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中国不動産事情、「家不足」から「供給過剰」に=需給のバランス変化―中国メディア
http://www.asyura2.com/14/china5/msg/159.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 11 日 21:55:05: igsppGRN/E9PQ
 

5日、中国住宅市場の需給関係に変化が生じており、「全体的に不足、一部は極度の不足」から「全体的に余裕、一部は供給過剰」に変わっている。


中国不動産事情、「家不足」から「供給過剰」に=需給のバランス変化―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/a96971.html
2014年11月11日 20時20分


2014年11月5日、中国証券報によると、中国住宅都市農村建設部(住建部)政策研究センター主任の秦虹(チン・ホン)氏は4日、「2011年以降、中国住宅市場の需給関係に変化が生じており、『全体的に不足、一部は極度の不足』から『全体的に余裕、一部は供給過剰』に変わっている」と述べた。

ここ数年、中国不動産市場の供給が急増している原因について、秦氏は金融危機に対応するため、2008年に大量の流動性が放出されたが、実体経済の不振により大量の資金が直接的もしくは間接的に不動産業界に入ったことや、2011年以降、地方政府の土地財政に対する依存度が高まり、土地譲渡が加速されたことなどを挙げた。(提供/新華網日本語版・翻訳/郭丹・編集/武藤)


 

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01. 2014年11月12日 07:16:16 : jXbiWWJBCA

中国の東アジア企業:政治的緊張に隠れた依存関係
2014年11月12日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2014年11月8日号)

台湾、日本、韓国は中国本土で膨大な数の中国人を雇っている。

フォックスコン関係会社の社員寮で転落死
台湾フォックスコンの深圳工場で働く労働者〔AFPBB News〕

 中国は奇妙なことに、東アジアの隣人とうまく付き合うのに苦労する国だ。強硬な領有権の主張やその他の高圧的な態度で多くの近隣国の感情を逆なでする。

 だが、政治的な緊張は、東アジア地域の緊密な経済関係、特に、驚くほど多くの中国人が本土で東アジア企業に雇われているという事実を見えにくくしている。

 直近の集計では、8万8000社に上る台湾企業が1560万人の中国人労働者を雇っていた。およそ1100万人が2万3000社の日本企業やそのサプライヤー企業に雇われている。

 ここに韓国企業で働く200万人を加えると、問題を抱えた東シナ海周辺の企業は、3000万人に迫る中国人を雇っていることになる。

出稼ぎ労働者の重要な働き口

 こうした中国人の大半は、もちろん、工場で働いている。一部の企業の労働条件は批判を浴びるようになった。最も有名な例が、アップルやその他ハイテク企業のために商品を生産する台湾の鴻海精密工業(通称フォックスコン)だ。同社は中国最大の外国雇用主でもあり、100万人という驚異的な数の中国人労働者を抱えている。

 独立した労働組合に友好的だったためしのない中国当局だが、時折、日本の自動車メーカーを含む外国資本の工場でのストや労働争議を容認してきた。時として、これは中国での事業展開を若干リスキーなものに見せる。中国で反日感情が燃え上がった時には、複雑に入り組んだ地域のサプライチェーンが突如脆く見える。

 だが、中国は外国企業のこうした雇用が必要なことを知っている。こうした仕事の大多数は中国の地方から出てきた出稼ぎ労働者が担っている。2012年には、およそ1億6300万人が出身地域の外で働いていた。政府は普段から、落ち着きのないこの集団が失業したら何が起きるか心配している。

 実際には、多くの中国人は外国企業で働くことを好む。外国企業は地元企業と同じくらい(多くの場合は地元企業以上に)しっかり中国の労働規則を守る。給料もかなりいい。

 また、概して、これらの企業は採用し続けている。台湾のコンサルティング会社、中華徵信所(CCIS)が台湾の上位企業1000社を対象に行った調査では、各社の従業員が5年前と比べ平均8%増加していることが分かった。

急減する日本の対中投資、雇用者数も減少へ向かう懸念

 2005年に中国各地の都市で暴力的な反日街頭デモが起き、日本製品の不買運動を求める声が沸いたにもかかわらず、最近までは、日本企業も着実に雇用を増やしていた。

 しかし最近、日本企業が他のアジア諸国に投資するようになると、日本の対中投資が減り始め、昨年は4割近く減少した。これに伴い、日本企業の中国の従業員も減る可能性が高い。

 これだけでも、中国の習近平国家主席が北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で、1年以上口をきいていなかった日本の安倍晋三首相と仲直りする十分な理由になったろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42184

 


サンゴ密漁を仕組んだ中国政府のしたたかな狙い
尖閣諸島奪取の訓練か、あるいは第2列島線突破の予行演習か
2014年11月12日(Wed) 織田 邦男
 今年9月以降、サンゴ密漁の中国漁船団が小笠原諸島周辺海域に来襲している。海上保安庁によると、9月初旬には領海周辺で十数隻、10月初旬から中旬には30〜50隻、10月末時点で212隻を確認した。

漁船の活動を中国政府が支援しているとの見方も

台風21号、南シナ海で漁船3隻沈没 新華社
中国南部・海南省海口の港に停泊する漁船〔AFPBB News〕

 菅義偉官房長官は11月4日の記者会見で、中国漁船によるサンゴ密漁について、外交ルートを通じた再発防止の申し入れをしたことを明らかにした。中国側からは「重大性を認識しており、漁民に対する指導など具体的な対策に取り組んでいる」との説明があったという。

 中国外務省の洪磊副報道局長は5日の記者会見で、この件に関し、「中国は一貫して赤サンゴの違法採集に反対している」と表明し、「中国は関係者を教育、指導するとともに厳しく取り締まっている」ことを強調した。さらに「中日の法執行部門が適切に協力し問題を処理できるよう望む」として、日本側と協力して対応に当たりたいと述べた。

 こうした中国側の声明にもかかわらず、7日には同諸島周辺で漁船191隻を海保が確認した。中国密漁船団は台風20号の接近に伴い、一時的に同諸島から離れたものの、大半が再び近海に戻り密漁を再開している。

 佐藤雄二海上保安庁長官は「サンゴは1キロ600万円の高値で、一獲千金を狙って来たのではないか」と述べ、海洋権益拡張を狙う中国政府の動きとの関連性はないとの見方を示した。

 他方、海洋問題に詳しい山田吉彦東海大学教授は「中国の漁船団は基本的に中国海警局の管理下にあり自由に動き回ることはない。(中略)中国側による密漁抑止の動きは消極的だ。むしろ、中国当局の関与を疑う」と述べている。

 中国問題に詳しい宮崎正弘氏も「珊瑚密漁は表向きのこと。実態はまさに第二列島線突破のための『海上民兵』の下訓練である」と述べる。

 また、ジャーナリストの櫻井よしこ女史は、「商業目的であるというところから疑う必要がある。中国漁船の移動距離は往復4000〜5000キロ、燃料費は1隻数百万円もかかる。民間人がそこまでして漁をするはずがない。中国政府が絡んでいるのは明らか」と語る。

 7日から北京でAPEC(アジア太平洋経済協力)閣僚会議が始まった。威信をかけた北京APECの最中に中国政府が「密漁漁船団」を主導することは考えにくい。「反習近平派」の仕業という声もあるが、真偽のほどは分からない。

 この真偽は別に置くとしても、我々は中国の「海上民兵」の実態について正しく把握し、警戒しておくことが重要だ。近年、中国は漁民を偽装した「民兵」を尖兵として活躍させ、目立たぬように既成事実を積み重ね、最終的に実効支配を奪取するという手法をとるようになった。

 現在の国際環境では、係争地に軍を出動させれば国際社会の糾弾を受けやすい。これを避けるため、軍艦や公船を使わず、漁民になりすました「民兵」を正面に出すわけだ。

 海上保安庁の発表によると、尖閣国有化以降、公船による領海侵犯は1年目216隻、2年目101隻と減少傾向にある。これに対し、中国漁船によるものは2012年には39隻だったが、2013年には88隻、そして2014年には207隻(9月10日時点)と激増傾向にある。これらはほとんどが漁船を装った海上民兵といわれている。

スイスに相当する領土を中国に掠め取られたインド

中国の軍艦3隻がソマリア沖に向け出航、海賊対策で
中国・海南島にある軍事施設〔AFPBB News〕

 日本ではなぜかあまり報道されないが、海南島の潭門港には、海上民兵組織が存在する。1985年に創設され、現在は約2300人規模(2012年)の組織である。任務は「漁業による領有権主張」と、環礁埋め立てなどの「建設資材の運搬支援」などである。

 中華人民共和国憲法55条には「1 祖国を防衛し、侵略に抵抗することは、中華人民共和国のすべての公民の神聖な責務  2 法律に従って兵役に服し、民兵組織に参加することは、中華人民共和国公民の光栄ある義務」とある。中国当局は近年、「光栄ある義務」である民兵組織を積極的に活用するようになったのだ。

 今年5月、ベトナム沖で石油掘削作業を一方的に開始した際、オイルリグを取り囲むように多数の船舶が出動し、ベトナム船との衝突を繰り返した。中国側約100隻の船舶のうち、約90隻が民兵組織の漁船だった。潭門港には習近平主席の「君たちは、海洋権益を守るために先陣の役割を果たしている」というバナーが掲げられたのが確認されている。

 南シナ海では岩礁の領有権を巡って、フィリピンやベトナムが激しく中国と対立している。南沙諸島では中国が実行支配するガベン礁、クアテロン礁、ジョンソン南礁など7つの岩礁のうち、6つの礁を島に拡張する「人工島化」が進行中である。この埋立に必要な土砂や建設資材の運搬支援はすべて海上民兵によって実施されている。

 中国は基本的には軍事力で勝る米国とことを起こしたくない。経済もグローバル経済に依存しているので、国際社会から制裁を受けるようなことは避けねばならぬ。領有権に係る摩擦は小競り合い程度に収めつつ、目立たぬよう、時間をかけて既成事実を積み重ね、最終的には領有権を奪取する。この主役が「海上民兵」なのである。

 アジア太平洋安全保障センターのモハン・マリック博士は、こういう中国の行動を「POSOW: Paramilitary Operations Short of War」と名づけている。戦争には至らない準軍事作戦であり、米国の決定的な介入を避けながら、サラミ・スライス的に逐次成果を上げるというものだ。

 サラミは、薄くスライスして、目立たぬよう少しずつ掠めていけば、そのうち、まるごと1本ものにできる。この中国の「サラミ・スライス戦略」は今に始まったわけではない。陸ではとっくの昔から始まっている。中印国境にあるアクサイチン高原をインドから奪取したのが典型例である。

 アクサイチン高原はインドのカシミール地方にあり、スイスとほぼ同じ面積である。1954年から62年にかけ、中国人を牧草地に逐次入植させ、中国人勢力が強くなるとインド人牧場主を追い出していった。8年間にわたり、これを繰り返していくうちに、アクサイチン高原は中国人入植者だけになった。インドはスイスと同面積の領土を中国にもぎ取られてしまったわけだ。

 今後、尖閣諸島にも漁民を装った「海上民兵」が登場してくることは十分予想される。漁民に偽装した武装民兵が尖閣諸島に上陸した場合、果たして日本はこれを守ることができるのか。

 仮に数十人の漁民を偽装した武装民兵が尖閣に上陸したとしよう。「漁民の不法上陸」として扱われ、海保と沖縄県警が対応することになるだろう。だが、日本の実効支配を崩す目的の武装民兵を逮捕、拘束することはまず不可能である。拳銃と盾だけの沖縄県警機動隊は多数の犠牲者を出し、撤退を余儀なくされる。法執行が困難となった瞬間、実効支配は消滅する。

海上民兵を取り締まれない日本の法律

 他国では、その時点で警察事態から防衛事態へと自動的に切り替わる。つまり「犯罪」から「侵略」事態へと対応が変わるわけだ。

 だが、日本の場合、「計画的、組織的な武力攻撃事態」と認定されない限り、防衛事態としての対応はとることはできない。「犯罪」でもない「侵略」でもないグレーゾーンが存在するわけだ。警察、海保が対応できず、さりとて自衛隊が自衛行動をとることもできない。

 バラク・オバマ米国大統領は4月の訪日時、尖閣諸島は安保条約5条の適用対象であると述べた。第3海兵遠征軍司令官ジョン・ウィスラー中将は「尖閣は侵攻されても容易に奪還できる」と述べた。この発言に日本は安堵したようだが、大きな誤解がある。

 安保条約5条が適用され、米軍の出動が可能になるのは「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであること」を認めることが大前提である。当事者である日本が「武力攻撃事態」を認定しないものを、米国が勝手にそれを認めて安保条約5条が発動されることはあり得ないのだ。

 武装民兵による尖閣占領のようなグレーゾーン事態に対しては、現状では日米同盟は機能しないことを我々は覚悟しておかねばならない。これが中国が狙うターゲットとなる。

 ある人民解放軍高官は、「中国にとって最も好都合な日米同盟は、ここぞという絶妙の瞬間に機能しないことだ」と述べた。米軍と事を構えたくない中国にとって、海上民兵を使い、日米同盟が機能しないまま、日本が対応できず右往左往している間に既成事実を積み重ね、実効支配を奪取するのは最良の方策に違いない。

 「サラミ・スライス戦略」の名づけ親である軍事ジャーナリスト、ロバート・ハディック氏は「米国は中国のサラミ・スライス戦略に対し答えを持っていない」と述べた。だが、日本はサラミ・スライス戦略の対象そのものであり、「答えを持っていない」では済まされない。

 安倍晋三内閣は7月1日の閣議で、グレーゾーン対処については、新たな法整備は実施せず、現行法制の運用改善で対処することを表明した。集団的自衛権の限定的行使容認を最優先した政治的妥協の産物であろうが、誠に残念である。

 今の法制では海保、警察による警察行動と自衛隊による自衛行動には大きな溝がある。「運用」などによっては、とてもシームレスに対応することはできない。拙稿「画龍点睛を欠く『在り方検討中間報告』」(2013.8.2)に書いたので、ここでは省略する。

南シナ海で着々と成果を上げている海上民兵

南シナ海に中国の軍事用滑走路が完成、新華社報道
西沙諸島に中国が建設した軍事施設〔AFPBB News〕

 ただ、自衛隊が対応できるようグレーゾーン事態の法整備をしたとしても、相手が民兵である限り、日本も自衛隊を出動させないという選択は十分にあり得る。従って、グレーゾーンの法整備とは別に、海保と警察の装備を充実させ、危害射撃要件の緩和を含め、武器使用権限を拡大して最小限の防衛行動が可能になるような施策は急務である。

 米国の場合、沿岸警備隊(United States Coast Guard)は、米軍を構成する「陸軍」・「海軍」・「空軍」・「海兵隊」に次ぐ5番目の軍隊(準軍事組織)と位置づけられている。

 2001年 の同時多発テロ事件以降、沿岸警備隊は、運輸省から国土安全保障省に移され、従来の法の強制執行権とともに、国家安全保障の側面がより重視されることとなった。もちろん武器使用権限も拡大されている。

 他方、海保の任務は保安庁法2条にあるように「法令の海上における励行、海難救助、海洋汚染等の防止、海上における船舶の航行の秩序の維持、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕」等、海上の安全及び治安の確保を図る任務に限られており、島嶼防衛という任務は与えられていない。

 任務が付与されないまま、事実上、領域警備の任務に連日苦労されている海保には頭が下がる。だが、これは決して正常な状態とは言えない。今後、武装民兵の上陸等が十分予想される。事が起きてからドタバタ劇を繰り返すのではなく、事前に予想できることは準備しておくのが危機管理の基本である。

 米国の沿岸警備隊を参考にし、海保には安全保障を視野に入れた任務付与と権限強化が必要である。警察には武装民兵との銃撃戦に対応可能な装備品の導入、そして警察官職務執行法改正による武器使用権限強化が喫緊の課題である。

 今回のサンゴ密漁はただ単なる「商業目的」かもしれない。その場合でも、やれやれと胸を撫で下ろしている場合ではない。中国は南シナ海で民兵活用による領有権奪取の成果を着々と上げてきている。

 民兵活用は、まさに戦争には至らない準軍事作戦である。米国の決定的な介入を避けながら、サラミ・スライス的に逐次成果を上げるには最適の手法であることに中国政府も気がつき始めたようだ。

 尖閣諸島に海上民兵が上陸する日はそう遠くない。その日が来る前に、日本は磐石の態勢を確立しておかねばならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42180


02. 2014年11月13日 07:21:14 : jXbiWWJBCA

橘玲の世界投資見聞録
2014年11月12日 橘玲
中国・北京、バブル化した高級不動産と
その裏手に生息する「蟻族」
[橘玲の世界投資見聞録]

 中国不動産バブルの旅に最後に、ひさしぶりに北京を訪れた。北京空港についたのは午後6時過ぎだが、日本とは1時間の時差があるのでまだ太陽は西の空に残っていた。

 下の写真はタクシーから撮ったものだが、夕焼けにしては太陽が高く、月にしては明るすぎる。大気汚染のため、北京では夕方になると太陽が肉眼で見られるのだ。

 大気汚染の基準として広く知られるようになった粒子状物質(PM2.5)の基準は、日本では1日の平均値が35(1立方メートルあたり35マイクログラム)以下とされているが、この日のPM2.5の値は200程度。中国では汚染の度合いが6段階で示され、危険とされる「重汚染」は300超だから、これくらいはまだマシということなのだろう。

 実際、北京の知人からは「今日は快適でよかったですね」といわれた。マスクをしているひとは誰もいない。「400を超えると、さすがにちょっとマズいかな、と思う」のだそうだ。


午後6時の北京。太陽が肉眼で見える   (Photo:©Alt Invest Com)

 今回は中国の鬼城観光が目的だったのだが、北京には誰もがすぐに思いつくようなゴーストタウンはない。その理由は前回の上海と同じで、ここが中国で特別な都市だからだ。

[参考記事]
●中国の大都市・上海は不動産バブルとは無縁なのか?

 北京ではいまもものすごい勢いで新しいビルが建てられている。だが「中華世界」の中心であるこの都市には、それを吸収するだけの富と人が集まってくるのだ。

 そこでここでは、北京の光と影を歩いてみたい。


環状高速から眺めた北京市内。天気は晴れだが空は霞んでいる。この日のPM2.5は190  (Photo:©Alt Invest Com)

日本大使館裏手のバラックに住む農民工たち

 最初は、日本大使館に近い朝陽公園北側にできた大型ショッピングモールSORANA(藍色港湾)。メーデー(労働節)の連休に入るからか、水碓湖を見渡すレストランは満席で、美しくライトアップされたアーチの下を恋人たちが手をつないで歩いている。


大型ショッピングセンターSORANAのレストラン    (Photo:©Alt Invest Com)

美しくライトアップされたアーケードは格好のデートスポット  (Photo:©Alt Invest Com)


 次は、そこからさほど離れていない日本大使館の裏手にある路地。アメリカ大使館にも近い一等地だが、そんなところにバラックのような建物がぎっしりと建っている。ここには、地方から北京に出稼ぎに来た農民工と呼ばれるひとたちが暮らしている。

 日本でいうとかつての浅草・山谷や大阪・西成のようなドヤ街で、「旅館」と書かれた安宿と郷土料理の店が並んでいる。電気は近くの電柱からの盗電で、炊事の水はポリタンクを使っていた。

 この街で暮らしているのは20代や30代の若者が多く、男性は工事現場、女性はレストランなどで働いて実家に仕送りしている。そのためか街にすさんだ雰囲気はなく、若者たちのたまり場のような独特の活気がある。

 歩いて10分ほどの距離なのに、彼らはSORANAに行ったこともなければ、これからも行くことはないだろう。


日本大使館の裏手にある路地が農民工の安宿街になっている  (Photo:©Alt Invest Com)

自転車に乗って串焼きを買いに来た女性。ビールは1本3元 (Photo:©Alt Invest Com)
 次にお見せするのは朝陽区から北京国際空港に向かう途中にある高級住宅街、棕櫚灘(パームビーチ)別墅。交通渋滞が深刻な北京では、空港まで車で10分で行けるこのあたりが富裕層に人気の場所になっている。近くには高級ホテルやショッピングセンター、インターナショナルスクール、ゴルフ場もある。


国際空港に近い高級住宅街。敷地は塀で囲われていて、警備員の詰所を通らなければ出入りできない      (Photo:©Alt Invest Com)

 下の写真は、近くのスーパーマーケットに社会見学に来た幼稚園児たち。引率しているのは外国人教師で、子どもたちに英語で話しかけていた。中国も英語教育が盛んで、富裕層の子どもは英語で授業をする幼稚園に通うのだ。


スーパーマーケットに社会見学に来た幼稚園児たち。引率の教師は外国人  (Photo:©Alt Invest Com)

 ちなみに、この別荘(一戸建て)はいくらするのだろうか。近くに不動産屋があったので、物件案内を載せておこう。


不動産屋の店頭には1億円を超える物件しかない     (Photo:©Alt Invest Com)
 数字が見えにくいかもしれないが、このなかでもっとも安い物件が800万元(約1億3600万円)。他はどれも2億円以上で、もっとも高いのは8000万元(約13億6000万円)だ。前者は2階建てメゾネットの低層マンション形式で100平米、後者は1000平米だから、1平米8万元が基準のようだ。

 こうした超高級住宅に住むのは、成功した事業家か外資系企業の役員クラスだという。この物件を賃貸すると、300平米の物件で家賃は月額3万元(約50万円)程度だから、大手企業なら支払えない額ではない。

 ところで、ここで何かおかしいと感じたひとはいないだろうか。

 300平米の物件の賃料が月額3万元ということは、月額賃料は1平米=100元、年1200元になる。それに対して不動産価格が1平米=8万元なのだから、ここから投資利回りを計算すると年1.5%にしかならない(1200元÷8万元)。

 ゼロ金利の日本ですら、不動産の投資利回りは5%が基準だ。不動産投資のリスクが日本と同じと考えても、北京の不動産は理論価格の3倍以上割高ということになる。中国の政策金利6%にリスクプレミアム(5%)を加えれば不動産の適正割引率は10%超(新興国の標準)となって、その場合は7倍ちかく割高だ。

 このように中国の不動産価格は、標準的な投資理論では説明のつかないところまで上がっている。この価格を正当化するには賃料が3〜7倍上がらなければならないが、そうなると借り手はいなくなってしまうだろう。

 常識的な経済学の理論では中国の不動産資産はその大半がバブル(幻想)だ――何が正しいかは数年以内に答がでるだろう。

北京に生息するワーキングプア「蟻族」

 下の写真は、この超高級住宅地のすぐ裏手にある飲食店街だ。昼間なので人通りは少ないが、地方料理の店が集まっている。


超高級住宅地の裏には地方料理の店が並ぶ      (Photo:©Alt Invest Com)

 この通りを抜けてさらに奥に入っていくと、細い路地に2階建てのアパートが並んでいる。ここには農民工ではなく、大学を卒業して北京に職を求めてやってきた若者たちが暮らしている。こうしたアパートを何人かでシェアしながら働く彼らは蟻族(ありぞく)と呼ばれている。


蟻族と呼ばれる若者たちが暮らすアパート。平日の昼なので通りはがらんとしている  (Photo:©Alt Invest Com)  

次のページ>> 大学を出ても暮らしていけない「蟻族」


北京の対外経貿大学で政治学を教える廉思(リエン・スー)は2007年夏、地方から上京した大学卒の若者たちを取材した「下を向いた青春」という新聞記事をたまたま読んだ。名門・北京大学を卒業し、当時27歳だった廉思は、自分と同じ「八〇後(バーリンホウ/80年代生まれ)」の高学歴の若者が北京の片隅で赤貧の暮らしを余儀なくされていることに驚き、彼らのフィールドワークを行なうことを思い立つ。その成果をまとめたのが『蟻族 高学歴ワーキングプアたちの群れ』(勉誠出版)で、2009年に中国で原書が出版されるとたちまち大きな反響を巻き起こした。「大学を出ても暮らしていけない」というのは、それほどまでに衝撃的だったのだ。

 廉思は蟻族の典型的な特徴を3つ挙げている。


@ 大学を出ている
A 所得が低い
B 1カ所に集まって暮らしている


「蟻族」という名前は、同質性の高い集団が群居していることからつけられた。廉思がフィールドワークしたのは、「中国のシリコンバレー」中関村で知られる海淀(かいでん)区の唐家嶺で、ここには高学歴ワーキングプアが4〜5万人も暮らしていた。

 蟻族が大量に生まれたのは、単純に中国の大学生数が増えたからだ。

 1980年には、中国全土で大学生は114万人、大学院生は2万人しかいなかった。それが2008年には大学生2021万人、大学院生128万人になり、それに加えて社会人向け大学で学ぶ学生が548万人もいる(2008年の日本の大学生数は4年制学部250万人、大学院24万人)。

 当然のことながら大卒者の数も急激に増え、2004年の208万人が2008年には599万人とわずか4年で倍以上になっている。

 廉思の調査によると、蟻族は低階層家庭の子女が多く、その90%が非重点大学を卒業している。

 北京大学や精華大学、上海交通大学、復旦大学のような超一流大学は、その権威を国が認めた国家重点大学だ。1995年に中国教育部が定めた211工程では100大学を重点的に投資すると定めており、これを名門大学とするならば、非重点大学というのは要するに三流大学のことだ。

 だが廉思も指摘しているように、大学と親の階層の相関が大きい中国では、三流大学出身だからといって学生の知能が低いとか、才能がないということはできない。親が共産党の幹部でなければ、子どもを名門大学に入れることはできない。

 地方の大学を出ても田舎には満足な職はなく、家業(たいていは農業)を継ぐこともできないのなら大都会に出て仕事を探すしかない。彼らが北京を目指すのは、そこが「世界の中心」ということもあるだろが、上海や広州は排他的で、上海語や広東語を話せないと地方出身者として見下されるからだろう。北京なら、普通話を話せばとりあえず対等に扱ってもらえる。

 こうしていったん蟻族の村ができると、故郷の先輩や同級生を頼って次々と大卒者が集まってきて、たちまち一大集落になるのだ。

 彼らの仕事は、男性ならウェブサイト管理やプログラマーといった技術系、女性は顧客サービスやセールス、事務職などで、職場は民間の中小企業が多く生活は安定しない。転職も頻繁で常によりよい仕事を探しているが、競争が激しいのでなかなか給料が上がらないのが現実だ。

次のページ>> "蟻族の村"唐家嶺

北京・上海の大卒初任給は月額3000元(約5万円)以上といわれるが、蟻族の若者たちはそれより大幅に安い月1500元から2000元の給料で働いている。年収に換算すると30万〜40万円で、まさにワーキングプアだ。

 彼らはそのなかから月300元(約5000円)ほどの部屋代を支払い、バスで2時間以上かけて通勤している。私が訪れたのは平日の昼間だったので通りは閑散としていたが、朝と夕方は若者たちでごった返すのだろう。

 廉思によれば、北京で奮闘努力しても夢をかなえられるのはごくわずかで、30歳を過ぎると現実に絶望し、大半が田舎に帰っていくという。しかしその頃にはまた新しい大卒者が押し寄せてきて、赤貧の暮らしに耐え、同郷の友人たちと将来の夢を語り合うのだ。

 なお、廉思のフィールドワークした唐家嶺は“蟻族の村”として全国的に有名になったため、トラブルを嫌った区政府によって区画整理の対象となり、2010年に住人たちはなんの保証もないまま立ち退きを迫られた。


北京の繁華街・王府井(ワンフーチン)。繁栄する中国の象徴  (Photo:©Alt Invest Com)

蟻族の街の若者。携帯電話でずっと話していた     (Photo:©Alt Invest Com)

作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(以上ダイヤモンド社)などがある。
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http://diamond.jp/articles/-/62037


03. 2014年11月13日 21:27:50 : jXbiWWJBCA

中国鉱工業生産は鈍化、予想下回る:識者はこうみる
2014年 11月 13日 17:08 JST
[ 13日 ロイター] - 中国国家統計局が発表し中国国家統計局が発表した10月の鉱工業生産は、前年比プラス7.7%となり、予想のプラス8.0%を下回った。1─10月の固定資産投資は前年比プラス15.9%、予想もプラス15.9%だった。市場関係者の見方は以下のとおり。

<ANZ(上海)のエコノミスト、周浩氏>

10月の鉱工業生産の伸びが8%を下回ったのはやや意外感がある。11月の伸び率は7.5%程度になる可能性があり、これは第4・四半期の成長率が低調であることを意味する。

不動産市場は現在、投資の重しとなっている。第4・四半期の成長率はこれまでの鈍化傾向から好転することはないだろう。

緩和バイアスは継続している。中国人民銀行(中銀)は、安定した資金供給を確実にするため、中期貸出ファシリティーを今後数カ月間ロールオーバーする可能性があるが、大規模な刺激策は打ち出されないと予想している。すでに11月で、刺激策を講じるには遅すぎるからだ。

政府が真剣に成長率を上向きにさせたいと考えていたとしても、現時点ではやや手遅れだ。

<TDセキュリティーズ調査部門のアネット・ビーチャー氏>

小売売上高、固定資産投資ともに予想を下回った。おそらく住宅価格下落や政府の汚職撲滅キャンペーンにより小売売上高は2015年にかけて長期に下押しする可能性がある。

第4・四半期は勢いなく始まったが、われわれの成長率予想7.1%はやや弱気と思われ、おそらく7.2%程度がより適正だ。それでも2009年初め以来の低成長となる。

<クレディアグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク(香港)のエコノミスト、ダリウス・コワルツィク氏>

一様に低調で予想を下回る内容となった。鉱工業生産は前年比プラス7.7%で、リーマンショック後で2番目に低い水準だ。おそらくアジア太平洋経済協力会議(APEC)前の工場閉鎖が響いたのだろう。

固定資産投資はプラス15.9%に鈍化し、13年ぶりの低水準だが、おそらく不動産の影響だろう。

小売売上高がプラス11.5%に鈍化したが、これは所得の伸び鈍化によるものだ。

中国経済の下振れを示しており、一段の金融緩和を促すだろう。

<シティグループ(香港)の中国担当エコノミスト、丁爽氏>

10月の鉱工業生産は前年比7.9%増を見込んでいたため、予想を下回った。内需の低迷が主因とみている。香港への輸出を除けば外需も若干減少しているが、内需が引き続き足かせとなった。

この日発表された3つの指標はいずれもやや低調だった。これは、国内総生産(GDP)成長率の鈍化傾向に歯止めがかかっていないことを示唆している。第4・四半期の成長率は第3・四半期を下回ると予想する。

鉱工業生産とGDPとの相関性はまだ非常に高い。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IX0IJ20141113


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