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財部誠一:期限切れ肉問題で中国全土が騒然
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140729-00000001-fukkou-bus_all#!bpAFsm
nikkei BPnet 7月29日(火)15時23分配信
「外資系企業、お前もか」
シェークスピア風に言えば、中国人はいまこんな絶望感に打ちひしがれている。使用期限切れで、カビだらけになった鶏肉の加工品を出荷していた「上海福喜食品」の問題は、日本の消費者に大きなショックを与えたが、中国の消費者が受けた衝撃は日本とは比較にならない。
■「食の安全」を託せる唯一の存在が外資系企業だったが
中国製品の品質の悪さに誰よりも敏感なのは中国人自身だ。外資系企業が加工し、海外に輸出される加工食品は例外的に「食の安全」が確保されているが、中国国内に出回る加工食品などいったいどんな混ぜ物が混入しているのか、わかったものではない。あるいは、人体に有害な違法な薬物がどれだけ使用されているのか、わかったものではない。中国製品に対する不信感を世界の誰よりも根強く抱いているのは、ほかならぬ中国人自身である。
「食の安全」を託せる唯一の存在、それが外資系企業だ。それだけに世界屈指の食肉加工メーカーである米国OSI社がオペレーションをしている上海福喜食品は、数少ない「食の安全」を期待できる存在であった。しかもその加工肉を使用していたのはマクドナルドやケンタッキー、ピザハットは米国のファストフードである。肉の加工メーカーも商品として販売しているのも米国系企業。絶対的な安心感があった。
■中国人が受けたダメージは衝撃的
だからこそ「中国人が受けたダメージは衝撃的だった」と中国在住が30年を越える日本人ビジネスマンは語る。
「中国産品の品質を世界の誰よりも信用していないのは、ほかでもない中国人です。中国に『食の安全』などあるわけがない。それが中国の常識だ。その中国で唯一の希望が『外資』だったのです。上海福喜食品は世界屈指の米国系企業。これ以上、信用できる稀有の存在だった。それもダメか。その落胆ぶりたるや、痛々しいものがある」
ただでさえ中国は水もダメ、空気(PM2.5)もダメ。人間が健康的に生きられる環境がすでに失われている。中国の農産物や加工食品が違法な農薬や薬物によって成長を促進させられたり、色合いを良くしたりといった作業が行われていることなど、中国人なら誰でも知っている。唯一の救いが外資系企業だった。「食の安全」を期待できるのは外資系企業しかないと誰も信じてきた。
それだけに上海福喜食品事件が与えた影響は深刻だ。しかもカビで表面が青く変色した鶏肉加工品を販売していたのが、中国全土に店舗展開しているマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキン、さらにはピザハット。いずれ劣らぬ米国系のファストフード店であったことも不信感を増幅した。
■私利私欲が引き起こしたおぞましい事件
「ここまでくると、いったい何を食べたらいいのか、中国人は絶望的な気分だ」
中国国内では上海福喜食品の事件が日本にも広がったことがさらに追い打ちをかけている。中国人にとって日本は「食の安全」を最も体現している国だ。その日本まで被害を防ぐことが出来なかった。もはや中国で安全なものを口にすることなどできるはずがないという絶望感が中国国内を覆っている。
しかも多くの上海市民は、このでたらめな事件の背景は、中国の国技ともいうべき「汚職」にあると考えている。事件が露見した直後、上海福喜食品の5人の中国人幹部が当局に逮捕された。彼らの私利私欲がおぞましい事件を引き起こしたという。
「期限切れの肉を減損処理する一方で、加工に回してしまう。また新しい肉を仕入れたことにして期限切れ肉で代用する。あるいは新しい肉を購入し、その後、転売する。こうして裏金を作って、5人の幹部がポケットに入れてしまったのではないか。幹部だけが金儲けをしていることに不満を感じた現場社員が上海テレビにリークしたというのが事件の全体像だろう」
■「食の安全」まで共産党の責任
ならば習近平の汚職撲滅キャンペーンは、さぞや国内の支持を得ているものと思いきや、事実は違う。
共産党の幹部からすれば迷惑千万。一般大衆は快哉を叫ぶかわり、倹約令で高級レストランが相次いで倒産。景気の冷え込みは習近平のハンドリングの悪さだと考えられている。
上海福喜食品事件は、そんな最中で起こった。「食の安全」まで共産党の責任だという流れになっていきそうだ。
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