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「嫌中」感情を煽る報道や書物が溢れる日本で、中国庶民の肉声を知ることができる、極めて貴重な書である。中国の一般市民が抱く日本への憧れが散りばめられ、今に生きる庶民のみずみずしい感覚が新鮮だ。
<書評>中国庶民が見た日本、その新鮮な驚きとは?「日本再発見」の書―『中国が愛する国、ニッポン』
http://www.recordchina.co.jp/a97104.html
2014年11月9日 7時31分
「嫌中」感情を煽る報道や書物が溢れる日本で、中国庶民の肉声を知ることができる、極めて貴重な書である。中国の一般市民が抱く日本への憧れが散りばめられ、今に生きる庶民のみずみずしい感覚が新鮮だ。「日本に来て驚いた!」という逸話も面白く、一気に読了できた。
日中関係は「尖閣国有化」「靖国神社参拝問題」などを経て、政治的に緊迫化し、双方に偏狭なナショナリズムが横溢している。こんな時こそ旅行や留学などによる相互交流が重要であり、相手国を訪問して実際の姿に接し、国民同士が対話すれば相互理解が進む。重要なのは正確な情報や本当の考え方が相手に伝わることである。
本書は「たった5日間の旅行が私を変えた」「日本の小学校で見た、忘れられない光景」「日本のラーメンに見た日中の差」「小学生に傘のマナーを注意された!」「日本は窮地に救いの手――この差は何だ!」「世界が驚く日本の“当たり前”」「靖国で気付いた『反日』」の矛盾」「私は日本が大好き!これってイケナイことですか?」など興味深いコラムを65本掲載。日本人と同じ悩みや喜びを持つ中国庶民の新鮮な驚きや包み隠しのない心情が込められている。
1990年代の反日教育と抗日ドラマで育った世代には、日本に侵略の暗いイメージを植え付けられた人もいるが、若者世代には「ドラえもん」や「ワンピース」などの日本のアニメを好む人も増えている。多くの中国人は真の日本を知れば知るほど「夢の国、日本」と認識し、日本人と仲良くしたいと思うようだ。
戦後70年近く、第二次大戦の反省の下、平和を追求し経済・文化的な繁栄の道を歩んだ日本の真の姿に接すれば相互理解につながる。日本では、景気低迷、少子高齢化、地方過疎化など暗い話題にこと欠かないが、本書を読めば日本人が普段見逃している「日本の良さ」を再認識し、自信を取り戻すことも可能だ。
若い世代の中国人の本音満載で、「人は皆同じ!」であることを再確認することができる。読めば思わずホッとする「日本再発見」の書でもある。読みやすく注釈も豊富で、意外な豆知識が得られる。(評・ZN)
<「中国が愛する国、ニッポン」、竹書房刊、980円税別>
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