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米国の圧力や経済の逆風で軟化の兆しも見える習近平国家主席(ロイター)
習近平政権が日本に“SOS”を発した理由 三重苦が直撃も油断は禁物
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140827/frn1408271820008-n1.htm
2014.08.27 夕刊フジ
習近平国家主席率いる中国が、日本に歩み寄りを見せている。沖縄・尖閣諸島周辺には、中国海警局の艦船が連日のように侵入しているが、外交分野で関係改善の糸口を探る動きが見られるのだ。対日強硬外交を続けてきた中国に何が起きているのか。背景には、習政権が抱える「APEC(アジア太平洋経済協力会議)」「直接投資」「米国」という三重苦があるようだ。
「会談は日本の求めに応じて行われた。非公式なものだ」
中国の王毅外相は今月10日、岸田文雄外相と前日行った会談について、記者団にこう語った。習政権で初の日中外相会談だったが、厳しい対日世論の反発を恐れ、「仕方ないから会談した」とでも言わんばかりだった。
だが、先月下旬には、訪中した福田康夫元首相と習氏の極秘会談が行われた。このとき、習氏は「安倍晋三首相が、中国とどういう付き合いをしたいのかが見えてこない」と漏らしながらも、日中関係の改善に前向きだったという。
安倍首相は終戦の日(15日)、靖国神社への参拝を見送り、私費で玉串料を奉納した。中国外務省の報道官が批判談話を発表したが、昨年のように駐中国日本大使を呼びつけるような抗議はしなかった。
どうやら、対日強硬外交をテコに国内的支持を集めてきた習政権の姿勢は変化しているようだ。
習氏は「反腐敗キャンペーン」に名を借りた権力闘争の真っ最中だ。こうしたなかで、日本に“安易な妥協”をしたとみなされれば、足元をすくわれかねない。対日関係改善に乗り出したのは、どういうわけか。
中国事情に詳しい作家の宮崎正弘氏は「一番大きいのは米国の圧力だ。中国は『自分たちが何をやってもいい』と錯覚していたが、だんだん違うと分かってきた」と指摘する。
オバマ米大統領は当初、中国が提案する「新型大国関係」を受け入れるかのような姿勢を示し、良好な米中関係を追求してきた。その象徴がライス大統領補佐官で、昨年11月の講演で「中国とは大国関係の新たなモデルを模索している」と踏み込んだ。
しかし、中国はその直後、尖閣を含む東シナ海上空に防空識別圏を一方的に設定した。米国主導のアジア・太平洋秩序に実力で挑戦する姿勢を明らかにしたのだ。
これで目が覚めたのか、米政府は対中強硬姿勢を鮮明にし始めた。
先の日中外相会談と同じ日に行われた米中外相会談で、ケリー米国務長官は「中国は自ら緊張を生み出すのではなく、地域の大国として自制する責任がある」と批判した。ヘーゲル国防長官も5月31日のアジア安全保障会議で「中国は一方的な行為によって南シナ海の領有権を主張している」と追い込んだ。
次に、今年11月に北京で開催されるAPEC首脳会議も、習政権の悩みの種となっている。
APECは、習氏が議長国としての権威をアピールする絶好の機会といえる。同時に、この場で参加各国から批判の集中砲火を浴びれば、「メンツを失うことになり、中国国内からの批判を招くことにもなりかねない」(宮崎氏)のだ。
安倍首相率いる日本は、中国批判の急先鋒ともいえ、APEC前までに対日関係を改善することが必要というわけだ。
最後に、今年1〜6月の日本からの対中直接投資が、前年同期比48・8%減の24億ドル(約2400億円)に激減したことも、習政権の背中を押したようだ。
日系企業を標的とした反日暴動や異常な司法判断などを受け、対中直接投資は減少し、日本企業も撤退傾向にある。中国の地方政府からは対日関係改善を模索する動きが相次いでいた。
つまり、「三重苦」が習政権を動かした形だが、油断は禁物だ。
前出の宮崎氏は「とりあえず強硬姿勢を抑制しているだけで、戦術的な後退に過ぎない。『スキあらば尖閣諸島を奪いたい』という戦略に変化はない」と警告する。
朝日新聞などリベラル系メディアはそろって日中双方の歩み寄りを求めているが、ことはそう単純ではないことを肝に銘じるべきだ。
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