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2010年の全人代では副主席だった習近平氏(右)と並んで座っていた周永康氏(共同)
習政権、権力掌握に向け粛清の嵐 本丸は「上海閥」トップの江沢民・元国家主席
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140730/frn1407301820005-n1.htm
2014.07.30 夕刊フジ
習近平体制下の中国共産党が粛清の嵐だ。周永康・前政治局常務委員(71)が、重大な規律違反の容疑で党の規律部門の取り調べを受けていることが明らかになった。中国共産党の最高指導部メンバーが失脚したのは25年ぶりとなる。新旧政権の間で繰り広げられる覇権争いは最終局面に突入しており、習国家主席が、周氏の後ろ盾となっている「上海閥」トップの江沢民・元国家主席に手をかける可能性も出てきた。
「虎もハエも一掃する」
2012年の国家主席就任以降、「反腐運動」と呼ばれる汚職追放運動を展開してきた習氏が、常々繰り返してきた言葉だ。
虎は大物を表し、ハエは小物を指すが、その「虎」に習氏が手を掛けようとしている。
中国国営新華社通信は29日、周氏について「重大な規律違反があった」として、党中央規律検査委員会が立件・調査することを決定したと伝えた。
周氏への疑惑は、公職を務めるなかでの収賄や職権乱用に加え、香港メディアでは、薄煕来・元重慶市党委書記と共謀して政変を起こそうとしたとの疑惑や、前妻を交通事故に見せかけて殺害したとの情報も伝えられている。
昨年8月、香港メディアで汚職問題が報じられ、同12月には消息を絶ち、「公安当局に身柄を拘束された」との見方が出ていた。
ロイター通信などは、これまでに親族や部下ら300人以上が拘束され、差し押さえられた資産は900億元(約1兆5000億円)を超えると報じている。
周氏は国有企業、中国石油のトップを経て政界入り。公安相に就任後、07年に政治局常務委員となり、胡錦濤政権で警察、検察、司法部門を統括した。「チャイナナイン」と呼ばれた党最高指導部の一員だった。
1989年6月の天安門事件の直後に、民主化運動を支持したとされる趙紫陽元総書記が更迭されたが、その後、最高指導部メンバーが失脚した例はない。
天安門事件当時の最高実力者だった●(=登におおざと)小平氏が党内の権力闘争激化を避けるために、政治局常務委員クラスの指導者の責任を問わないという暗黙のルールをつくったといわれるが、習氏はその禁も破ったことになる。
異例の事態に激震が走った中南海(=国会に相当)。習氏の狙いは、より大きな権力の排除にある。
『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)の著者で評論家の宮崎正弘氏は、「周氏は、江沢民・元国家主席率いる上海閥の重鎮でもある。習氏が、背後に控えるかつての最高権力者に狙いを定めているのは間違いない。江沢民氏の影響力を事実上ゼロにすることを画策している」と指摘する。
6月末には、周氏に近いとされる徐才厚・前共産党中央軍事委員会副主席が収賄などの容疑で党を除籍処分になった。さらに、徐氏と同じく党中央軍事委員会の副主席を務めた郭伯雄氏も汚職容疑で拘束されているとの観測が流れる。
相次ぎ粛清された党幹部たちはいずれも上海閥。習氏が、そのトップに君臨する江沢民氏を失脚させるために血道を上げてきたのは明らかだ。
権力掌握のために暴走する習氏。今後、どのような展開をみせるのか。
宮崎氏は「今回失脚した周氏は、中国最大の利益集団である『石油閥』の大物でもあった。習氏は、石油利権を握って潤沢な資金と人脈を得た」とした上で、こう続ける。
「中南海のパワーゲームの中で孤立ぎみだった習氏が、権力基盤を固めつつある。江沢民氏を失脚させた後は、上海閥の残党を取り込んでいこうとするだろう。そこから一気に軍部の掌握を狙う。ただ、軍内部には、胡錦濤・前国家主席の息がかかった幹部が多数派を形成している。次は胡錦濤氏率いる『団派』(共産主義青年団派)との争いになる」
権力闘争の先には安定ではなく混沌が待ち受けている。
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