http://www.asyura2.com/14/china4/msg/320.html
Tweet |
「連続テロ」を招いたウイグル弾圧にイスラム世界の後ろ盾〈週刊新潮〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140605-00010000-shincho-cn
「週刊新潮」2014年6月5日号
新疆ウイグル自治区ウルムチで5月22日に発生した爆発事件では、39人が命を落とした。果てしないテロの連鎖で漢族との軋轢は増す一方だが、このまま習政権がウイグル族を抑圧し続ければ、イスラム世界そのものを敵に回しかねない。
中国在住の日本人ジャーナリストが言う。
「昨年10月の天安門広場での自動車炎上事件、今年3月に雲南省昆明で起きた無差別殺傷、さらに4月のウルムチの駅前での爆発事件。公安当局は、これらすべてをウイグル族によるテロ事件だと断定しています」
いずれも関与が疑われているのが「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)なるテロ組織。が、世界ウイグル会議のイリハム・マハムティ副総裁によれば、
「このグループのリーダーは11年前に死んでおり、現在は組織の存在すら疑わしい。それでも当局は、何が何でもこの組織の仕業にしたがっているのです」
国際社会には“卑劣なテロ”とアピールし、根底にある民族問題から目を逸らさせようというわけだ。そもそもこの自治区では、
「95年から15年間、行政の最高責任者である王楽泉・自治区党委員会書記による強権的な施政が続いてきました。地区の人口は約2000万人で、ウイグル族と漢族はほぼ同数。ですが学校では中国語教育が主で、ウイグル語を話すといじめられ、街のレストランでも雇ってくれない。こうした経緯もあって09年7月にはウルムチ騒乱が勃発、197人が亡くなりました」(前出ジャーナリスト)
この映像は世界中に流れ、当時の胡錦濤政権は融和政策への転換を余儀なくされた。が、騒乱の遺恨は根深く、結局は圧政へと戻ってしまったのだ。
■はびこる原理主義
さらに、当局が火に油を注いでしまったのが、
「今年1月、人権擁護を訴えていたイリハム・トフティ中央民族大学准教授が、国家分裂煽動の疑いで拘束されている。ウイグルの過激派と政府との両方にパイプを持ち、穏便な話し合いに欠かせない人物だったのですが、これが一層ウイグル族を刺激してしまった。中には、“自分たちが弾圧されるのは信心が足りないからだ”と考える者もいて、国内では原理主義がはびこりつつあるのです」(同)
前出の石平氏が言う。
「習政権のウイグル政策は『厳打高圧』と呼ばれますが、弾圧すればするほど恨みを買う悪循環に陥っている。ウイグルの党委員会も5月23日、“来年6月まで、あらゆる特殊手段を使って取り締まる”と表明しました。これでは、テロリストを量産するだけです」
さらには国外への飛び火である。中国は従来、イスラム諸国とは良好な関係を築いてきたのだが、
「こうした弾圧が続くようであれば、広くイスラム世界は団結をみせ、“後ろ盾”となる可能性もあります。となれば内紛に止まらず、先々、中国が国際テロの舞台になるおそれもあります」(同)
対応を誤れば、パレスチナやチェチェンと化すかもしれないのだ。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。