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中国失速の元凶 「現代の毛沢東」習近平のアナクロ指導
http://gendai.net/articles/view/news/149943
2014年5月3日 日刊ゲンダイ
「日中『再』逆転」の著者・近藤大介氏
近藤大介氏/(C)日刊ゲンダイ
先月の上海海事法院による商船三井の貨物船差し押さえは、習近平主席の「経済オンチ」を象徴しています。
いま中国に進出している日系企業は約2万3000社あり、中国で1000万人以上の雇用を生み出しているといわれます。中国の経済成長を持続していくために不可欠なのに、昨年3月に習近平体制がスタートしてから、日本敵視がより顕著になっています。
中国の役人たちはトップの顔色ばかりうかがって「日本を叩けばいい」ですから、ただでさえ中国から引き始めている日系企業を、ますます引かせている。以前なら「2年待ち」だった北京の日本人向け高級マンションも最近ではガラガラ。日系企業というだけで嫌がらせを受けるようでは、当然でしょう。
■日系企業は雇用の受け皿
中国では今夏700万人の大学生が卒業しますが、そうした雇用の受け皿にもなっている日系企業を敵に回す習主席の政権運営は、自分で自分の首を絞めるようなもの。いまや世界第2位の経済大国になった中国が、経済オンチを指導者に頂いてしまったことは不幸というほかありません。
演説に必ず「毛沢東語録」を挟み込む習主席の理想は、毛沢東時代の原始共産社会であり、自分自身が「現代の毛沢東」になろうとしている。すべてにおいて権力闘争を優先させ、独裁を強めています。それしか能力がないともいえますが。
シャドーバンキングや地方債など問題山積の中国の人民が求めているのは、35年間続いた改革開放政策を推し進めてくれる賢明な指導者で、毛沢東ではありません。習主席のアナクロニズムは“時代の要請”に逆行しているし、時代と指導者の巡り合わせの悪さが、中国経済が失速していく元凶ともいえます。
中国の歴史を振り返るに、トップに立ってから全権を掌握するまで、大体2年はかかる。習主席も、あと1年ぐらいはかかるでしょう。その後、どこへ向かうのか。読み取れない部分もありますが、そこから中国バブル崩壊、巨大不況に見舞われれば、日中「再」逆転は十分起こり得ます。
いずれにせよ、17年の中国共産党大会で、極端な保守派の習主席と、ナンバー2で改革派の李克強首相が雌雄を決することになるはず。どちらが生き残るかで、中国経済も日中関係も大きく違ってくるでしょう。
▽こんどう・だいすけ 1965年生まれ。東京大卒。09年から12年まで講談社(北京)文化有限公司副社長。現在「週刊現代」編集次長、明治大講師(東アジア論)。
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