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江沢民元主席 公の場に頻出は習近平主席への側面支援狙いか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140505-00000006-pseven-cn
NEWS ポストセブン 5月5日(月)7時6分配信
中国の江沢民・元国家主席がこのところ頻繁に公の場に姿を現している。江氏は、2012年11月の中国共産党大会で習近平指導部が発足して以来、ほとんど現れなかった。それゆえこのところの露出ぶりは、習近平国家主席が主導している反腐敗キャンペーンが李鵬元首相ら保守的な長老指導者の抵抗を受けているため、“愛弟子”である習氏を側面から支援する動きではないかとの見方が出ている。
江氏は4月17日、夫人の王冶平さんとともに、江蘇省揚州の風光明媚な観光地として知られる西胡で、龍を模した船に乗っているところを目撃された。揚州は江氏の生まれ故郷で、その写真が香港メディアなどによって伝えられた。
写真の江氏の顔はかつてよりも多くの皺がみられ、かなり老いが進んでいる様子だが、その口元は引き締まり、椅子に座る姿勢もしっかりとしており、かくしゃくとした様子だった。
江氏はその数日後、上海に姿を現した。香港メディアによると、江氏は親戚の自宅を訪問し、20分ほど滞在したという。そのときの動画も公表されており、門から出る際には待機していたボディガードに身体を支えられるなど体力の衰えは隠せないが、近くに集まった市民に手を振るなど、状態は良いようだ。
江氏はすでに87歳だが、これらの報道から、高齢ではあるものの自力で歩くことができ、判断能力もしっかりとしていることが分かる。
揚州や上海以外にも、江氏は冬季を海南島で過ごし、3月下旬には広東省深センに姿を現したことが確認されている。
これ以前に、江氏の動静が伝えられたのは昨年7月、上海で、キッシンジャー元米国務長官夫妻を宴席に招き、歓談したとき以来だ。この模様は中国外務省のホームページで紹介されるという、従来とは違った伝えられ方をした。しかも、引退した幹部が外国の賓客と会見しても、その事実は伝えないというのが、これまでの不文律だったが、江氏夫妻とキッシンジャー夫妻との会見に関しては敢えてタブーを破った形で、極めて異例だ。
しかも、江氏の発言が意味深だった。それは次のような内容だ。
「昨年(2012年)の共産党第18回全国代表大会(党大会)で習近平氏が総書記に選ばれ、今年(2013年)3月の第12期全国人民代表大会(全人代)第1回会議で国家主席に選出され、指導部の新旧交代が行われた。習近平氏は非常に有能で、知恵のある国家指導者だ。中国のように大きな国はあれこれ問題が出るのは当たり前で、問題が出るのを恐れることはない。かギは果断に処理することにある」
読んですぐに分かるように、習氏の能力を高く評価し、絶賛したものだった。このため、江氏が慣例を破って、習氏を褒め称える内容を公表しなければならないところまで、習氏が政治的に追い詰められているのではないかとの観測が出たほどだ。
今回の江氏の頻繁な露出ぶりも、香港を中心に「昨年来の政争なり権力闘争が絡んでいる」との見方が強い。つまり、前政治局常務委員の周永康氏が汚職に絡んで身柄を拘束され、近く逮捕され、腐敗の全容が公表されると伝えられるが、李鵬元首相ら保守派の長老幹部が「現役の党政治局常務委員とその経験者の刑事責任は問わない」との不文律を盾に周氏を庇い、習指導部の方針に抵抗しているというのだ。
このため、習氏は周氏の摘発に踏み出せない状態で、この膠着状態を打ち破ろうと、江氏が最近、頻繁に現れ、李鵬氏らを牽制しているというが、北京の観測筋は「近々周永康事件が決着するとの情報があり、責任を問うのか、問わないのかがはっきりする。いまは、その激しいせめぎ合いが展開されている」と明らかにする。
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