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習近平と金正恩は8つも共通点がある。共にアジアの「困り者」だ〔PHOTO〕gettyimages
まるで「金正恩」そっくり今度はアメリカ相手に軍用機で挑発 暴走・習近平、気は確かか!?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40416
2014年09月16日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
イカれてないか 韓国・中国【第2部】
■常識では考えられない
「中国軍の戦闘機が8月19日、海南島周辺の公海上の空域を飛行中の(米軍機)P8ポセイドンに、異常接近した。数回にわたって、約9mの至近距離まで接近し、搭載する装備などを誇示したのだ。最後は6mの距離まで、これみよがしに異常接近した後、転換して立ち去った」
8月22日、アメリカ国防総省のカービー少将が、中国に対して怒りをブチまけた。
5月24日と6月11日には、中国軍の戦闘機Su-27が、東シナ海の公海上空で、自衛隊機に30mの至近距離まで異常接近し、小野寺五典防衛大臣が、厳重抗議を行ったばかりである。中国人民解放軍の空軍は、日本ばかりか、ついにアメリカに対しても、「無法行為」に出たのだ。
だが、中国国防部の楊宇軍報道官は8月23日、会見で次のように吠えた。
「アメリカの指摘など、デタラメだ。アメリカがわが国を不当に偵察していることこそが、地域の安全を脅かす一番の原因となっているのだ」
また、海外に対する習近平主席の「代弁者」の役割を果たしている中国共産党機関紙『人民日報』社発行の国際ニュース紙『環球時報』も、8月25日付の社説で、舌鋒鋭くアメリカを批判した。
〈アメリカの大統領も国防長官も、「中国を敵視しない」「アジアへのリバランス戦略は中国を念頭に置いたものではない」などと表向きは言っていながら、裏でやっていることは何か。北は大連沿海から南は海南島沿岸に至るまで、年間延べ500機、毎回10時間以上も偵察機を飛ばしているではないか。
そればかりか、50艘あまりの原子力潜水艦を始め、水声探測船、海洋地質観測船、ミサイル観測船、電子偵察船などを繰り出して、中国の海岸線から70km付近まで接近してくる。アメリカは国際法を遵守し、こうしたわが国に対する違法な偵察行動を、即刻やめるべきだ〉
中国が国内で政権の求心力アップを図るため、日本に対して挑発行為に出るのは、まだ分かる。だがアメリカを本気で怒らせることなど、常識的に考えればあり得ない話だ。
そもそも、中国が無法行為を繰り返し、日本、台湾、フィリピン、ベトナムなど周辺国・地域の脅威となっているから、アメリカが監視活動を強めているわけだ。そのため、どの国・地域もアメリカ軍の関与を歓迎している。それをアメリカが悪いと決めつけるのは、まるで放火犯が消防隊を非難するようなものではないか。
結局、米中は8月26日と27日に米国防総省で、不測の事態を避けるため、合同の作業部会を開いて、空や海での行動規範について話し合いを持った。だが、米中双方は激しい非難の応酬になったという。
■ケリーに叱られてキレた
このように他国への挑発を繰り返す人民解放軍は、一体何を考えているのか。
本誌は、人民解放軍幹部への接触に成功した。
―なぜ人民解放軍は、日本、アメリカ、台湾と挑発を繰り返すのか。
「それはひとえに、習近平主席への忠誠心を示すためだ。
残念なことではあるが、これまで解放軍は長く、汚職にまみれてきた。上司へ賄賂を積まないと出世できないシステムが、確立していたのだ。
それを習近平主席の命令一下、今年に入って、腐敗の根源だった徐才厚元中央軍事委員会副主席(上将)と谷俊山元総後勤部副部長(中将)を完全に失脚させた。これで230万解放軍の腐敗が浄化された。
それでいまは、賄賂を積んで出世することが不可能になったので、習主席に対して立派に仕事していることを見せて忠誠心を示すため、他国からの防衛≠強化させているのだ。
習主席はいちいち細かい命令は出さない。習主席がおっしゃっているのは、『常に戦争ができる状態に保ち、いざ戦争になったら必ず勝利せよ』ということだけだ。ただ、われわれの勇敢な行為(他国への挑発)に対して、習主席が目を細めているであろうことは、容易に想像がつく」
―度重なる中国軍の挑発行為によって、もしも軍用機同士が接触して墜落したらどうするのか。
「そうならないように、空軍の中で最も腕のよいパイロットを指名して、出撃させている。パイロットは、緊張しないように熊の胃などの高級漢方薬を飲んでから出陣するのだ。そして無事に帰還したら、軍内で英雄扱いを受けている」
―それでは、今後ともこのような挑発行為を繰り返すつもりなのか。
「それは、日本やアメリカが、わが国の領空・領海に脅威を与えている限り、当然続ける。すでに毎月3回ほどは、出撃できる準備を整えている」
まさに、盗人猛々しいとはこのことだろう。そもそも、昨年11月に中国が勝手に設定した防空識別圏は、日本もアメリカも承認していない。中国が10年間で4倍も軍事予算を増やし、軍拡に邁進していることは、いまや東アジア共通の懸念事項となっている。
周辺国を次々に挑発する中国は、一体何を考えているのか。中国外交部関係者に聞いた。
「習近平主席が唱える外交は、『アメリカとの新たな大国関係』だ。これは、太平洋を挟んで東西に位置する大国の中国とアメリカが、太平洋を二分割して統治しようというものだ。
ところが現在は、周知のように太平洋の『中間線』を大きく越えて、アメリカが東アジアの海を支配している。そこで中国が総力を挙げてアメリカを太平洋の中間線まで押し戻そうというのが、習主席の目標なのだ」
この外交部関係者によれば、習近平主席が歯ぎしりするシーンが、7月9日に起こったという。
「それは、中米戦略・経済対話が北京で開催された時だ。習主席が、『いまこそ新たな大国関係を築きたい』と述べた。すると続いて挨拶に立ったケリー国務長官が、『そんなことを言うが行動が伴っていないではないか』と習主席を叱りつけたのだ。
昨年3月に国家主席に就任して以降、習主席が他人に叱られたのは、あの時が唯一だろう。後方にいたわれわれも、一瞬蒼くなった。その後、習主席は外国に対して、ますます強硬姿勢を強めていっている」
ケリー長官が指摘したのは、アジアの大国を目指すなら、周辺国から尊敬される国になれという、しごくもっともな正論だ。それで機嫌を損ね、外国叩きに走るというのでは、単なる「地域の暴れん坊」ではないか。
■逆らう者は叩き潰す!
この習近平の傲岸不遜なやり口、恫喝外交が誰かに似ていると思ったら、あの金正恩である。
中国について65冊の著作がある評論家の宮崎正弘氏は、「最近、習近平の金正恩化が進んでいる」と指摘する。
「この二人の独裁者は、実に共通点が多い。第一に、強固な権力基盤を持っていないこと。第二に、頼みは軍だけというところです。そして第三が、黒田官兵衛のような軍師が側近にいないこと。金正恩はナンバー2の張成沢を昨年末に処刑し、習近平は兄貴分だった薄煕来を昨年10月に、無期懲役刑に処してしまった。
第四に、金正恩と習近平は性格もソックリで、二人とも見栄っ張りで、虚勢を張って自らの存在を誇示している。北朝鮮はミサイルを飛ばし、中国は戦闘機を飛ばしている。最後に、あのでっぷりと腹の出た体型と、傲慢な顔つきもソックリです」
産経新聞北京特派員の矢板明夫氏も、「習近平≒金正恩説」に賛同する。
「二人とも国民の意思とは関係なく、最高指導部の密室での決定によって最高指導者になった。そのため、未熟で、経験不足で、一見強そうに見えて、実際は非常に危うい。それでいて性格は、どちらもものすごくわがままなので、困ったものです」
実は習近平と金正恩には、私生活でも共通点があるという。北京在住ジャーナリストの李大音氏が語る。
「それは、共に夫人が、元国民的歌手のコワモテだということです。昨年末の張成沢処刑の陰に、張を毛嫌いしていた李雪主夫人の激励があったと聞きます。同様に、習近平夫人の彭麗媛は、人民解放軍少将の肩書まで持っている。軍や文化関係の人事や重要イベントに、隠然たる影響力を持っているのは、公然の秘密です」
李氏によれば、いまや中国のインテリ層の間でも、「習近平の金正恩化」を指摘する声が上がっているという。
「習近平は、グーグル、ヤフー、フェイスブック、ツイッター、LINEなど外資のツールを全面的に禁止しました。そして逆らう者は容赦なく逮捕していく。
いまでは中国メディアはどこも、北朝鮮の『労働新聞』と同様に毎日、最高指導者の偉大さを称えなければなりません。それでも称えない新聞や雑誌があるからという理由で、習近平は7月末に公安に命じて、一夜にして北京市内の目抜き通りの72軒の新聞・雑誌スタンドを叩き潰しました。
こうしたことから、最近では中国のインテリ層は自国を『西朝鮮』と自虐的に呼んでいるのです」
だが皮肉なことに、似た者どうしの習近平と金正恩は、「類は友を呼ぶ」どころか、激しくいがみ合っている。
「中朝は1949年に国交を結んで、翌年、朝鮮戦争を共に戦った『血盟関係』にありました。だがいまや、過去65年で最悪の関係で、『冷戦状態』と言っても過言ではありません。習近平は金正恩のことを、心底バカにしています」(李氏)
それでも、民主国家から見れば、二人がやっていることは五十歩百歩だ。
ただ、いくら習近平が金正恩化していっているとはいえ、中国は世界第2の経済大国、軍事大国であり、国連安保理の5大国の一角でもある。その意味では、習近平は金正恩とは比較にならないほど危険な指導者と言えるかもしれない。
「週刊現代」2014年9月13日号より
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