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中国で1949年の建国以来と言われる大がかりな汚職・腐敗撲滅運動が展開されている。これまでに6万人以上の党員が処分され、14年12月には胡錦濤政権時代に最高指導部の党政治局常務委員を務めた周永康氏が「重大な規律違反」容疑で逮捕された。写真は同氏。
<追求!膨張中国(8)>「歴代王朝は腐敗で亡びた!?」=習近平主席、汚職撲滅と大胆改革に賭ける―「中興の祖」になれるか
http://www.recordchina.co.jp/a100199.html
2015年1月7日 5時7分
中国で1949年の建国以来と言われる大がかりな汚職・腐敗撲滅運動が展開されている。習近平氏が2012年11月に中国共産党の総書記に就任して以来、「虎もハエも叩く」の掛け声のもと、これまでに6万人以上の党員が処分された。14年12月5日には胡錦濤政権時代に最高指導部の党政治局常務委員を務めた周永康氏が「重大な規律違反」容疑で逮捕された。
周氏は公安・司法分野の責任者を務めたほか、有力国有企業の中国石油天然気集団(CNPC)のトップの経歴もあり、長らく石油産業の中心人物でもあった。従来、党政治局常任委員経験者は逮捕されないとの不文律を破ってまでも断行された背景には、いくつかの要因がある。まず中国国内の格差拡大と腐敗のまん延を放置できなくなったことだ。共産党統治の正統性が問われていることに危機感を抱き、司法が及ばないとみられた周氏のような大物をサプライズ的に失脚させることで、汚職一掃に真剣に取り組んでいるという強いメッセージを国民に送ることができると考えたようだ。
◆国民大衆は喝采送る
中国国内のインターネット空間には、習国家主席による汚職追放キャンペーンを肯定するメッセージが溢れている。14年11月18日、中国の動画投稿サイトにアップされた習氏を礼賛する歌と動画は1週間で再生回数が4000万回を超えた。
今後、かつての薄煕来(元重慶市総書記)裁判のように、収賄、横領、権力乱用の訴求に対し、反論の機会を与えながら、腐敗撲滅に賭ける強い決意をアピールしていくとみられる。公判報道は国民大衆への格好の教宣材料となるのだ。
「周失脚事件」は中国の党や政府の幹部に衝撃を与えている。中国社会では収賄や利益誘導がまん延しており、次は自分のところに司直の手が及ぶかもしれないと懸念する幹部は多い。党員は高級レストランで食事をしているところを目撃されたり、高価な時計を腕にはめていることをさとられたりすることも恐れている。世界最大6億人のネット民がブログや中国版ツイッター(微博)などで目を光らせているのだ。共産党や政府の役人が国家国民の利益より自己の利益を優先しているとの疑念を抱いている国民は多い。
◆「虎退治」、派閥に関係なく叩く
周氏逮捕の2週間後の12月22日、今度は胡錦濤前国家主席を輩出した共産主義青年団(共青団)出身の令計画・党統一戦線部長が取り調べを受けた。江沢民元国家主席ら保守長老を牽制し権力基盤を強化することも狙っているようだ。事情通によると、江、胡両氏は党の中核だった元幹部や有力者の家族に対する摘発を抑制すべきだと進言したものの習氏はこれを一蹴したといわれている。国家主席や政治局常務委員経験者であっても摘発の例外としないことを示すことによって、政務や人事への介入を慎むよう警告する意味合いもあろう。この腐敗撲滅運動は、党幹部の綱紀粛正、格差拡大の温床になっている国有企業改革、政敵打倒による権力基盤強化の「一石三鳥」を狙ったものといえる。
14年4月には江沢民氏に近い華潤グループ(電力会社)の宋林・董事長が巨額の汚職の疑いで捕まったが、宋林氏は、電力界の大物、李小鵬氏と緊密な間柄。父親の李鵬・元首相や妹の李小琳とともに、中国の電力界をリードしている。また同年9月には袁純清・山西省党書記が解任されている。ともに共青団の有力メンバーである。電力閥は、江沢民派でも共青団も差別なしに、「虎退治」のターゲットになっているのだ。
中国共産党幹部の腐敗は、救いようがないほど蔓延し、習氏は、このままでは中国が滅びてしまうとの危機感を抱いているとされる。石油閥の後は電力閥が次の退治のターゲットになっているのは、ともに巨大な独占的利益集団である国有企業だからだ。国有企業を抜本的に改革しなければ、中国の経済発展が行き詰まると考えているという。
習近平国家主席への圧倒的な権力集中を背景に、規制緩和、権限委譲、国有企業改革、経済改革、司法改革、戸籍改革、地方財政改革を断行する構え。習主席は「2020年までに改革達成」へ背水の陣を敷いており、これらの大胆な改革が実現するかが中国の命運を握るカギとなる。
中国政治研究者によると、習近平政権の特徴は(1)権力の集中と党内派閥(太子党、共産主義青年団)の解消(2)空前絶後の腐敗撲滅(3)大胆な改革(4)厳しい言論統制(5)改革派だけでなく保守派とも協調―など。広範な階層から支持されており、「中興の祖」となる可能性もあるという。「皇帝が進める市場化改革」と言えるが、民主化、言論の自由なしに進展するかどうか。改革が進展しなければ、急速にレームダック化する可能性もある。
◆習主席、人民解放軍を掌握―江沢民派の影響排除
人民解放軍は元来江沢民氏の影響下にあったが、習主席は制服組トップだった徐才厚氏(江沢民派)を昨年、「反腐敗」の象徴として党籍はく奪処分にした。ところが江沢民の影響を受けた者すべての粛清は非現実的だ と判断して、不問に付した。象徴的な人物を見せしめ的に叩くことによって他の者たちに忠誠を誓わせ、この結果、習主席は人民解放軍を掌握した。この点、江沢民の影響排除に失敗した胡錦濤前主席と異なる。
習近平国家主席は、14年12月22日、令計画氏の取り調べを公表した際、「党内では絶対に封建時代の結託を再現してはならない。仲間を呼び寄せて徒党を組み、特定の仲間だけしか入れない入場券を出すような、あの封建時代を再現してはならない。全ての党員が平等に取り扱われ、平等に権利を持っていなければならない」と警告した。既得権益者=独占国有企業グループの腐敗にメスを入れなければ、これまでの歴代王朝時代と同じように、65年続いた中国共産党「王朝」が崩壊する崖っぷちに追い込まれていることを自覚しているのだろう。
習氏が見据えるのは、党最高指導部の政治局常務委員7人のうち、習氏と李氏以外の5人が入れ替わる17年の次期党大会だ。22年から始まる「ポスト習」時代の最高指導部の陣容もこのとき見えてくる。江沢民、胡錦濤両氏は次期党書記を選べなかった。習氏が自ら指名できれば、毛沢東、トウ小平両氏以来となり、この2人のカリスマに続く「大物指導者の仲間入りする」との説まで取りざたされている。(八牧浩行)
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