国際金融機関を創設準備中だ。投融資先への政治的影響力を高める元が国際準備通貨に認定されれば、今度元を刷っては垂れ流す。そうなると、国際金融市場の秩序は不安定になるだろう。 日本はIMF最大のスポンサーである。リーマン・ショック直後に、当時の麻生太郎政権はポンと1千億ドルの外貨をIMFに緊急融資した。財務官僚は日本国の影響力をテコにIMFに消費税増税を対日勧告させてきた。増税デフレで日本経済は今年度マイナス成長に舞い戻る。財務官僚は日本国を背負うエリートと自負するなら、せめて不当な中国の野望阻止に邁進(まいしん)すべきだ。(編集委員・田村秀男) http://www.sankei.com/column/photos/150208/clm1502080008-p1.html 「通貨戦争」の先の副作用を警戒(加藤出) 東短リサーチ社長チーフエコノミスト 2015/2/8 7:00 「スイス国立銀行(SNB)は『通貨戦争』に翻弄された面もあった」 「通貨戦争」がここにきて再び世界的にヒートアップしてきている。大胆な緩和姿勢を示し続けている欧州中央銀行(ECB)と日銀に刺激され、今年に入ってからインド、シンガポール、カナダ、オーストラリアなど政策金利を引き下げる中央銀行が続々と現れている。 1月のスイス国立銀行(SNB)による突然のユーロ最低レート(事実上の為替レートのペッグ=釘づけ)停止は金融市場を混乱させたが、SNBは「通貨戦争」に翻弄された被害者の面もあったといえる。金融危機から現在に至る流れの中で、米連邦準備理事会(FRB)など主要中銀がいわゆる量的緩和策(QE)を行いながら自国通貨を下落させてきたことで、周辺の小国は緊急避難対応を迫られてきた。 そんな中で一足先にゼロ金利解除に向かおうとしているFRBは急激なドル高に直面している。図表1は、FRB集計の貿易額に応じたドルの名目実効レートである。現在は、金融危機発生後のドル高のピーク(2009年3月上旬)に匹敵するドル高だ。このため、キャタピラー、ファイザー、リリー、P&G、ジョンソン&ジョンソン、ユナイテッド・テクノロジーなど、ドル高への激しい不満を口にする米大手企業経営者が続出している。米シンクタンクEPIは、「日本の為替操作で2013年に米国で約90万人の職が失われた」「為替操作を行う国とTPPを締結すべきではない」との主張を先週から始めている。 1月28日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文に、ゼロ金利解除を判断する上で「国際情勢」に着目すると書き加えられたのは、ギリシャ問題もあるが、ドル高の影響をFRBが無視できなくなったことが大きい。 しかし、FRBは原油安で個人消費は大きく伸びると考えている(米タイム誌は、昨年来の原油安は、米国の各家庭にとって750ドルの減税と同じ効果があると報じている)。イエレン議長は6月FOMCでの利上げ開始を諦めていないようだが、それには賃金上昇率がインフレ目標(2%)達成に必要な水準(年3%以上)へと近づく兆候が必要だ。1月の雇用統計で賃金は2.2%まで上昇したものの、統計上のクセが働いており、2月以降は一旦下がるだろう。6月利上げの可能性は排除できないが、ドル高の問題もあって、9月にずれる確率の方が高いと思われる。 「通貨戦争」の進展に伴い、金融市場では次の2つの動きが注目されるようになってきた。(A)中銀の資産がどこまで膨張するとSNBのように突然政策が終わるのだろうか(B)マイナス金利政策は広がっていくのか?という点である。まずは前者から見てみよう。 過去100年以上にわたって12の先進国の中銀の資産規模の変化を分析した論文をハーバード大学のN・ファーガソン教授らが昨年5月に発表している(”Central Bank Balance Sheets”)。1900年以降観察された中銀資産膨張の原因が次の4つに分類されている。 (1)自国通貨高を避けるために外貨買い入れを進めたケース。 (2)政府の資金調達(戦費など)に協力して、国債引き受けや国債買い支え政策を行ったケース。 (3)流動性危機時のパニックを鎮めるための最後の貸し手として資金供給を行ったケース。 (4)景気対策のために大規模資産購入を行ったケース(いわゆるQE)。 1950年代から近年の金融危機発生直前まで、多くの中銀資産の国内総生産(GDP)比は10%未満から15%の範囲で推移してきた。しかし、リーマン・ブラザーズ破綻後のパニックに対処するためにまず(3)が行われ、続いてそれは景気対策としての(4)へ引き継がれた。その結果、FRB、ECB、イングランド銀行(BOE)の資産のGDP比は20%台へと膨張した。 だが、1940年代に見られた(2)の要因(戦費調達)による中銀資産の膨張はそれよりも激しく、ピーク時で12カ国平均は38%前後に達したという。ただし、この論文は、中銀資産の大きさにシンプルな上限値があるとは見ていない。中銀の資産が大きくなるとインフレ率が上昇するという関係は、必ずしも明確ではないと著者は指摘している。 近年の主要中央銀行の資産の経済規模比(名目GDP比)を表したグラフが図表2である。SNBは前述の(1)のケースで資産を急膨張させてきた。同行は11年から、1ユーロ=1.2スイスフランを超える通貨高を避けるために、無制限介入を開始した。14年末にSNBの資産はGDP比92%へと膨張したが、半月後の1月15日に同行は突然ペッグ政策を放棄してしまう。 SNBの副総裁はその後のスイス紙のインタビューで、ECBがQEを導入する中でペッグを維持しようとしていたら、1月だけで1000億ユーロ前後の介入を行わなければならなかったと述べていた(その場合の資産のGDP比は108%前後)。ペッグを続けると中銀は資産規模を制御できなくなることを意味している。 そんなに巨額の外貨を買った後にペッグを止めたら、凄まじい評価損が発生して、SNBは政府に救済を仰ぐ必要が生じる。また、国内では住宅バブル懸念も現れていた。通貨高を避けたいならば資本流入規制という手もあるが、金融が主要産業のスイスではそれもできない。ペッグの終わりを事前に匂わせると、その瞬間から市場では強烈なスイスフラン買いが発生してしまうため、SNBは予告なくペッグを放棄した。 なお、SNBは1月後半に介入を密かに再開したもようだ。SNBの当座預金残高が増加を始めたことがそれを示している。輸出産業のためにスイスフラン高を和らげる必要が生じたようだ。2月1日のスイス紙「シュバイツ・アム・ゾンターク」は、スイス当局は、為替レートを1ユーロ=1.05〜1.10スイスフランのバンド内で誘導する方針を非公式に決めたもようと報じた。公式に宣言してしまうと、その約束を守るために大規模な無制限介入が必要になるので、曖昧なままでいくのかもしれない。 そのSNBをGDP比の資産規模で猛追しているのが日銀である。今の国債買い入れペースを続けることができたら、日銀資産のGDP比は17年に100%を超える。SNBの資産のほとんどは外貨だが、日銀の資産の大半は日本国債だ。日銀の国債購入動機は前述の(4)(景気対策)であり、いまは(2)(政府の資金調達への協力)ではない。ただし、陰の狙いは円安誘導なので、動機は(1)とかぶるといえる。 日銀は現在ペッグ政策を行っているわけではないので、SNBのように突然政策が終わる確率は当面低いといえる。しかしながら、前掲論文は、歴史に学ぶべき点として、次のようなリスクを指摘していた。「中銀が長期金利を低下させようとして国債の購入をひとたび開始すれば、それを戻そうとするときに政治的圧力に直面し得ることを1950年代の教訓は示している」。そうなると、日銀の国債買い入れは、事実上(2)に変容してしまう。「中銀の独立性が損なわれると、ゆっくりとではあっても、長期的な物価の安定への脅威が現実化してくることを歴史は示している」と同論文は指摘している。 2015年の政府債務残高の名目GDP比(OECD推計)は、米国は110%、英国は98%だが、日本は世界1位の234%だ。しかも高齢化によって日本の財政収支は2020年代以降一段と深刻に悪化していくだけに、日銀がその問題に直面する確率はFRBやBOEよりはるかに高いと言わざるを得ない。 マイナス金利政策は現在、ECB、スイス、デンマークが行っているため、「日銀はいつか?」という問い合わせを筆者は市場関係者からよく受ける。将来、強烈な円高圧力が発生して、かつ日銀に追加緩和策の手段がなかったら、マイナス金利政策が採用される可能性は否定できないが、現時点ではそのハードルは高いといえるだろう。 日銀がそれを今は採用しにくい理由としては、(1)マネタリーベース目標を採用している(2)金融機関は日銀に返済できる貸し出し(貸出増加支援制度など)を受けている、という点が挙げられる。準備預金にマイナス金利を課すと、(2)は現在30兆円以上の残高であるために、金融機関はできるだけ日銀にそれを返済しようとするだろう。それを補って資金供給できるツールがもし日銀にあれば、(1)を達成することができる。しかし、国債買い入れ策を増額することはかなり困難であるため、他に大きく購入できる資産を見つけられない限り、マイナス金利政策は導入しにくい。 (1)を撤廃してしまえば、マイナス金利を行いやすくなるが、それは13年4月に開始した今の量的質的緩和策(QQE)の枠組みを否定することになる。現時点では黒田東彦総裁は、日本経済の先行きを楽観視している。米経済が予想外の失速を見せない限り、4月の「展望レポート」発表時は、インフレ率が原油要因を主因にマイナスになっていても、追加緩和策は見送る可能性が今は高いだろう。 なお、マイナス金利政策は国民および政治家から強い反発を招くケースがあるため、その点でも日銀は見極めが必要だろう。昨年6月にECBがマイナス金利を採用したことで、ドラギ総裁はドイツの世論を完全に敵に回してしまった。スイスで1月から始められたマイナス金利政策は、国民が怒り出さないようにある程度の配慮がなされている。 SNBは、金融機関が顧客の小口預金にマイナス金利を課さないように、銀行が持つ準備預金から所要準備の20倍までを控除した額にマイナス0.75%を課している。ジュネーブ最古のプライベート・バンク、ロンバード・オディエ銀行は個人も含め、10万スイスフランを超える額に0.75%をチャージしているが、チューリッヒ州立銀行は、企業や機関投資家の大口預金に対してのみ0.75%をチャージ、ポスト・ファイナンスもそういった大口預金に1%をチャージすると発表している。最大手のUBSとクレディスイスもマイナス金利は大口預金に限定しているようだ。 (表1)スイスフラン紙幣 (2014年1-11月平均) 額面 金額 (百万) 比率 枚数 (百万) 比率 1,000 38,343 61.2% 38.3 9.8% 500 110 0.2% 0.2 0.1% 200 9,001 14.4% 45.0 11.6% 100 10,531 16.8% 105.3 27.1% 50 2,383 3.8% 47.7 12.2% 20 1,615 2.6% 80.7 20.7% 10 720 1.1% 72.0 18.5% 合計 62,702 100.0% 389.3 100.0% 資料:SNB なお、スイスでは、1000フラン札(約12.9万円)が発行されている。スイスの紙幣流通額の61%がそれだ(表1)。海外の投資家も含め、資産をそれに代えて金庫に退蔵している人が多いのである。1000フランの札束は、同額の金(ゴールド)よりもかさばらないという噂もある。今後、金融機関や投資家がマイナス金利を避けるために1000フラン札を保有したがれば、同紙幣の流通額が増加していくのでその動向が注目される。もっともそれは、お金が使われずに金庫にしまわれていくことを意味するので、何のためにこの政策が行われているのか分からなくなってくる面もある。また、マイナス金利政策で国債の利回りが過度に低下した状態が長期化すると、銀行の収益が悪化して中小企業に貸し出しを行うリスクがとれなくなったり、年金の運用利回りが低下して国民が打撃を受ける可能性もある。 多くの中銀が自国通貨を安くするために資産を異様に膨張させたり、マイナス金利政策を始めたりしているが、そういった「海図なき領域」の政策が世界経済にどのような副作用を招くか彼らも実はよく分かっていない。先行きアメリカ経済が景気後退期に入ったら「通貨戦争」はさらに激化する恐れがある。国際通貨制度の枠組みをあらためて議論すべき時期が来ているといえる。 加藤 出(かとう・いずる) 1965年生まれ。88年3月横浜国立大学経済学部卒、同年4月東京短資(株)入社。短期市場のブローカーとエコノミストを兼務後、2002年2月に東短リサーチ(株)取締役、13年2月より現職。マーケットの現場の視点から日銀、FRB、ECB、中国人民銀行などの金融政策を分析している。07〜09年度に東京理科大学、中央大学で非常勤講師。主な著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、01年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、06年)、「東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、02年、09年)、「日銀、『出口』なし!」(朝日新聞出版、14年)など。 世界の中銀、緩和ドミノ ドル独歩高で米企業逆風 2015/2/8 0:47 【ニューヨーク=佐藤大和】世界の中央銀行が金融緩和に動いている。原油安で景気減速や低インフレへの対応を迫られているほか、欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和決定を受け、対ユーロで自国通貨高の圧力を受けているためだ。昨年秋以降、中銀が利下げに動いた国は20を超えた。利上げが視野に入る米国のドルは独歩高になっており、米企業の耐久力が試される局面を迎えている。
欧州中銀(左)と中国人民銀(中)、オーストラリア中銀 各国中銀の利下げラッシュは、2008〜09年の金融危機以来。今回のきっかけは14年夏以降の原油相場の急落だ。産油国など資源国で景気に急ブレーキがかかり、中銀が金融緩和に動かざるを得なくなった。 北海油田を抱えるノルウェーの中銀は14年12月、2年9カ月ぶりの利下げを決定。カナダ中銀は15年1月、「原油安の逆風」(ポロズ総裁)を理由に5年9カ月ぶりの利下げに踏み切った。 原油安は鉄鉱石や銅など資源価格の下落に波及。オーストラリア中銀は2月3日、政策金利を過去最低の年2.25%に引き下げた。同じ資源国の南米チリやペルーも利下げに動いている。 エネルギー価格の下落で低インフレ懸念も広がった。ユーロ圏の物価上昇率がマイナスに沈んだのを受け、ECBは1月22日に国債を大量に買い入れる量的緩和策の導入を決定。中国人民銀行(中央銀行)は14年11月の利下げに続き、15年2月4日に預金準備率の引き下げを決めた。 ECBの量的緩和観測はユーロ売りを誘発。スイスフランに上昇圧力がかかったため、スイス中銀は無制限の為替介入によるフラン相場の上限維持を断念し、政策金利を一部マイナス圏に引き下げた。自国通貨クローネをユーロに連動させているデンマークの中銀は1月以降、4回の連続利下げに踏み切った。 インフレが悩みだったインド中銀が利下げに動くなど、原油安が追い風になった中銀もある。だが大半は、予想外の景気減速や市場の混乱からドミノ倒しのように金融緩和に動いた。 「通貨安競争の色彩を帯びている」。米ゴールドマン・サックスのゲーリー・コーン社長は、各国の金融緩和の流れをこう分析する。「利下げ→自国通貨安→輸出の後押し」という需要争奪戦に陥っているとの見方だ。 08年以降の緩和局面と違って今回、米国は利上げをうかがっている。円やユーロなど主要通貨に対するドルの変動率(実効相場)は14年8月以降に16%上昇し、約11年ぶりの水準に達している。 米景気回復は堅調で、自動車社会の米国では原油安が今後、個人消費を押し上げる見通しだ。ただ米国外で稼ぐグローバル企業にドル高は逆風だ。建機大手のキャタピラーや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は14年10〜12月期、前年同期比で減収減益に陥った。 「米連邦準備理事会(FRB)は早期に利上げすべきではない」(キャタピラーのダグ・オーバーヘルマン最高経営責任者)。15年半ばとの観測が根強い米利上げに、米企業から慎重論が浮上してきた。 http://www.nikkei.com/
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