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テロ容疑などで200人身柄拘束・・・自首や密告も奨励=新疆
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140526-00000071-scn-cn
サーチナ 5月26日(月)10時43分配信
中国の各メディアは25日、新疆ウイグル自治区で5月になってから、テロ容疑などで200人の身柄を拘束したと報じた。特に25日未明に実施した「0時捕獲行動」では大きな成果を上げたとした。記事によると、検挙された者の多くは若者で、インターネットなどを使って「極端な宗教思想を広めていた」などという。当局は、テロ行為や準備、過激思想の宣伝を行った者に「自首・出頭すれば罪を軽減」すると発表した。重要な情報を自供した場合には、罪を問わない場合もあるとした。
公安機関(警察)の検挙活動の重点対象は、インターネットにおけるテロ行為関連の動画発表や、“聖戦”を宣伝・扇動するなど、「現実的な危害をもたらす者」、「これまで治安に危害をもたらす活動に複数回参加したが、犯罪行為は軽微として処分されていなかったが、考えを改めていない者」、「今年になってからテロ組織や極端な宗教思想を持つ団体に入った者」だったという。
特に25日未明に実施した電撃作戦である「0時捕獲行動」は、多くのテログループを壊滅させたとした。一連の検挙運動で、爆発物や刀剣類多数を押収したという。
身柄を拘束された者の多くは1980年代、90年代生まれの若年層で、多くはインターネットやマルチメディアカード(MMC)などを利用してテロ行為を動画を見たり、極端な思想を広めていた。
さらに爆発物の製造方法や(テロ行為実行のための)訓練方式を学習し、掲示板やショートメッセージなどで経験を交換し、「聖戦思想」を高揚し、襲撃目標の謀議を実施していたという。
新疆ウイグル自治区高級人民法院(高裁)、人民検察院、公安庁(警察)は24日付で、テロ行為や準備にかかわった者は30日以内に自首、出頭すれば処罰を軽減すると発表した。中国の刑法の関連条文にもとづく措置で「大きな功績があれば、処罰をしない場合もある」とした。「大きな功績」とは通常、「大量検挙・逮捕につながる情報を当局側に自供する」ことを意味する。
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◆解説◆
中国では、過激なイスラム教思想や民族問題に絡むテロが、以前にも増して多発するようになった。テロ多発の根本的原因が何であれ、罪のない人々の犠牲者が急増しているのは事実で、当局が取り締まりに力を入れることは理解できる。国民の安全を確保する、国家として当然の行動と言ってよい。
ただ気がかりなのは、中国では警察関係者などが極めて高圧的かつ強引に「疑いを向けた人」に対することだ。いわゆる西側諸国などに比べると、人権感覚が薄弱であることが原因だ。
犯罪容疑者の摘発や犯罪の予防と人権保護の矛盾に直面するのは、どの国の警察・公安組織にとっても同様だが、中国の場合には「成果を出すこと」が優先され、人権保護が後回しにされやすい傾向が強い。
たとえば、「テロを支持しているわけではないが、ちょっとした好奇心で“聖戦を宣揚する投稿動画”を見た」といった人が、取り調べを受けたとする。自分を犯罪者と決めつけ、高圧的に交友関係を問いただされたりすれば、当局に対する反感が強まっておかしくない。
警察などによる一斉行動は、テロ発生を防止することで市民を納得させる効果が期待できる反面、「やりすぎ」による市民の反発をまねく恐れもある。警察の取り締まり強化は、短期的にはテロの発生を抑止できても、問題の根本的な解決にはつながらない。
中国では、いわゆる少数民族による反政府運動が断続的に発生している。問題の本質は、「漢族という人口の大部分を占める民族が、文化面で異質な別民族を統治している」ことにあるのではない。少数民族側で「不満もあるが、この国の一員であることに満足はしている」という人が増えていけば、反政府運動などは確実に減るはずだ。要は「少数者、社会的弱者にとってもよい国にしていく」だけが、事態を改善する“薬”であるはずだ。
いわゆる少数民族については、細かな言葉づかいからして、「配慮」が現れるものだ。台湾では漢族が移り住むはるか以前から暮らしていた人々を「原住民族」と呼ぶようになった(日本で用いられる「先住民」という用語は中国語で、「以前は住んでいたが、今はいない」との感じが出てしまうため、用いられない)。
「原住民族」と言う言葉には、「もともとの住民であり、権利や立場を配慮せねばならない」とのニュアンスがある。中国大陸部で用いられている「少数民族」は、人口数だけに着目した語だ。台湾の「原住民」の人々にも、文化の保存などで強い危機感があるというが、反政府思想にもとづく過激な事件は、過去のことは別として、現在は発生していない。(編集担当:如月隼人)
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