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中国の逃亡官僚が注視、APECの「腐敗防止宣言」[日経新聞]
2014/11/9 14:56
米国、カナダ、オーストラリアなどには、全財産を持って中国から逃亡した元官僚が数多く住んでいる。彼らは北京で開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)を固唾をのんで見つめている。習近平国家主席は看板政策である「腐敗撲滅」を国際社会にアピールする絶好の機会ととらえており、逃亡官僚の身柄を引き渡せば、回収した資産を折半してもいいとちらつかせ、APEC各国・地域に協力を求めているためだ。
APECは10、11日の首脳会談で「腐敗防止に関する北京宣言」を採択する。職権を乱用して私腹を肥やし、財産を持って国外に逃亡した人物の「逃げ道を断つ」ため、APEC各国・地域は捜査当局を結びつけ、新しいネットワーク「Act―Net」を新設する。腐敗、贈収賄、資金洗浄、違法貿易などについて情報を交換し、逃亡者の拘束、資産回収、身柄引き渡しについて協力していく。
宣言は「腐敗で得た資産の回収に関して、より柔軟なアプローチを検討する」と盛り込んだ。例えば中国の官僚がオーストラリアに逃亡した場合、回収した家、車、銀行預金、投資などを中豪両国で分け合うことになりそうだ。
中国の中央銀行、中国人民銀行によると1990年代半ばから国外に逃亡した官僚や国有企業の職員は1万6千人を超え、持ち出した資産は総額で8千億元(約15兆円)にのぼる。最高人民検察院(最高検)によると過去5年内に6694人の逃亡者を拘束したが、海外で悠々自適と暮らしている官僚OBはまだ多く残っている。
国外逃亡の事例は数多い。雲南省のトップまでつとめた高厳・元共産党委書記は2002年にオーストラリアに逃亡した。12年には遼寧省鳳城市のトップだった王国強・元書記が2億元を持って米国に逃げたとされる。
新設するAct―Netの事務局は当面、中国共産党の中央規律検査委員会の研修部門内に置く。規律委は党幹部の不正や背任を告発、処分する組織で最高指導部の一人、王岐山氏が率いる。弁護士の立ち会いなく当局者を拘束して捜査できるため、国際社会の批判を浴びることも多い。
APECの各加盟国は、共産党内の謎めいた組織に事務局を置くことに戸惑いながらも、今のところ協力姿勢を見せている。ケリー米国務長官は8日の記者会見で「腐敗は不公平なだけでなく、経済関係をゆがめ、国のシステムに対する市民の信頼感も損なう」と語り、賛同する考えを表明した。
(北京=森安健)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO79479660Z01C14A1I00000/?dg=1
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