アプリとQRコードで視覚障害者のホーム転落事故を防ぐ! 最新技術を紹介 https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%81%A8qr%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A7%E8%A6%96%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E3%81%AE%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E8%BB%A2%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%82%92%E9%98%B2%E3%81%90-%E6%9C%80%E6%96%B0%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%92%E7%B4%B9%E4%BB%8B/ar-BB1gFFhv?ocid=msedgntpTOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。4月21日(水)放送の「フラトピ!」では、“視覚障害者を助ける最新技術”について取り上げました。 ◆駅構内、音声で視覚障害者を支援するアプリ「shikAI」 今回は、キャスターの田中陽南が豊島区盲人福祉協会の市原寛一さんを取材。視覚障害者を支援する最新技術を学びました。その1つが、今年から東京メトロの駅で導入されたアプリ「shikAI」。 これは視界に障害のある方が安全に駅を利用できるサービスで、アプリを入れておくことで、スマホが点字ブロックに設置されたQRコードを読み込み、目的地までの方向や距離などを音声で案内してくれます。 現在は、視覚障害者の利用が多い駅、東京オリンピック・パラリンピックの会場の最寄り駅など9駅に導入されており、今後はさらに拡大予定。「shikAI」を使用の際は、まずメール登録し、歩行指導員からアプリ操作方法などのレクチャーを受ける必要があります。 このアプリを普段から利用している市原さんは、「非常に的確に案内してくれるので初めての駅やわからない駅にはすごく便利。どちらの方向に行けと指示してくれるので非常にわかりやすい」と高く評価します。 NPO法人「あなたのいばしょ」代表の大空幸星さんは、過去にQRコードを地面に貼り付けようと鉄道事業者と動いていたことがあるそうで、その際に「shikAI」の存在を知ったと言います。しかし、世間ではあまり認知されていないため、「広がらないと意味がない」と危惧。というのも、QRコードが貼り付けてある点字ブロックの上に立たれてしまうと機能しなくなるため、まずは周知の必要性を訴えます。 一方で、導入にあたっては、白杖とスマホ、両方持ちながら歩かないといけないため「両手が塞がってしまい危険」など多くの問題があり、大空さんはこれまでの苦労を鑑みつつ、「それでも実現したのは、『やってほしい』という当事者からの熱烈な声があったから」と指摘。そして、「素晴らしいロールモデルの1つなので、これはどんどん広めていかないといけない」と同アプリの普及を望みます。 ◆転落事故&自殺を減らすためにも駅にはホームドアの設置を! 視覚障害者のホーム転落事故は年々減少傾向にあるものの、2019年は61件発生。2021年1月にも都内で視覚障害者が亡くなる事故が起きています。 田中は2019年10月に京成立石駅で起きた死亡事故を取材したそうで、そこにはさまざまな要因があるものの、大きな問題点として挙がったのは「亡くなった女性が1人で歩いていたこと」、「ホームの幅が狭かったこと」、「ホームドアがなかったこと」。 この死亡事故について、市原さんからは点字ブロックの問題への指摘も。点字ブロックは突起が縦横格子状、一面25個以上など2001年に現在の規格が決められたものの、当時、京成立石駅に設置されていたのは旧型(突起41個)だったとか。これは踏んだときの感触が点字ブロックか分かりにくいそうで、現在も街中に数多く残存し、現在の規格と混在しているところもあると言います。 これには大空さんも道標としての点字ブロックの在り方に疑問を呈し、「shikAI」を視覚障害者の利用者が多い駅から導入していることに倣い、「視覚障害者がよく使うルートがデータとしてあるはずなので、ますはそこから整備していくことが必要」と主張します。 また、転落事故対策としてホームドアが各駅に設置され始めていますが、現状での整備率はJR・私鉄、地下鉄、その他含め45.7%。地下鉄の81.5%に比べ、JR・私鉄は30.8%とかなり低くなっています。 その理由の1つは、JR・私鉄は地上に駅があることが多いこと。地上駅のホームドアは風雨に耐えられる強固なものが必要なことが、普及率に影響しています。その他、ホーム自体の強度やホームドアを設置するだけの場所の確保、コストの問題なども大きく関わっています。 そんなホームドアの現状に対し、大空さんは「ホームドアは転落防止もあるが、鉄道自殺を防ぐ効果もある」と言います。現に、山手線ではホームドアが設置された2010年以降、劇的に鉄道自殺の件数が減少したと大空さん。また、東急東横線はホームドアの整備率が100%に達していることから、「行政も見習っていくことが必要。転落だけでなく、自殺を防ぐという点でも(ホームドアの設置を)進めてもらえたら」と話していました。
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