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きしむ中国の銀行
http://www.asyura2.com/14/china4/msg/428.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 6 月 29 日 04:01:11: Mo7ApAlflbQ6s
 


※ 日経新聞の連載記事

きしむ中国の銀行

(1) 増え始めた不良債権 成長の減速が響く

 中国の銀行経営がきしんでいる。経済成長が鈍り、不良債権が増えている。問題の多い「影の銀行」の影響も懸念される。金融システムの動揺は回避できるのか。

 中国は改革開放の一環で、国有四大商業銀行を設立。現在、銀行は100を超えるが、四大銀が融資の半分を占める。
 四大銀は1990年代に、国の政策に沿った国有企業向け融資が焦げ付き、政府が資本注入。その後、株式会社化して上場、2007年に中国工商銀行が銀行の株式時価総額で世界一となった。

 09年に中国の銀行は国の景気対策にあわせ融資を3割増やし、経済の2桁成長を支えた。ここへきて成長率は7%台に鈍り、2桁成長を見込んだ企業の業績は悪化。「信用膨張の後の金融危機が起きてもおかしくない」との指摘がくすぶる。

 焦点の不良債権比率(上場銀行)は13年に公表ベースで0.98%と前年比0.06ポイント上がった。欧米では実質的には、健全性の目安である5%を超えるとの見方が多い。そのため市場評価が揺らぎ、工商銀の株式時価総額も13年、米ウェルズ・ファーゴに抜かれた。

 ただ財務体力は以前より強い。四大銀の中核自己資本比率は欧米大手に見劣りしない。株式会社化されても国が過半株式を保有、いざとなれば国の支援を期待できるとみられる。

 国際通貨基金(IMF)のデビッド・リプトン筆頭副専務理事は「信用を一段と拡張させるとリスクが高まる。企業破綻を容認し、信用規律を保つような金融改革が必要だ」と中国に銀行などの改革を促している。

(編集委員 太田康夫)

[日経新聞6月23日朝刊P.17]
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(2) 不動産価格の下落懸念 担保価値押し下げ

 中国で不動産価格の下落懸念が強まっている。今年に入って住宅価格の上昇が鈍化。取引が細り、北京などでも新築マンションを大幅値下げして売る動きがみられる。

 不動産価格は銀行経営を左右する。「融資のうち直接的な不動産向けは2割程度」(中国銀行業監督管理委員会)だが、地方政府が資金調達のため設けた融資平台と呼ばれる投資会社向けなど、担保も考慮した実質的な不動産関連は融資全体の半分に当たる。地方の銀行は不動産依存が高い。
 とりわけ懸念されているのは、不動産開発業者と融資平台向け融資だ。銀行などの新規融資抑制で、資金繰りが悪化している。杭州などでは在庫の投げ売りが不動産価格を押し下げ、担保価値をさらに下げる悪循環が起きかねないとの見方もある。銀行からみると融資資産の劣化につながる。

 問題は今後の下落度合い。中国の不動産はバブル化しており大幅調整が起きるとの予測もある。欧米では下落幅が3割を超えてくると、金融システムが大きく揺らいだ。
 米ピーターソン国際経済研究所のニコラス・ボルスト氏は「不動産は担保として貸し出しや投資に大きな役割を果たしており、その大幅調整は経済を傷つけ金融システムにも影響する」と警鐘を鳴らす。

 一方で中国は今後も高速鉄道や地下鉄などインフラ整備を進める見通しで、周辺の不動産価格が押し上げられる余地もある。英HSBCのエコノミスト、朱日平氏は「不動産の不透明さは課題だが、状況は1990年代ほどではなく、対応力も増している」と指摘する。

(編集委員 太田康夫)

[日経新聞6月24日朝刊P.29]
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(3) 「影の銀行」も重荷に 問われる販売責任

 中国の銀行で懸念されるのは、甘いリスク管理など問題が多いとされる「影の銀行」の影響だ。

 一つはリスクの高い資産に投資する理財商品。銀行が管理するものと、信託会社が組成し銀行が販売するものがある。合計規模は10兆元で、預金の1割程度に当たる。
 信託組成の理財商品では債務不履行の増加が見込まれる。販売時のリスク説明が不十分だとして銀行が売り手責任を問われ、債務不履行回避のためのつなぎ融資や、購入者への実質肩代わりを求められる可能性がある。
 もう一つは社債だ。中国の社債市場はすでに日本を抜いてアジア最大の規模。社債市場は主に銀行間市場として発展してきた経緯があり、今でも発行額の半分程度を銀行が保有している。
 その社債で今年、債務不履行が起きた。銀行は社債の信用リスクは極めて低いと評価してきたが、そうした評価は見直しを迫られる。

 大手銀行は国際的な銀行規制の制約を受け、信用拡大に限界がある。このため政府は2010年以降、社債や理財商品など「影の銀行」の拡大を容認してきた。
 ただ、影の銀行商品についても銀行が投資したり、暗黙の保証をつけたりして、実質的にリスクをとっている。不動産価格の下落などで資産劣化が進む影の銀行の悪影響が及びかねない状況だ。
 世界銀行は6日の中国経済報告で「規制の緩い影の銀行を含む、包括的な金融改革が必要だ。中国にはそれを着実に進める余力があるが、予期しない混乱も否定できない」と指摘している。

(編集委員 太田康夫)

[日経新聞6月25日朝刊P.29]
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(4) 動き出す国有企業改革 債権放棄の懸念も

 中国は昨秋の3中全会で、国有企業改革に乗り出すことを決めた。信用拡大による景気刺激が限界に近づき、生産性向上が欠かせないためだ。

 背景にあるのは企業の財務体質の悪化だ。リーマン危機を受けた2009年の大規模経済対策以降、国有企業は銀行などから18兆元を超える資金を借り入れ、大規模な設備投資をした。
 しかし、世界的な景気停滞で需要は盛り上がらず、設備稼働率は鉄鋼、太陽光発電、造船などで70%以下にとどまる。政府も「一部業種では生産能力の過剰が浮き彫りになっている」と認める。過剰債務、過剰設備の状況で、銀行からみると不振企業向け融資が増えている格好だ。

 政府の国有企業改革は民営化推進や、鉄鋼などでの再編統合などが柱だ。市場の力を利用して競争力を取り戻し、過剰設備などを徐々に解消することを狙っている。
 ただ世界経済が減速するなか、過剰設備の解消は難しい。「企業は国有であっても縮小や破綻が必要」(アメリカン・エンタープライズ研究所のデレク・シザーズ氏)だが、簡単ではない。

 1990年代に日本で企業が過剰債務、過剰設備に苦しんだときには邦銀が債権放棄を求められており、中国でも改革の過程で銀行が損失負担を迫られる可能性がある。
 米ゴールドマン・サックスのエコノミスト、アンドリュー・ティルトン氏は「構造改革が生産性の伸びを押し上げる可能性がある一方、信用の伸び鈍化と余剰能力削減が急速に進む恐れがある」と指摘する。

(編集委員 太田康夫)

[日経新聞6月26日朝刊P.30]
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(5)進む金利自由化 利ざや縮小は必至

 中国の銀行の収益力は高い。中国工商銀行の2013年の純利益は2630億人民元(約4兆3000億円)で、三菱UFJフィナンシャル・グループの4倍強。四大商業銀行の自己資本利益率は20%前後。欧米有力銀行が金融危機前に出していた水準に匹敵する。
 高い利益を支えるのは13年で2.6%近くある厚い利ざやだ。規制金利の影響が大きく、規模が大きければ利益が増えた日本の1980年代に近い状況といえる。

 この構造が続くわけではない。中国は13年5月に短期金利の上昇を容認した。政府は20年に向けて調達金利の自由化を進める方針で、早晩、競争原理が働くことになる。
 また中国では昨年解禁したオンライン・マネーマーケットファンドが急拡大している。米国で80年代に起きたように銀行預金と競合し、利ざや圧迫要因になりかねない。銀行関係者の間では、利ざやが2%を切るのは時間の問題との声が多い。

 独フランクフルト・スクール・オブ・ファイナンス・アンド・マネジメントのホルスト・レチェル教授は「金利自由化に加え労働コストが上がるなかで、中国の銀行が競争力を保ち続けられるか疑問だ」と指摘する。利益が圧迫される状況で、不良債権が増大していけば、銀行経営は苦しくなる。90年代の邦銀が置かれた状況に似ている面もある。

 中国はまだバブルが崩壊したわけではないが、史上まれにみる信用膨張局面は終わった。金融システムの動揺を避けられるのか、中国の金融当局の手腕が問われる。

(編集委員 太田康夫)

=この項おわり

[日経新聞6月27日朝刊P.29]


 

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コメント
 
01. 2014年7月01日 10:02:24 : nJF6kGWndY

>きしむ中国の銀行

国家資本主義でもバブル崩壊からは完全には逃げられないだろう

しかし、世界の中での重要性は高まっている


http://jp.reuters.com/article/jp_eurocrisis/idJPKBN0F505720140630
世界トップ1000行の2013年利益、中国の銀行が約32%稼ぐ=英誌
2014年 06月 30日 11:38 JST
[ロンドン 30日 ロイター] - 英金融専門誌バンカーの世界銀行ランキングによると、世界のトップ1000行が2013年に稼いだ利益は9200億ドルと過去最高を記録した。

そのうち、中国の銀行による利益は2920億ドルと全体の32%を占めた。

バンカーは、世界の銀行の収益力や資本の健全性を評価し、上位1000行のランキングを毎年公表している。

2013年の世界の銀行の利益は、前年から23%増加した。中国工商銀行(ICBC)(601398.SS)の利益が550億ドルと最大。また、トップ4は、中国建設銀行(601939.SS)、中国農業銀行(601288.SS)、中国銀行(601988.SS)と、全て中国の銀行が独占した。

米国の銀行の利益は1830億ドルと全体の20%を占めた。

日本の銀行の利益は640億ドルで、全体に占める割合は7%だった。次に利益が大きかったのは、カナダ、フランス、オーストラリア(それぞれ390億ドル)。ブラジル(260億ドル)、英国(220億ドル)と続く。

ユーロ圏の銀行の利益は、2008年の金融危機前には全体の25%を占めていたが、3%にとどまった。

 
http://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201407010036
中国、預貸率規制を緩和―特定の融資を計算から除外 
2014 年 6 月 30 日 21:34 JST
 中国銀行業監督管理委員会(CBRC)は30日、銀行の預貸率規制を緩和すると発表した。融資に利用できる資金を増やし、経済成長を後押しする狙い。

 現行規則では預貸率の上限を75%に定めている。預金として100円預かっていたとしても、75円しか貸し出せないという意味だ。

 CBRCの声明によると、預貸率の上限は75%で維持するものの、その計算方法を調整する。具体的には、規模の小さい企業や農業向けなど中国人民銀行(中央銀行)の再貸付政策に該当する融資、農業支援目的で発行した債券を元手にした融資、国際金融機関や外国政府の資金による融資を預貸率の計算から除外する。

 残存期間1年以上で、早期償還を不可としている債券を元手にした融資も、同様にこの計算から除く。

 一方、個人や企業が保有する預金証書、海外の親会社から1年以上預かる資金については、預貸率を計算する上で引き続き預金に組み入れることができる。

 中国の銀行はまだ個人や企業向けに預金証書の発行を行っていない。だが当局によると、近く発行を開始する見込みだ。

 さらにCBRCはこの日、預貸率規制の対象を人民元建ての融資と預金のみにするとの方針を打ち出した。従来は人民元だけでなく、外貨建ての融資と預金にも適用されていた。

 CBRCによる直近の統計では、中国の市中銀行の預貸率が3月末時点で65.89%だった。
 
 

中国:銀行預貸率の計算方法、7月から変更−与信で成長支援 

  6月30日(ブルームバーグ):中国は7月から銀行預貸率の計算方法を変更する。銀行の与信能力を拡大し、減速する同国経済の成長を支援するのが狙い。
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は30日の声明で、銀行が7月1日から預貸率の計算で企業や個人向けの譲渡性預金(CD)を含めることができるようになるほか、債券で裏付けられた小規模企業や農村セクター向けの融資は除くことができると説明。与信の行き過ぎを防ぐため、預貸率の上限は75%とした。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の周浩エコノミスト(上海在勤)は「中国経済に勢いを取り戻させようと当局が再び実施した『的を絞った刺激』政策だ」と指摘。「中国の商業銀行が向こう数カ月に提供する新規融資は昨年の同時期に比べ大幅に大きくなるだろう」と述べた。周氏は中国での融資総額が今年10兆元(約163兆円)を超え、昨年の8兆9000億元を上回るとみている。
原題:China Changes Bank Loan-to-Deposit Calculation in GrowthBid (1)(抜粋)


 


http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41075
JBpress>海外>中国 [中国]
今も「鳥かご」の中にある中国経済
経済改革の深化を唱えるも実際は統制を強化
2014年07月01日(Tue) 柯 隆
 中国の改革はどこへ向かおうとしているのだろうか。中国社会の現状を見ている限り、その方向性はまったく見えてこない。

 2013年11月、共産党中央三中全会で市場経済改革を深化させることが決定された。しかし、中国経済の実態は市場経済とは逆の方向へ向かっているように見える。李克強首相が就任当初から唱えたのは「規制緩和」(deregulation)と「地方分権」(decentralization)だった。だが、政府によるコントロールと国有企業の力は強まる一方である。

 中国経済の実態を如実に反映しているのは、中国の株式市場の株価である。上海の株式市場の株価総合指数は2007年の6170ポイントをピークに下落し、それ以降、2000〜2100ポイントのレンジで推移している。

 これまでの35年間、中国が奇跡的な経済成長を成し遂げられたのは、政府の市場管理の成果ではなく、企業、とりわけ民営企業が政府の管理と規制を果敢に突破し、努力した結果だと言える。政府が規制を強化すれば景気は不安定化し、逆に政府が規制を緩和すれば景気は好転し安定する。中国における景気と政府規制の因果関係は、あらためて実証する必要もないほど明らかだ。

 中国は2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟した。しかし、世界の主要国は中国が市場経済であるとはいまだに考えていない。これを先進国の偏見だと言うことはできない。まず、中国では知的財産権が十分に保護されていない。また、国有企業の独占によって市場メカニズムの調整機能は阻害され、経済政策の策定や市場競争に関するルールなども著しく透明性を欠いている。すなわち、中国は確かに市場経済ではない。

 かといって中国は計画経済でもない。では、中国はどのような経済なのだろうか。一部の研究者は中国経済を「混合経済」と表現している。市場経済の要素と計画経済の要素が混ざっている経済という意味であろう。

中国の「混合経済」の特殊性

 近代以降、100%自由な市場経済はおそらく存在しないと思われる。同様に、100%統制されている計画経済も存在しないだろう。

 北朝鮮は厳しく統制されている計画経済だが、それでも闇の自由市場が存在する。民主主義の先進国では、基本的に自由な市場経済になっているが、政府がコントロールする公的部門が同時に存在する。したがって、既存のすべての経済は混合経済と言える。

 では、中国の混合経済はどこが特殊なのだろうか。

 中国では、経済全体の規模の中で市場経済のウエイトは40%を占め、公的部門(政府による資本参加の企業を含む)のウエイトは60%を占めると推察される。

 共産党中央は明確に主張していないが、「公的部門のウエイトを50%以上保つことが中国が社会主義である証左」というのが暗黙の認識になっている。

 国有企業がその存在を誇示すればするほど市場メカニズムの調整機能は妨げられてしまう。だが「社会主義」の看板を掲げる以上、国有企業を中心とする公的部門のウエイトを下げたくないのが、共産党の本音である。

「鳥かご」の中にある中国の経済

 35年前に最高実力者だったケ小平は「改革開放」政策を実施し、経済の自由化を推し進めた。それによって中国経済は大きく発展した。これはケ小平の功績と言える。

 しかし、ケ小平の改革には罠があった。人々の生活が北朝鮮のような貧困なレベルにあるとき、人々は自由や人権よりも腹いっぱい食べられることを求める。「改革開放」初期の中国人も物質的な満足を求め、ケ小平の改革に期待を寄せていた。「経済発展こそこの上ない理屈である」というケ小平の名言は、国民に物資的な満足を約束するものだった。しかし、自由や人権の保障などは国民に一度も約束したことがない。この点が国民には見えていなかった。

 1980年代、共産党の長老の1人である陳雲は、ケ小平に「鳥かご経済」の構築を進言した。経済改革を進めてもいいが、それはあくまでも政府のコントロール下に置かないといけないということである。つまり、経済は鳥かごの中の鳥のようなものだというのだ。政府は一貫してこの鳥かご経済のモデルを踏襲している。

 そのプロセスにおいて、一部の民営企業は鳥かごを飛び出そうとした。しかし、本当の自由を手にした企業はごくわずかである。この20年で、中国で最も大きな発展を成し遂げた企業はインターネット関連の企業だ。これらの企業の多くは民営企業であるが、政府のコントロール下にあり、政府に協力しなければならない。

ますます強化されている経済統制

 胡錦濤政権の時代に広東省共産党書記だった汪洋(現在、経済担当の副総理)は省内の産業構造を転換させるため、「騰籠換鳥」の戦略を打ち出した。かごの中の鳥(企業)は古くなったので、それを新しい鳥に換えるという考えである。「騰籠換鳥」の発想は陳雲の「鳥かご経済」に由来するものであろう。

 共産党は一度もかごを取り壊そうとしたことがない。これからも壊そうとはしないだろう。すなわち、中国経済が真に自由化されることはあり得ないということである。

 ケ小平改革はかつてNIES(新興工業経済地域)やASEAN諸国が進めた「開発独裁」とは根本的に異なるものだった。開発独裁は、経済発展を維持させるために国民の政治参加を制限するものだった。

 一方、中国では共産党の独裁政治を維持すること自体が目的化されている。その中で個人の私有財産(例えば不動産など)は、政府の利権とぶつからなければ侵害されない。しかし政府の利権とぶつかる場合、恣意的に侵害されてしまう。

 要するに中国では、国民の政治参加が制限されるだけでなく、政府に協力しなければ経済の「自由」も保障されない、ということである。

 胡錦濤政権の時代には国民が市場経済改革の深化を熱望していたが、10年間、改革がストップし、「失われた10年」となった。習近平政権は市場経済の深化を約束したが、実際の経済運営を見る限り、経済統制がますます強化されている。

 自由経済の味を知ってしまった国民は経済統制の強化に強く反発している。このままでは中国社会がますます不安定化することは避けられないだろう。


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