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中国経済は年内に米国を追い抜く? ほめ殺しに注意
2014年05月06日14:52
世界銀行が主要通貨購買力平価(PPP)に基づいて試算したところによると、中国は年内にも米国を追い抜き、世界最大の経済体になる可能性があるという。このニュースが伝わると、海外メディアは騒然となった。人民網が伝えた。
同報告の結論に至る考え方はこうだ。真の生活コストを推計するものとして、購買力平価は経済体の規模を比較する最良の方法とされている。基本的な原理は2つの国の商品価格を比べることだ。同行が2011年にうち出した「国際比較プログラム(ICP)」報告書が提供したデータによると、11年の人民元の米ドルに対する購買力平価は3.506元(約57円)が1ドル(約102円)に相当するというものだった。こうした統計方法を踏まえると、05年の中国の経済規模は米国の43%に過ぎなかったが、11年は86.9%に達した。さらに11年から14年の中国経済の成長率は24%に達した一方、米国は7.6%にとどまり、中国の国内総生産(GDP)は年内にも米国を超えそうな勢いだ。
中国経済の見通しについて、これまでは「撲殺」と「ほめ殺し」という2つの見方があった。撲殺派は「中国崩壊論」を吹聴し、ほめ殺し派は耳に心地よいが、撲殺と同じように大きな危害を与える。
改革開放から30数年が経ち、中国経済が達成した2けた近い高度成長は世界経済発展史の軌跡を生み出した。ここ数年は成長率が鈍化しているが、世界的にはトップレベルを維持している。経済が中くらいの高度成長というギアチェンジ期に入ったのにともない、中国は今後、質を高め、効果を高め、バージョンアップを実現する「第2段階」に入ることになる。中国経済は発展のアンバランスや不調和といった課題に直面しているが、中国「崩壊論」を声高に唱えても中国政府と中国国民を驚かすことはできない。
「中国経済が年内に米国を追い抜く」という論調は、中国の懐疑論者に大きなショックを与えるものだが、こうしたほめ殺しは人々の実際の国力に対する判断をある程度狂わせると同時に、別の下心をもった者に人民元レート引き上げの口実を与えるものだといえる。
それだけではない。PPPの計算方法には多くの先決条件がある。同じ商品の価格を比較する場合は、関連国の産業構造や消費構造が似ていること、労働生産率や貿易をめぐる条件が同じであることが必要だ。だが世界各国の経済発展モデルや貿易環境は千差万別であり、PPPの計算方法が優れていたとしても、そこでは軽視できない巨大な誤差が生まれる。
中国がいつ米国を追い抜くかが、絶えず言及される話題であることは間違いない。これについて、中国の経済学者も独自の見方を示す。13年の中国のGDPは56兆8845億元(約930兆9185億円)に達し、同年の平均レートで計算すれば10兆ドル(約1020兆1千億円)に満たなかった。同年の米国のGDPは16兆ドル(約1632兆1600億円)を超えており、中国の経済規模は米国のわずか62%ほどだ。現在の年平均7.5%の成長率では、25年にならなければ米国の経済規模に追いつき、追い越すことはできないという。経済協力開発機構(OECD)がさきに発表した予測では、中国は16年までには米国を追い抜くとしていたが、実際にはそれは難しいとみられる。
いずれにしても、米国と中国の経済規模の開きの大きさをはっきりと認め、自国に軸足を置き、世界に目を向け、国内でも国外でも経済をしっかり運営し、総合的な国力と一人あたり平均所得の水準の向上で努力を続け、国民全体が経済発展の恩恵を受けるようにし、改革の促進、構造調整、国民生活への恩恵という道をぶれることなく歩むことが必要だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年5月6日
http://j.people.com.cn/94476/8618701.html
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