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繁華街で路上座り込みを続け「香港の未来は香港人が取り返す」と叫んだ大学生ら。何人もの学生が熱射病予防のため額に日本メーカーの熱冷ましシートを貼っていた=29日午後、香港(河崎真澄撮影)
香港で「反中感情」のうねり 若者「一国二制度は口だけ」 年配は「商売できれば」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140930/frn1409301538007-n1.htm
2014.09.30 夕刊フジ
「香港の未来は香港人が取り返す!」。日系百貨店などが立ち並ぶ香港島の繁華街、銅鑼湾の幹線道路上で学生らは29日も座り込みを続け、シュプレヒコールを繰り返した。
香港中心部のこの日の最高気温は32度。路上はアスファルトの照り返しで真夏のようだ。それでも、この日午後にかけて、「真の普通選挙」を求めて抗議デモの輪に加わる学生の姿が増え続けた。
段ボールに「香港に真の民主主義を」と大書きしていた香港中文大学3年の唐さんは、「一国二制度なんて結局、中国共産党の口先だけのレトリックに過ぎなかった」と言い放った。
英国と中国の両政府が、北京で香港の主権返還に関する共同声明に仮調印したのは、30年前の1984年9月26日のことだ。97年7月1日の返還後も、50年間は香港の民主社会を変えないとする「一国二制度」が盛り込まれた国際公約だ。
28日夜から徹夜で座り込みしているという別の男子大学生は、「民主社会そのものを抑圧しようとする共産党政権は決して許せない」と拳を振り上げた。
デモ隊に催涙ガスを浴びせた警官隊の姿が、その背後にいる親中派の梁振英行政長官や共産党政権への憎悪を増幅させた。選挙制度に関する反発は発端にすぎず、「一国二制度」の国際公約を踏みにじったとする「反中感情」が、激しい“うねり”となった形だ。
一方、週明けで仕事が始まったこともあり、市民の抗議はやや下火になったようにも見える。子供のころ中国広東省から家族とともに香港に逃れ、現在は衣料店を経営しているという60代の女性は、「学生は共産党の本当の恐ろしさを知らない。なんとか折り合いをつけて商売さえ繁盛すれば香港人は満足」と話した。
武力行使の可能性もほのめかす共産党政権に対しては、世代や体験の違いからくる温度差があるようだ。怒りをあらわにする年配者はまれで、中国本土抜きでは経済が立ち行かない現実や政治問題での“諦め”を知る世代と、民主社会を追求して理想に燃える世代との違いが浮き彫りになっている。(香港 河崎真澄)
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