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習主席が中国の経済主導権に強い意欲 APEC首脳会議控え演説、米国主導TPPは牽制(ZAKZAK)
http://www.asyura2.com/14/china5/msg/150.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 09 日 21:43:05: igsppGRN/E9PQ
 

各国経済界関係者との会議で、演説する中国の習近平国家主席=9日、北京(共同)


習主席が中国の経済主導権に強い意欲 APEC首脳会議控え演説、米国主導TPPは牽制
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20141109/frn1411091618006-n1.htm
2014.11.09 夕刊フジ


 【北京=河崎真澄】北京で10日に開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、中国の習近平国家主席が9日午前、経済界代表との会議で演説し、「私たちにはアジア太平洋地域の夢を作り出し実現する責任がある」と述べて、経済的主導権の掌握に強い意欲をみせた。

 中国が中心となって創設するアジアインフラ投資銀行(AIIB)を通じ、途上国の発電や交通などインフラ整備を金融面から支援することで、アジア太平洋地域での影響力を一段と強める意向だ。習氏が国際社会での発言力を高める目的で打ち出している「中国の夢」に重ねた発言だ。

 一方で、「アジア太平洋地域で自由貿易に向けた取り組みが次々に出現し、困惑を招いている」などと述べ、米国を中心に交渉が進む「環太平洋連携協定(TPP)」を牽制(けんせい)した。中国はTPPに関心を示しているが、主導権を握れない経済圏構想には批判的だ。

 習氏はさらに、「私たちはアジア太平洋で開放型の経済の枠組みをつくらなければならない」と指摘。中国や日米も参加する「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」に重心を移すべきだと経済人に訴えた。

 APEC閣僚会議が開かれた8日、日米などは中国やAPECとは距離を置く形でTPP閣僚会合を北京で開いた。米国主導のTPPが“中国包囲網”につながると警戒する中国は、TPPの懸念とFTAAP優先論を繰り返している。

 ただ、習氏は、「中国は善隣外交を実行し、すべての隣国と仲良くしたい」とも述べた。安倍晋三首相との首脳会合を控え、対日関係改善も念頭においた。

 成長減速がしだいに深刻化しつつある中国経済については、「安定的な発展を保っている」と自信を示した上で、シャドーバンキング(影の銀行)など、「経済リスクは確かにあるが恐れてはいない。中国はリスクに対応する自信や能力もある」などと強調した。


 

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01. 2014年11月10日 07:32:25 : jXbiWWJBCA
外交文章から読み解く歴史的一歩の日中合意
中国株式会社の研究(257)〜「日中合意」をいかに解釈すべきか
2014年11月09日(Sun) 宮家 邦彦
 この原稿は中国・深?市内のホテルで書いている。先週末当地で開催された日中学者交流シンポジウムになぜかお声がかかったからだ。

 1泊26時間という強行軍で香港・羽田を往復したが、その真っ最中に飛び込んできたのが例の日中間「四点合意」という大ニュースだった。というわけで、今回のテーマはズバリ、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議後の日中関係である。

日中合意の本当の内容

日中首脳会談、APECにあわせ開催へ
中国北京で開かれているAPEC〔AFPBB News〕

 11月7日夕方あたりから、深?に集まった日中関係者たちの周辺が騒がしくなった。

 聞けば、内外のメディアが「首脳会談の実現に向け、日中両国政府が四点からなる合意文書を発表した」と報じ始めたという。発表はAPEC首脳会合の3日前、「意外に早く終わったな」というのが筆者の第一印象だった。

 このシンポ、正式名称は「大梅沙中国創新論壇」、7日夜には日中有識者の対話セッションが「笹川日中友好基金」との共催で開かれた。直前日中「四点合意」が発表されたからか、中国側識者の発言が一変したことには大いに驚いた。かくも前向きなトーンの日中シンポジウムはこの数年ちょっと記憶がない。

 過去数年間、この種のシンポジウムでは、中国側が日本の歴史問題と尖閣問題と執拗に取り上げ、日本側がその防戦に努めるという、実に生産性の低い議論を何度も繰り返してきた。

 それが今回は誰もが、「良いニュースだ、本当に嬉しい、日中相互批判はやめよう、関係改善に期待する」などと言い出したのだ。

 いったいどうなってしまったのだろう。その時点では誰も「四点合意」の詳しい内容など知らないはずなのに。それどころか、今も「日中合意」なるものの詳細を知る人はほとんどいないのではないか。

 そうなると、天邪鬼の筆者は俄然やる気が出てくる。この点を解明すべく、いつもの通り、事実関係から始めたい。

 ここでは日本政府関係者の発言に関する報道は繰り返さず、諸外国の反応を中心に次のとおりまとめてみた。

●「両国関係を良好な発展の軌道に戻す必要な一歩だ」、「今日、中日両国人民は、双方が4点合意の厳守を基礎に順を追って対話を一歩一歩再開し、中日関係を次第に改善することを渇望している」(11月8日付人民日報、時事通信報道)

●「中日双方は初めて釣魚島問題について、文字として明確な合意に達した」、「中日関係の現在の政治的行き詰まりの起点を振り返れば、『島購入』(尖閣諸島国有化)の茶番の殺傷力が極めて大きかったことが見て取れる」、「双方は日本側が放った虎を籠の中に戻して閉じ込めなければならない」(同)

●「靖国神社に言及していないが、『政治的障害を克服する』(で合意したこと)は明らかに安倍(首相)の靖国参拝を束縛したものだ」(11月8日付環球時報、時事通信報道)

●「双方が釣魚島に対して異なる主張が存在することを認めた」、「これは日本政府が過去に態度表明したことのないものだ」、「日本はこれまで、中国との釣魚島問題に関する話し合いを一貫して拒絶し、釣魚島の主権に関して『争いは存在しない』と公言。双方は釣魚島海域での行動で意思疎通できずに危機をはらんでいた」、「現在、日本は危機管理メカニズム構築に関して中国と協議したいと望んでおり、これは釣魚島海域で『新たな現実』が形成されたと宣告するに等しいものだ」(同)

●「日中が関係改善に踏み出すことに合意した文書を歓迎する。前向きな一歩だ」、「両国の関係は地域だけでなく世界の平和と繁栄に影響する」(7日、米国務省報道官発言)

●両国が一歩ずつ譲歩・妥協したと評価されている。中国政府が首脳会談の前提条件として挙げた「安倍首相靖国神社参拝自制」と「尖閣諸島をめぐる領土紛争の存在を認めること」は含まれていないが、合意文には東シナ海について双方が「異なる見解を有していると認識」し、「政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた」という表現は中国の立場が反映されたものと解釈できる余地は十分にある。(8日付朝鮮日報)

●日本の消息筋の話では、安倍晋三首相が日中首脳会談を実現するため、特使を通じて習近平国家主席に、「靖国神社に参拝しない」との口答メッセージを伝えた。同消息筋は「日中合意の中の『若干の認識の一致をみた』との部分が安倍首相の靖国参拝中止を意味している」と説明。「両国政府はこれについて文書で残したり、正式に発表したりしないことにしたと聞いている」と述べた。(8日付中央日報、時事通信報道)

 百家争鳴とはこのことなかもしれないが、いったいどの報道が正しいのだろうか。筆者の見方は次のとおりである。

4種類ある「四点合意文書」

 「四点合意文書」の基本的性格から考えてみよう。まず、少なくとも、これは外交文書ではない。狭義の「外交文書」が国家を代表する者による署名のある、国際法上の履行義務が生ずる「国際約束」であるとすれば、今回の文書は、法的ではなく、政治的な拘束力を持つ「外交的文書のようなもの」と言うべきだ。

 それが証拠に、そもそも日中両政府が発表した4種類の文言はそれぞれ完全に同一ではない。11月7日に日本の外務省が発表した和文と英文は、同日中国外務省が発表した中文と英文と似ているようで、微妙に異なっているのだ。「合意ではない」などとは言わない。両政府の考え方と表現振りが微妙に違うのだ。

 それでは、具体的に相違点を見ていこう。今回はスペースの関係で主要なポイントだけに絞りたい。繰り返しになるが、筆者はこの「合意」なるものが間違っているとか、「履行すべきではない」などと主張しているわけでは決してないので、くれぐれも誤解のないように願いたい。

●「合意」か「意見の一致」か

 冒頭日本側和文は、「日中関係の改善に向け,これまで両国政府間で静かな話し合いを続けてきたが、今般、以下の諸点につき意見の一致をみた」と述べ、その後も一貫して「合意」ではなく、「意見の一致」という表現を使っている。

 日本側の英語版でも、「Toward the improvement of the Japan-China relations, quiet discussions have been held between the Governments of Japan and China. Both sides have come to share views on the following points:」としており、「agree」ではなく、「share views」で統一している。

 これに対し、中国側のフォーマットは日本側と全く異なる。「合意」内容を説明するだけでなく、その前提となる楊潔?国務委員と谷内国家安全保障局長のやり取りに言及したうえで、「双方就?理和改善中日?系?成以下四点原?共?」、すなわち「四点の原則的共通認識に達した」と述べている。

 その部分を中国側英語版では、「The two sides reached a four-point principled agreement on handling and improving the bilateral relations」と訳し、「四点の原則合意に達した」としている。中国側中文の方が日本政府の発想に近いだろうが、中国側英文の方が彼らの本音なのかもしれない。

●「若干の」とは一体何か

 最も議論があり得るのは、第二項の「両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた」なる部分だろう。「若干の」部分は、英語では「shared some recognition that ... they would overcome political difficulties that affect their bilateral relations.」とし、「some」を使っている。

 これに対し、中国側中文では「就克服影??国?系政治障碍?成一些共?」として、「一些」を使っているのだが、中国側の英文では「reached some agreement on overcoming political obstacles in the bilateral relations.」とし、日本側と同様、「some」を使っている。これをいかに解釈すべきか。

 中国側の英文を素直に読めば、「両国関係の政治的障害の影響を克服する」ことについて「一定の合意に達した」とも訳せる。要するに、この部分の日中双方の英日中語による4種類の表現は、それぞれ微妙に異なっているのだ。この点については最後に詳しく述べる。

●尖閣問題についての「認識」

 尖閣について日本側は、双方が「近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識」としているから、「日中間で見解が違うことは分かっている」ということだろう。英語版でも、「recognized that they had different views」とあるから、ほぼ同じ意味である。

 この部分について、中国側中文は「双方??・・・??局?存在不同主?」としており、やはり「認識」なる語を使っている。だが、中国側英語版では、「acknowledged that different positions exist between them regarding the tensions」と訳している。

 要するに「recognized=分かっている」ではなく、「acknowledged=認めた」と訳したのだ。

 「認識」を「単に知っている」という意味に使う日本側と、「意見の違い(すなわち中国側の主張)を認めた」なる意味に使う中国側のニュアンスの差は微妙を通り越しているかもしれない。・・・他にも多くの相違点はあるが、今回はこのくらいにしておこう。

「合意」の正しい解釈と今後の日中関係

 11月7日に日中両国政府が交わした「四点合意」なるものの実態は以上のとおりだ。それでは、宮家ならどう解釈するのか。お前の独断と偏見を書いてみろ、とお叱りを受けるかもしれない。もちろん筆者にも個人的意見はあるが、今回筆者はこれについて「正しい」解釈を書くつもりは一切ない。

 なぜならば、この「合意」または「意見の一致」については、単一の「正しい」解釈など存在しないし、また、そんなものは存在すべきでないと信ずるからである。

 そもそも、外交上の了解や合意には一定の「曖昧さ」が付き物であり、特に重要なものについては「戦略的曖昧さ」が必要となる。

 こうした「戦略的曖昧さ」こそは合意や了解に生命を与え、その長寿を保証する重要な要素だ。今回の日中間の「意見の一致」は、過去数年間の意見の相違と摩擦を日中両政府が漸く乗り越え、今後の新しい均衡点へと両国を導く極めて重要な一里塚となり得るものであり、またそうでなければならない。

 両国間に「agree to disagree」が必要であることを、日中両国政府だけでなく、日中双方の国民も正確に理解しなければならない。この合意が日中関係の将来に持ち得る戦略的重要性に鑑みれば、今回どちらがより強く原則を貫いたか、どちらがより多く譲歩したか、といった問題など枝葉末節なのである。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42167


02. 2014年11月10日 17:43:59 : 1wFjwjFQa2
日中間の様々な関係改善に大きな前進=首脳会談受け官房長官
2014年 11月 10日 16:47 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKCN0IU0KC20141110&channelName=topNews#a=1
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[東京 10日 ロイター] - 菅義偉官房長官は10日午後の会見で、約2年半ぶりに行われた日中首脳会談について「(戦略的互恵関係の)原点に立ち戻って日中間の経済や様々な関係を新たに改善するための大きな前進があった」と語った。

菅官房長官は「安倍晋三首相自身が会談後に述べた通り、日中両国が戦略的互恵関係の原点に立ち戻って関係を改善するための第一歩として大きな意義があった。また、アジアだけでなく国際社会が期待するなかで行われた。こうした期待に応えるものとして、大いに意義あったと受けとめている」と評価した。

さらに「防衛当局間の海上連絡メカニズムの早期運用開始について、事務的分野で進めていくということも極めて大きな成果だった。戦略的互恵関係を発展させることが合意され、海上連絡メカニズムも進めるということが首脳間で合意できたのは大きな成果だ」と語った。

(石田仁志)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IU0KC20141110?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29


03. 2014年11月11日 07:57:07 : jXbiWWJBCA

自由と民主主義の伝染を
水際で食い止める中国共産党
2014年11月11日(Tue) 柯 隆
 中国の明日は誰も予測できない。中国の政治、経済と社会に関する予測は、街頭の占い師の占いと大差はない。なぜなら中国人の本音はまったく見えてこないからである。中国共産党幹部の多くは私的な対話では民主化を支持するというが、公の場では一党独裁の支持を強調する。

 北京で「中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議」(四中全会)が開かれ、法治の強化が決議されたと言われている。しかし張思之氏は、中国社会の法治は明らかに後退していると指摘する。張氏はかつて毛沢東夫人の江青女史の裁判で弁護を務めた著名な弁護士である。

 中国社会で自由、民主と人権といった「普世価値」(世の中の普遍的価値)はすでにコンセンサスになっている。しかし、こうした普世価値は「共産党の指導体制を脅かす」として公の場では論ずることが許されない。自由、民主、人権でさえタブーとされるならば、どのようにして法治を強化するというのだろうか。

「お金は万能」という北京政府の錯覚

 10月に講演のために香港に行ってきた。宿泊したホテルの近くの幹線道路の一部は学生によって占拠されていた。意外なことに、学生の抗議行動は静かで平和だった。よく見たら、学生たちはテントのなかで勉強していた。バリケードのあちらこちらで「我要真普選」(わたしは真の普通選挙を希望する)のビラが貼られていた。

 香港の市民に話を聞くと、「民主化には賛成するが、道路占拠には反対する」との答えが帰ってきた。香港の大物の芸能人の多くは、学生の「占拠」運動を支持すると表明。その代表者はなんといっても周潤発(チョウ・ユンファ)である。一方、学生の「占拠」運動に反対を表明しているのは日本でも有名な成龍(ジャッキー・チェン)である。ジャッキーは以前も共産党の映画審査制度が必要であると主張したことがある。監督兼俳優のジャッキーが映画審査制度の必要性を主張するのはなんとも不可解だ。

 イギリス在住の中国人作家、張戎氏と、夫の歴史学者ハリディー氏は、毛沢東の中国統治について「暴君の毛沢東は2つの功績を遺した」と指摘している。

 その1つは、毛沢東が中国大陸を支配したとき、清王朝と英国の間で結ばれた香港租借の条約を破棄することができたにもかかわらず、香港を英国の植民地のままにして解放しなかったことである。そしてもう1つは、ソ連と決別したことである。もしも毛沢東がソ連との同盟を強化すれば、第3次世界大戦が起きた可能性が高い。

 1949年に毛沢東によって解放されなかったことは、香港にとって幸運だったと言うしかない。この点について香港人は毛沢東に感謝すべきであろう。さもなければ、香港は汚く臭い港になっていたに違いない。

 イギリスは植民地の香港を民主化しようとしたことは一度もないが、香港はほぼ完全な自治と法の支配(the rule of law)を実現した。香港人は自治と法治に慣れている。今回の学生の「占拠」運動は、共産党の統治を拒否する反応と受け止められる。

 北京政府は大きな間違いを犯している。それは、お金が万能であるとの錯覚である。すなわち、香港に経済的利益をもたらすから香港人は北京の話を聞かなければならない、という論理だ。こうした論調は香港に限らずチベットや新疆に対しても同じである。

 しかし、お金は万能ではない。しかも北京政府がもたらす経済的利益は一部の有力者を潤わせるだけで、格差をより拡大させる。要するにジャッキー・チェンは潤うかもしれないが、ジャッキーは香港人を代表するわけではない。

水際対策で民主化を食い止める

 四中全会のコミュニケでは、党の指導のもとで法治を強化すると訴えている。しかし中国では、立法はそれなりに前進しているが、司法については大幅に後退していると言われている。現在、中国の法律は首にリードを付けられている犬のようなものである。その主人は人民ではなく共産党である。習近平政権が取り組むべきことは司法の独立性の強化である。

 中国では、共産党の統治に異議を唱える者は政治犯になることが多い。毛沢東の時代、毛沢東や共産党の統治に異議を唱えた政治犯はほとんど処刑されてしまった。ケ小平以降の中国では政治犯の処刑は行われていない。30年前に比べれば、中国の法治には大きな進歩があった。

 だが共産党は政治犯を野放しにはしない。中国共産党の対策は、まずは「異見分子」を徹底的に隔離する。ノーベル平和賞を受賞した詩人・作家の劉暁波氏はいまだに投獄されている。

 本人の希望があれば、海外への亡命を認める。ただし一旦海外亡命したら、帰国は認められない。劉氏は自らの罪を認めておらず、海外亡命も拒否している。こうした徹底した隔離政策により、共産党は国内を「浄土」にしている。

 共産党にとって、西側の自由、民主主義と人権はまるでエボラウィルスのようなものである。その伝染のスピードが速いため、徹底した水際対策が講じられている。香港から中国に入る直行便の乗客は税関で必ず荷物の中身が検査される。何を検査するかといえば、香港で出版されている種々の書籍と出版物である。

 今、中国国内では、ツイッターやフェイスブックはもとより「ニューヨーク・タイムズ」などのホームページもすべて遮断され閲覧できない。中国のインターネット環境はまるで巨大なイントラネットにされている。この国内のイントラネットでは、香港で起きている「占中」運動や天安門事件に関する書き込みはすぐさま削除される。

 エボラ出血熱を食い止めるには、水際対策とワクチン開発が重要だ。中国は民主化を水際で防ごうとしているが、ワクチン、すなわち、新しいイデオロギーはまだ発明されていない。

 習近平国家主席は共産党に媚びる72名の芸能人を集め、演説を行った。そのとき、マルクス・レーニン主義が強調された。生命力をとっくに失ったマルクス・レーニン主義を繰り返し強調しても、共産党にとって何の助けにもならない。ここで民主化を実現するか、さもなければ生命力のある習近平理論を発明する必要がある。

 中国で民主化に反対する者は2つのグループに分けられる。1つは、長年の政治活動のなかで洗脳された老幹部である。もう1つは、勝ち馬にしか乗らない投機的な幹部と知識人である。

 洗脳された老幹部は間もなくこの世を去ることになる。問題は、共産党に媚びる投機的な幹部と知識人だ。その予備軍も多い。権力を恐れ、権力に媚びる若手の幹部と知識人が民主化を妨げている。

 かつて、魯迅先生は国民党の統治を痛烈に批判したが、投獄されなかった。今や政府を批判する知識人の多くが投獄ないしは亡命させられている。人民大学名誉教授の周孝正氏は「中国で民主化が実現するには最低100年はかかるだろう」と指摘する。この絶望的なムードこそが、香港の民主化要求運動の背景ではないだろうか。


【関連記事です。あわせてお読みください】
・「上海エリートの目に香港の民主化デモはどう映るのか」
( 2014.10.21、姫田 小夏 )
・「「俺の話を聞け」──北京に従う者、従わない者」
( 2014.10.15、柯 隆 )
・「北京批判に及び腰だった日本メディア」
( 2014.10.06、宮家 邦彦 )
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42145


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