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日本の対中感情の悪化は敵視とイコールではない
中国メディアが見る日本
人民網日本語版 2014年09月11日13:31
中日の機関がこのほど共同で実施した世論調査の結果、中国に「良くない印象をもっている」と答えた日本人の割合が93%に達し、10年前に同調査が始まって以来で最悪となった。ここ数年の同様の世論調査でも日本の対中感情が悪化していることから、中国では日本人の中国観に対する関心が高まっている。環球時報が報じた。(文:庚欣・道紀忠華シンクタンク首席研究員)
調査の方法に関しては様々な批判もあるが、現在、日本人の中国に対する好感度が下がっていることは紛れもない事実だ。これには以下のいくつかの原因がある。
まず、領土問題など、国家間の係争が近年相次いでおり、日本国内の政治の是非に関する意見の相違が目立たなくなっている。特に、歴史認識などの問題では保守派に批判的な態度の人も、領土問題に関しては立ち上がって反対するわけにもいかず、まるで中日両民族の対立が形成されたかのような状態になっている。これは民意に大きな影響を及ぼしている。
次に、中日の国力および経済力の指標が逆転し、その差が開きつつある。安倍氏が06年に首相に初就任したころ、中国のGDPは日本の半分だったが、2度目に首相に就任した時、日本のGDPは中国の半分となっていた。日本人は、この激変に対する心の準備ができていない。同時に中日の紛争も増えており、中国の高度発展に対して「不安定感」、「圧力」を感じている人も多い。これらが調査結果に現れた。
さらに、日本人は教育や戦後の環境などの理由から侵略の歴史に対する認識が普遍的に不足しており、保守勢力の影響を受けやすい。このため、中国が日本の歴史観の間違いを指摘すると、「中国は強硬的過ぎる」と感じる人がいる。このほか、日本のメディアは環境問題、腐敗問題など、今の中国が抱えるマイナス要素に関するニュースを集中的に報じている。これらの要素が総合された結果、日本国民の対中感情が最悪の時期を迎えているのだ。
筆者は日本に長年滞在する中で、日本の民意にはある特徴があると感じている。日本人は「年中悲観」状態にある。これは、飽和状態の成熟した先進国にという環境に、長期的な不景気と保守的思想の蔓延が加わった結果であり、「年よりも老成」した感じすら受ける。日本人は、他人や物事に対する評価が悲観的・消極的過ぎる所があり、これが高度成長の只中にある中国人とは大きく異なる点だ。このほか、日本人はメディアや政府の影響を受けやすい。このため、日本のメディアや政府の中国に対する「方向性」は非常に重要になってくる。日本の有識者は日本のメディア・政府の中国に対する認識および宣伝・報道の偏りに気づいており、これが民意が低下した重要な原因であると指摘している。
日本人の対中感情の悪化が中日の民間交流に影響を及ぼすのではないかと心配する人もいるが、筆者は好感度の低さは敵意とイコールではないと考える。中国は過去40年あまり、民間友好活動を推進してきた。中日の経済貿易は相互依存の関係にあり、大多数の日本人は比較的安定した中国観を持っている。一部の人は中国のことを悪く言い、中国を嫌っているが、大多数は「中国脅威論」を受け入れているわけではない。安倍内閣が推進する「集団的自衛権行使の容認」が、日本の多数の人々から反対されたのもこのためだ。今回の世論調査では、79.4%の日本人が両国関係の悪化を心配し、関係改善を望むと回答した。ここからも、安倍内閣に中日首脳会談の再開に向けて努力させ、関係改善を望まざるを得なくさせる民意の圧力が存在することが伺える。
つまり、対中好感度は低くても、日本人が中日関係の改善を望んでいないわけではなく、中国から離れて行くわけではない。常駐するなら中国・インドのどちらかを尋ねるあるネット上の調査の結果、大多数の日本人が中国を選んだ。データは恐ろしいものではない。重要なのは、日本の民意の裏に隠された中日の構造的な矛盾を把握し、各方面の努力の方向性と具体的な改善措置を見つけ出すことだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年9月11日
http://www.japanese.peopledaily.jp/n/2014/0911/c94473-8781318.html
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