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<中国の経済統計は信用できない>都市部失業率はいつでも4%台?GDPさえ発表母体で数値が異なる!
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140807-00010000-jindepth-cn
Japan In-Depth 8月7日(木)0時3分配信
「世の中には3種類の嘘がある。嘘、大嘘、そして統計」
ヴィクトリア朝のイギリス首相だったベンジャミン・ディズレーリのこの言葉は、統計の虚構性を指摘するときによく引用される。
この言葉は「全ての統計は信頼できない」という意味ではない。それより「統計の数値を受け入れる際は、さらに慎重になる必要がある」と解釈した方がよいだろう。そして、このような慎重さは中国の統計を見る際にはより必要であると思われる。
中国の経済統計に不信感が広まったのは今に始まったことではない。グローバル金融危機の後だ。世界経済の低迷をものともせず、中国のGDP(国内総生産)が急成長を持続したからだ。現在も、欧米などのメディアを中心に、中国は政治的な意図を反映した数値を発表しているという批判が絶えない。
中国の様々な指標の中で特に信頼性に疑問が呈されているのは、GDP、PMI(製造業購買担当者指数)、そして都市部失業率だ。このうち、GDPに対する疑いは発表の度に出ている。疑惑の根拠は、中国国家統計局が発表する全国GDPと31省がそれぞれ発表するGDPが異なる点にある。
2013年度の全省の名目GDPの合計は、中央当局が発表した全国GDPを上回る。その背景には地方政府官僚の平価基準(注1)がある。
これには管轄地域のGDP成長率が含まれる。地方の官僚はダブルカウント(注2)などの方法でGDPを過大計上し、これを通じて良い評価を得ようとするという分析がある。
PMIの場合、国家統計局が発表するPMIと民間PMIであるHSBC PMIが別の方向に出るたびに信頼性の問題が提起されている。2013年4~7月の国家統計局のPMIとHSBC PMIが3ヶ月連続で違う方向を示すと、ファイナンシャル・タイムズ(FT)は中国政府の統計操作の可能性に言及した。
都市部失業率は、中国政府が発表したマクロ指標の中で最も信頼度が低い指標に挙げられている。
2002年以来、4%台から脱したことがないからだ。好況の時も4%台、不況の中でも4%台だった。中国政府が都市部失業率の統計に手を加えたのではないかという疑惑が出てもおかしくないかもしれない。
中国の統計に対する不信は「李克強指数」という新たな指数の誕生に繋がった。李克強中国首相が遼寧省党書記だった2007年当時、「中国のGDPは信頼できない。
代わりに電力消費量、鉄道輸送量、銀行融資を見るのが比較的正確に経済成長の速度を測定できる方法」と発言したことに基づき、2010年に英エコノミストが作った指数だ。李克強指数は、中国の実体景気を読む指標として実際に使用されている。
中国政府の「マッサージ(意図的な経済指標操作)」が全くないとは言えないだろう。裏話では、実績が高い時期にやや下方修正して、実績が低い時期が来れば、多少高める方式を通じて、中国政府が意図的に市場の衝撃を相殺させているのではないかという疑惑がある。そのように見えるかもしれない。
一方、中国の統計に対する低い理解度が不信を必要以上に拡大再生産した側面もある。PMIの場合、国家統計局のPMIとHSBC PMIが時々相異なるのは、調査対象が違うという理由が大きい。
国家統計局PMIの調査対象は約3000の大手国有企業である一方、HSBC PMIは400あまりの小型民間企業がアンケート対象となっている。調査対象が異なるだけに、互いに違う結果が出るのは有り得ることだ。
不信の底には共産党一党独裁体制の中国が政治的な目標を成し遂げるため、経済指標くらいは簡単に操作できるという偏見があるのかもしれない。
中国経済の専門家らは、中国の統計が細部まで信頼することはできなくても、 プラスマイナス記号を操作するほど、でたらめではないと言う。数値の大小よりは増減率を通じて、トレンドを読み取ることが大事だという意味だ。
中国の統計を盲信しても、無条件に不信してもいけない。もちろん何よりも中国政府が、皆が納得できる統計を示し、市場の信頼を得ることが最も重要であろう。
[注]
(注1) 地方政府官僚の平価基準 中央政府が地方政府の官僚を査定するときに基準となるもの。GDP成長率、就業率などの「量的」な数値が主な基準として含まれていたが、質的成長を重視する習近平主席の就任後に環境、教育、住民健康、福祉などの「質的」な基準が加えられた。それによって国家統計局が発表したGDPと全省GDPの合計の格差が若干縮小されたが、まだ差は大きい。地方政府官僚の業績を評価した基準。
(注2) ダブルカウント 二重計算。例えばA省に本社がある企業がB省に子会社を設立した場合、B省にある子会社の付加価値もA省のGDPに含める。子会社の付加価値はB省もGDPに含めるため、重複して計算される。
梁充模(経済ジャーナリスト)
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