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習近平とオバマは中南海で何を語っていたのか3つのシーンから検証する中国民主化の行方(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/14/china5/msg/178.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 18 日 08:30:05: igsppGRN/E9PQ
 

習近平とオバマは中南海で何を語っていたのか3つのシーンから検証する中国民主化の行方
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141118-00062301-diamond-soci
ダイヤモンド・オンライン 11月18日(火)8時0分配信 加藤嘉一

● 過密日程のなかで 10時間に及んだ会談

 北京で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議が閉幕した。主催者である中国の習近平国家主席はここぞとばかりに積極外交を展開した。

 アジア太平洋自由貿易区構想、アジアインフラ投資銀行、シルクロード基金といった“パンアジア・パシフィック”を彷彿させ、同地域で主導権を握りながら地域の繁栄と安全を引っ張っていく意思を示唆するプランを次々と打ち出し、参加国に共鳴を求めた。

 習主席は、日中だけでなく、国際社会でも話題を呼んでいた安倍晋三首相との会談に挑んだ。また、韓国の朴槿恵大統領とは中韓自由貿易協定(FTA)を実質的に妥結させた。ロシアのプーチン大統領とも単独で会い、中ロの友好と協力を確認し合った。さらに、習近平・オバマ会談では、温暖化ガス削減の合意や米中両国間の人員交流におけるビザ緩和、経済交流における投資協定の促進、軍事政策・交流でも協力関係を強化していく旨を話し合った。

 今回のAPEC非公式首脳会議を通じて、もちろん安倍・習会談が行われた事実はひとつの注目点であったが、私がもっとも衝撃を受けたのは、11日夕方から12日午前中にかけて、約10時間に渡った習近平・オバマ会談である。昨年6月、米カリフォルニア州サニーランドで行われた非公式会談において、2人は約8時間、時空を共にしたが、今回はそれ以上の接触ぶりであった。

 「今回、あなたのスケジュールは過密だ。公式な会談とリラックスできる場面、両方を準備させていただいた」。習主席はオバマ大統領にこう語った。

 本連載の核心的テーマである中国民主化研究という観点から見て、今回の習近平・オバマ両リーダーのやりとりには、中国政治の未来を習近平という中国の最高指導者の思考回路や価値体系から考えるうえで、重要なエッセンスが詰まっている。

 本稿では、両氏の約10時間に渡った接触と交流をレビューしつつ、中国民主化問題を捉える上で我々がいま認識すべきインプリケーションを3つ抽出し、検証を加える。

● 歴代皇帝が栄光と屈辱を味わった 中南海・瀛台での“中国史講義”

 11月11日、18時半。中国共産党権力の中枢を体現する中南海は瀛台(えいだい)に習近平・オバマ両氏が集まり、散歩を始めた。米中両国からの通訳2人だけが両指導者に同行した。米サニーランドの緑の芝のうえを2人が散歩したときのように。辺りはすでに真っ暗だ。2人は黒いロングコートを身にまとっている。

 習主席が瀛台の歴史を解説し始める。

 「瀛台は明の時代に建設された。清の時代には、皇帝が文書を読み込み、批准したり、お客さんを招いたりする場所だった。避暑地でもあった。康煕帝はここで如何にして内乱を治め、台湾を取り返すかといった国家戦略を研究していた。その後、光緒帝の時代になって、国家は衰退した。戊戌の政変に失敗後、西太后はここで幽閉された」

 しんみり聞き入っていたオバマ大統領はこう返した。

 「米中の歴史はその点で似ている。改革は障害に遭いやすいのは不変の規律だ。我々は勇気を振り絞らないといけない」

 習主席はオバマ大統領のほうを見て、力を込めた。

 「中国人民の今日における理想と目標を理解するためには、中国の近代以来の歴史を知らなければならない」

 散歩、夕食、その後のティーブレイクを含め、21時15分に終了するはずだったが、結局23時過ぎまで交流して、両者はようやく別れた。

 「オバマ大統領が“まだ質問したいことがある”と申し出て、それに対して習主席が“どうぞ”と受け入れる場面がいくつもあった。結果、会談は予定以上に伸びてしまった」。当日夜、中南海で同会談を取材した中国党機関紙記者はこう振り返る。

 以下のようなやり取りもあった。

 習主席:「中国文明は古代以来“大一統”を重視してきた。中国が統一を維持できている局面では、国家は強く、安定していた、人民は安心し、幸せな生活を送ることが出来た。逆に、国家が混乱・分裂すれば、人民は悲惨なまでの災難を被ることになった。我々は主権を重んじる。歴史上外からの侵略に何度も見舞われたからだ。」

 オバマ大統領:「中国人民がなぜ国家の統一と安定をここまで重んじるのかをこれまでよりも理解できた。米国は中国の改革開放を支持している。封じ込めたり、囲い込んだりする意図はない。米国の利益に符合しないからだ。米国は中国側と率直に話し合い、相互理解を増進し、教訓や経験を汲み取りあい、違いや摩擦を管理し、誤解や誤判を回避したい。中国は米国のパートナーだ。」

 別れ際、オバマ大統領は習主席に対して「今晩、私は人生のなかで最も全面的に、そして深く中国共産党の歴史と執政理念、そしてあなたの思想を理解することになった」と告げた。2人は握手を交わし、オバマ大統領は車に乗り込んだ。習主席は車が見えなくなるまでその場に立ち尽くし、手を振って見送った。

 私自身、習主席が歴史書の愛読者で、歴史上の皇帝たちがどのように権力基盤を固め、どのような盛衰のプロセスを辿ったのかを念入りに研究しているということを共産党関係者たちから聞いていた。それだけに、習主席が自らの仕事場でもある中南海にオバマ大統領を招き入れ、しかも歴史上の皇帝が屈辱を味わった象徴的な場所でもある瀛台で“中国史講義”を自ら施したのは印象的だった。

 習近平という国家指導者が、歴史上の皇帝たちの栄光と屈辱を双肩に背負い、且つそれらを内政や外交の場に体現していく指導者であるということを改めて思い知らされることになった。

● “リラックスできる場”で漏らした 習近平の民主観と政治観

 次に、“習近平の民主観”を知るうえで重要な直接的なやりとりがオバマ大統領の会話のなかにあった。

 2人の話が政治体制に及んだとき、習主席は憚ることもなく、はっきりと自らの考えをオバマ大統領に伝えている。

 「我々の民主に対するこだわりは“一人一票”に限らない。我々の民意に対する追求心は西側国家に比べても遜色ないどころか、それよりも多いだろう。西側の政党は往々にして特定の階級や分野の代表であるが、我々は人民全体を代表しなければならない、だからこそ、我々には広範な民主協商のプロセスが必要なのだ」

 本連載でも度々検証してきたが、“改革”そのものに対しては強いこだわりと戦略を持っているように見える習主席であるが、西側の自由民主主義に対しては終始懐疑的、もっと言えば、拒絶的な見方をしているようだ。

 「習主席には、西側の制度では歴史的に複雑な中国を統治することができないという考え方が強い。中国を統治するうえで最も重要なのは、共産党の威信を高め、人民が共産党を信任したうえで力強く改革を進めていくことだと思っている」(共産党関係者)

 西側民主主義の“代弁者”でもある米国のオバマ大統領との“リラックスできる場面”(習主席)で漏らした上記の言葉は、習主席の民主観・政治観を知る上で重要な参考材料になる。

 と同時に、この言葉は、“法治”をテーマにした四中全会をレビューした前回コラム(習近平は共産党内の権力をどこまで掌握しているのか? )における以下の結論部分とも符合する。

 「習近平総書記はあくまで共産党の地位と権威を強化するための政治的道具として“法治”を持ち出しているのであり、西側諸国におけるrule of law、すなわち、三権分立に立脚した司法の独立や、憲法の権力に対するチェックアンドバランス機能を制度化することに関心を示しているわけではないと判断できる。」

 「習近平という人物をどれだけ解剖できるか。いま中国政治を理解するうえでもっとも重要なことだ」

 長年中南海をウォッチしてきた中国のある知識人はこう述べる。

● 人権や香港“占中”に 言及した共同記者会見

 翌日の12日、習近平主席とオバマ大統領は場所を人民大会堂に移して会談を行った。習主席の言う“正式な会談”を指す。今回中国を公式訪問(state visit)したオバマ大統領を、中国共産党指導部は熱烈に歓迎した。常務委員7人が全員オバマ大統領と会って交流した手配ぶりからも中国側の重視度が伝わってくる。

 本稿の目的は、習・オバマ会談から米中関係の現状と展望を分析することではなく、中国民主化研究という意味で、オバマ大統領が習主席から引き出した、インプリケーションに富んだ言葉や仕草を抽出し、検証を加えることである。従って、米中首脳会談の詳細や内容については省くことにする。

 ここで私が注目したのは、会談後、同じく人民大会堂で両首脳が挑んだ共同記者会見である。会見は、習主席、オバマ大統領がそれぞれブリーフィングをし、その後、米中それぞれのメディアから1つずつ質問(New York TimesとChina Daily)を受けて終了した(米ホワイトハウスオフィシャルサイト参照:Remarks by President Obama and President Xi Jinping in Joint Press Conference)。

 オバマ大統領は中国共産党政治に“外圧”をかけるような言葉をブリーフィングのなかで切り出した。

 「私は、習主席に対して、すべての人間が持つ基本的人権を保護することは、米国が中国との関係をマネージする上での重要な要素であり続けることを今一度述べた。我々は有意義な意見交換をし、習主席も私に対して中国が人権問題で前進している旨を伝えてきた。私はすべての人間が本来的に持つ言論の自由を尊重することがどれだけ重要であるかを描写した。ニューヨーク、パリ、香港を含め、全ての地域で生活する人々である……。我々はチベットが中華人民共和国の一部であると認識し、独立は支持しない。一方で、中国政府がチベットの人々が長年擁してきた文化や宗教、言語やアイデンティティーを保護するための一層の努力を促す次第である」

 オバマ大統領がブリーフィングを終えると、ニューヨーク・タイムズのマーク・ランドラー(Mark Landler)記者が質問を始めた。

 同記者の質問のなかで私が注目したポイントが2点ある。

 「中国には“香港で起こっている抗議デモの黒幕は米国である”といった反米的な言論があるがどう思うか? 」

 「ニューヨーク・タイムズを含め、米国のメディアで働く記者たちが中国当局からビザ発行を拒否されている。今回合意した米中ビザ緩和によって、中国で働く記者たちの処遇も改善されるのか? 」

 前者はオバマ大統領に対して、後者は習主席に対する質問である。

 「香港問題は習主席との会談でも話題になった。米国は香港で起こっているデモに関与していない旨をはっきりと伝えた。これらの問題は香港、そして中国の人たちが決めるべきことだ。一方で、米国が重んじる外交、そして価値観という観点から、人々の言論の自由、そして香港で透明性のある、公正で、現地の人々の意見を反映できる選挙が実施されるべきだということはこれからも主張していくという立場も習主席に伝えた」

 このように回答したオバマ大統領は、ランドラ―記者が提起したビザ問題に関しては、「米中にはビザ発給をめぐって違いがあるのだろう」とだけ言及し、隣に立っている習主席を刺激するような発言を意図的に控えた模様だ。

 中国の党機関英字紙であるチャイナ・デイリーの記者からの質問である「中国は国際情勢における自らの役割と立ち位置をどう捉えているか? 」に対して、これまで同様のスタンスを繰り返した習主席は、ニューヨーク・タイムズのランドラ―記者が提起した質問は無視してそのまま記者会見終了となるかと思われたが、見解を述べ始めた。

 人権問題に関しては、「我々はミッションを達成したとは思っていない。改善しなければならない余地がまだある。中国は平等で、相互に尊重するという基礎に立って、人権問題をめぐって米国と対話をする用意ができている」と語った。

 香港問題に関しては、「オバマ大統領にも伝えたが、香港で起こっている“占中”(Occupy Central)は違法行為である。我々は香港特別行政区政府が法律に従って事態に対処し、香港社会の安定と香港市民の生活と権利を維持することを支持する。香港問題は中国の内政であり、如何なる国家も干渉すべきではない」と語った。

 11月15日、香港の抗議デモを引っ張ってきた香港学生連盟のリーダー3人が、北京にいる李克強首相や政府役人たちに直接思いを訴えるべく香港空港に到着した。事前チェックインも済ませ、あとはドラゴンエアーの機内に乗り込むだけという状況だったが、搭乗手続きの際、中国政府が3人の入国許可証を撤回したため搭乗不可という事情を同航空会社の係員から告げられた。

● 共産党の権力と威信こそ重要 歴史に根拠を求める習近平

 米中首脳共同記者会見の最後、習主席はビザ問題に関する立場をこう語った。

 「中国は市民の言論の自由と基本的権利、及び法律に基づいた外国メディアの権益を重んじている。メディアは中国の法律と規定に従わなければならない。道路で車が壊れた場合、我々は下車し、何処に問題があったのかを見なければならないだろう。問題の発生には必ず原因が伴うものだ。中国にはこのような俗語がある:“問題は、起こした人間によって解決されるべきだ”。」

 私は個人的に、習主席の性格を体現した回答だと感じた。要するに、「原因はあなた方にあるのだ。ビザを発給して欲しければ、やり方を考えなおして、姿勢を正して、出直して来なさい」という意味である。

 本連載でも度々検証してきたように、習主席は共産党の権力と威信を脅かそうとする輩に対しては、自国民だろうと、外国人だろうと容赦しないタイプの政治家であるようだ。

 それを脅かす可能性のある西側の民主主義も、西側のジャーナリストも、表向きは温厚に、実際は断固たる姿勢で拒んでいくに違いない。逆に、中国の尊厳や国益を重んじ、積極的に対話を求めてくる相手に対しては、熱烈に歓迎し、最上級の接待を施すのだろう。今回、中南海でオバマ大統領に捧げたように。

 また、最後に比喩として持ちだした俗語(中国語で“解???系?人”)の起源となった物語は明の時代に遡る。やはり、習主席は歴史を好み、自らの政治や政策の根拠を歴史に求める傾向があるようだ。

 本稿の結論として、中国民主化に対するインプリケーションを3つ述べる。

 @ オバマ大統領率いる米国政府が中国に“民主的外圧”をかけるのは困難である。
 A 習近平主席は外から押し付けられる形での政治改革を拒む傾向にある。
 B 習近平主席が思い描く政治改革は西側の民主主義とは異なる性質のものである。


 

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コメント
 
01. 2014年11月18日 10:58:14 : EIg6m2YYAw
大統一という考えの中にはパートナーという考えはなく当面の間は利用しがいのある相手ぐらいの認識だろうそんな言葉に騙されるほど大統領は間抜けではないと思うが何か弱みでも握られているのかな?

02. 2014年11月18日 12:34:22 : FUtnN1arpo
いや、マヌケだろう。

03. 2014年11月18日 23:35:28 : aQq0UGoaxY
民主化だと?嘘クセ。

オバマはそうでなくとも偽ユダヤは難癖つけて中国を喰い物にしてきたのだ。
英国も長い間多くの物を中国から奪い、コケにしてきた。
習近平は心を許しているわけではない。
だが貿易量からして、米国は共和党政権になっても中国に依存するしかない。
中共はそのことをよく知っている。


04. 2014年11月19日 14:48:12 : EIg6m2YYAw
習主席って赤い貴族の代表者だろ。民主化すると一党独裁が崩れてしまうから民主化など許すはずもない。王政を倒すには外からの侵略か民衆革命しかないが民主化を求める香港民のため中国に手を出す勇気のある国などないだろう(共和党になればわからないが)。あとは人民のための政府を人民自身が倒すしかないがチベット、ウィグル、モンゴルで弾圧慣れしている上、天安門で丸腰の学生を戦車で攻撃しちゃう国だからそう簡単には行かないだろう。

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