01. 2014年9月22日 13:06:00
: nJF6kGWndY
既に、金融経済の世界でも中国の動きを無視することはできなくなっている良かれ悪しかれ、研究と予測は必至だな http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKCN0HH07920140922?sp=true コラム:オーストラリアに学ぶ「中国との付き合い方」 2014年 09月 22日 11:23 JST Una Galani [香港 19日 ロイターBreakingviews] - オーストラリアのシドニーを歩いていて最も驚かされるのは、至る所に「中国」が顔をのぞかせていることだ。オペラハウスの近くでは、活動家らが天安門事件について抗議の声を上げている。チャッツウッド地区では、中国語と英語の2カ国語学校が建設中だ。中国マネーが同国不動産市場に与える影響は、パーティーでは定番の話題となっている。 鉄鉱石と石炭が主役だった両国の関係は今や、農業や教育を含むあらゆる分野に広がっている。現在の豪州の輸出に占める中国向けの比率は約36%だが、HSBCによると、この数字は2020年までに40%へ拡大する見通し。また、プライスウォーターハウスクーパースによれば、2014年上期の中国の対外投資のうち、豪州向けは7.4%を占めた。 1980年代のオーストラリアには、日本から投資の波が押し寄せた。中国からは今、人の波も押し寄せている。オーストラリアを訪れる中国人観光客は、過去5年で約3倍に増えた。好き嫌いはさておき、オーストラリアは現在、中国台頭の影響を最前線で受けている国と言えそうだ。 経済的には、両国の関係は極めて順調に行っている。ここ数年、海外勢による豪州企業の買収では、中国が最大の買い手の1つとなっている。引き続き最も多いのは鉱山権益の取得だが、中国国家電網公司(SGCC)による50億豪ドルに上る豪インフラ資産の買収は、中国の関心が広がっていることを浮き彫りにする。 オーストラリア政府が外資に比較的オープンな姿勢を保っていることも、中国からの投資拡大に寄与している。中国もまた、国を象徴するような大企業への買収は避け、2国間関係を試すようなことはしていない。豪政府は2011年、豪証券取引所(ASX)に対するシンガポール取引所(SGX)の買収提案を「国益に反する」として阻止し、海外勢にはっきりとしたメッセージを送った。 自由貿易協定をめぐる交渉の一部では、中国側は投資の足かせになっている規制を緩和するよう豪州に求めている。提案の1つには、中国企業が豪州企業を買収する際、当局の承認が必要になるのは10億ドル程度を超える場合のみにするとの内容が含まれているという。そうなれば中国は、豪州への投資でニュージーランドや米国、日本、韓国と同じ自由を手に入れる。 中国はまた、こうした規制緩和を国有企業にも適用することを望んでいる。ただ恐らく、それは政治的にかなりハードルが高いとみられる。オーストラリアは現在、中国を念頭に置いたものと広く考えられている政策で、国有企業による投資については、国や規模に関係なく、すべて当局の承認が必要としている。 この問題は最近、豪中間の最大の火種にもなっている。富豪で知られるクライブ・パーマー豪議員は8月18日、公共放送ABCで「中国は卑劣」だと発言し、中国政府は豪州国内の港湾や資源を買いあさろうとしていると痛烈に批判した。パーマー氏は後に謝罪したが、この発言は、中国からの投資に対するオーストラリア人の不安を映している。 オーストラリアは中国企業による鉱山買収には概して平静を保ってきたが、不動産への中国マネー流入になると話は違ってくる。シドニーやメルボルンでは、中国人富裕層が法外に高い値段で購入することで不動産価格が高騰しているとの懸念が持ち上がっており、議会は外国人が所有権を持つ物件の調査に乗り出した。 証券会社CLSAによると、オーストラリアは中国人富裕層の移住先として2番目に人気がある。中国マネーが豪州の一般的な住宅の価格に影響を与えているという証拠は、まだ具体的にはほとんどない。ただ、不動産開発会社が新規プロジェクトで風水の要素をデザインに取り入れるなど、中国人向け住宅の需要は十分に見て取れる。 豪政府は、500万豪ドル以上を国内で投資できる外国人に永住ビザを認める制度を取り入れているが、申請者の90%以上が中国人だという。同ビザはサブクラス888と呼ばれているが、中国では8が3つ並ぶのは縁起がいいとされている。 オーストラリアが新たな「支援者」を大歓迎しているとは限らないが、実用主義(プラグマティズム)が最善策であることには変わりない。鉄鉱石と石炭の価格が下落するなか、豪州の貿易収支は過去4カ月連続で赤字となった。オーストラリアが中国の台頭にどう向き合うかは、外国資本への依存度が高い他の国にとっても指針となる可能性がある。 一方、中国側にも努力できることはある。もしオーストラリア人に気に入られたいなら、日本企業が何年もやってきたように、中国の国有企業がオーストラリア国内のスポーツイベントでスポンサーになるのも悪くない。トヨタ自動車は2004年から、オーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)のリーグ戦の冠スポンサーを務めている。中国の豪州進出は不可避だが、ソフトパワーをうまく使えば歓迎されるようになるかもしれない。 *筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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