http://www.asyura2.com/14/china4/msg/326.html
Tweet |
中国の中小銀に不良債権増の圧力 成長鈍化が響く[日経新聞]
2014/6/7 2:00
【上海=土居倫之】中国の中小銀行に不良債権増加の圧力が高まっている。江蘇省の地方銀行、連雲港東方農村商業銀行(連雲港市)の2013年12月期の貸出資産に占める不良債権の比率は前の期比13.74ポイント上昇し、26.76%となった。取引先の経営悪化で貸出金の回収が難しくなっているためだ。中国の銀行の不良債権比率は平均で1%だが、成長鈍化の影響で一部の中小銀行は不良債権が急増している実態が明らかになった。
中国の銀行監督当局は「金融危機の発生は実体経済に重大な打撃を与えかねない」として金融システムの混乱回避を最優先する方針を明らかにしている。経営監視を強化すると同時に、事業継続が難しくなった銀行については救済合併などの支援で金融システムへの波及を防ぐ方針だ。
連雲港農商銀行は、上海から北に約420キロメートルの江蘇省連雲港市に本店をおく地方の中小銀行の1つで、総資産は98億元(約1600億円)、従業員数は656人。江蘇常熟農村商業銀行と蘇州銀行がそれぞれ11.67%の株式を保有する民営の中小銀行だ。
連雲港農商銀行の不良債権残高は20億5600万元で、不良債権予備軍である「要注意先」の融資残高が27億元。同行は「経済成長の減速や輸出入の低迷などで一部企業が営業を停止したことなどが不良債権増加につながった」としている。
同行の貸出先は小売り・卸売業が最も多く、次に多いのが建築業。同行は貸出金(100万元以上)を未返済の顧客に対し計273件、11億8千万元相当の訴訟を起こしている。
中国当局は1998年、経営に行き詰まった海南発展銀行(海南省)を初の閉鎖処分とした。その後、2001年にも汕頭市商業銀行(広東省)を再編処理した事例があるが、いずれも政府が預金を保護している。
中国では預金保険制度が未整備なため、小規模銀行でも経営に行き詰まると預金者の不安心理の高まりを通じて金融システム全体の動揺に波及しかねない。江蘇省は経営体力の乏しい中小金融機関が多いこともあり、3月には江蘇省内の別の複数の銀行で千人規模の取り付け騒ぎが発生した経緯がある。
監督当局の銀行業監督管理委員会(銀監会)によると、昨年末の中国の銀行の不良債権比率は1%だった。貸出債権を不良債権に分類するかどうかは経営陣や監督当局の裁量に左右されやすく、「実際の不良債権額はもっと多い」との見方が多い。連雲港農商銀行の11年12月期の不良債権比率は1.75%だった。
今後の動向に大きな影響を与えるのは不動産市況の行方だ。特に地方では有力貸出先が不動産関係のことが多く、住宅市況の影響を受けやすい。
6日北京で会見した銀監会の王兆星副主席は「いったん不動産に問題が出現すると、中国の全ての金融機関に破壊的な災難をもたらす」と述べ、銀行の不動産融資の監督強化に努める意向を示した。ただ現状の金融リスクについては「管理可能な状況にある」とした。連雲港農商銀行を含め個別の金融機関には言及しなかった。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM06032_W4A600C1FF1000/?n_cid=TPRN0005
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。