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≪はじめに≫
中国人の「家族主義」というものは、日本人には極めてわかりにくいものだと思う。中国における「家族」とは「一族」のことであり、その構成員は数百人から1千人単位に及ぶことがある。かつては、村や町の住民すべてが一族ということもあった。また中国では「圏子(チェンツ)」と呼ばれる仲間同士が固い結束でつながった疑似家族もある。
そして一族や「圏子」内には、独自の掟や決まり事、互助システムがある。いわがひとつの自治体のようなものなのだ。
中国人は、自分の一族や圏子の内側においては嘘をついたり自分勝手な行動はしないのだ。しかし、そこから外に出たら、平気で人を騙し、自己中心的な振る舞いに及ぶ。
≪家族主義を肥大化させた儒教≫
中国人の家族主義をここまで肥大化させたものは、易姓革命が何度も起こり、大乱が繰り返されてきたという歴史の中で、頼れるのは一族しかなかったという歴史背景がある。
もうひとつ重要なのは、儒教の影響である。儒教のなかで、最大の徳目は「孝」である。この「孝」とは、単なる「親を大切にする」ということではない。一番の親不孝は、子孫を作らず、一族を絶やしてしまうこと。つまり、「孝」とは、子孫を増やして一族を存続させることこそが最重要なのである。
儒教そのものが、一族主義、家族主義を強化する役割を果たしてきた。当然、一族という私的なものだから、公とは関係がない。
ようするに家族を繁栄させ存続させること、これが中国人の判断基準であって、そのためにいいことも悪いことも何でもやる。人を騙したとしても、いくら収賄したとしても、いくら社会に迷惑をかけたとしても、家族が繁栄できれば、それでいいということになる。
≪家族主義の中国は永遠に不安定化する宿命≫
このように、さまざまな影響により、どうしても社会がまとまらず不安定化する。文豪の魯迅も、「中国はバラバラの砂である」と嘆いたほどである。
≪大気汚染が中国人に遺された「唯一の希望」≫
公害問題が、公共意識に目覚めざるを得なくなった。さらなる環境悪化が進み、中国は人の住めない地獄になるだろう。望みはわずかだが、皮肉なことにこの環境破壊こそが、中国において絶望のなかの唯一の希望となろうとしているのである。
【出典】「なぜ中国人には1%も未来がないのか」石平/徳間書店‘14年
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