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米国、日本などによる廃食用油のリサイクル、中国の参考に
2014年04月18日08:16
廃食用油をいかに科学的に処理するかは、世界の大都市が抱える難題となっている。一部の先進国は数十年の模索を経て、発生源の管理、プロセスの監督、販売利用などの面で整った体制を構築した。これは中国が廃食用油の回収・活用を実現する上で参考になる。経済参考報が伝えた。
◆上手な利用で産業化
米国、日本、欧州などの先進国も、1950−60年代に廃食用油の問題に頭を悩ませていた。長年の模索と改善により、多くの先進国では廃食用油が姿を消した。ドイツ、オランダ、フランス、英国、米国、日本などの国では廃食用油という廃棄物を「宝」に変えており、回収から再利用に至るまで成熟した体制を構築している。
廃食用油の回収は、主に一般家庭と飲食業界を対象とする。一般家庭の廃食用油について、日英などの国は住宅区に回収場所を設けている。日本を例とすると、住宅地には廃食用油の回収拠点が設置されており、付近の住民は家庭の廃食用油を容器に入れ、一定量に達した時に回収拠点の担当者に引き渡せば良い。最終的に、廃食用油は回収拠点から処理場に送られる。
飲食業界における廃食用油の回収はより複雑になっている。ドイツの大型レストランチェーンの地下室には、油水分離装置が専門ルームに設置されていた。この部屋の責任者によると、レストランで毎日発生するすべての捨て汁は、パイプによりこの設備に入れられるという。沈殿や分離といった6つの段階を経て、廃食用油が分離され、最終的に政府特約の企業によって統一的に回収される。
フランスでは、廃食用油回収企業はレストランの実需に応じ、それに合った油脂濾過設備、規格の異なる密閉可能な青色のポリバケツを提供する。廃食用油を回収するたびに、ポリバケツに回収の時間・場所・量・種類などを記載し、さらに廃食用油の行き先を追跡するためバーコードを貼り付ける。
エネルギー消費構造の変化に伴い、一部の先進国では、一連の技術処理を施された廃食用油が日常生活における重要なバイオ燃料となっている。廃食用油は海外で、主にバイオディーゼル、屋根の塗装、石鹸などの工業原料として使用されている。そのうちバイオディーゼルとしての使用が最も一般的だ。
◆廃食用油、法律と助成で効果的に活用
効果的に廃食用油を処理している米日独などの先進国では、主に「法律」と「助成」という2種類の手段を講じている。まず法制度を整え、分別のメカニズムを整えてから、法律を厳格に執行し、違反者を厳罰に処し、「支払えぬ代価」を支払わせる。その一方で政府は廃食用油から作られたバイオ燃料を率先して利用し、同時に回収企業への助成を強化している。
廃食用油によって作られた再生エネルギーを市場に投入するため、海外の多くの政府は加工企業に助成を行っている。日本の関西地方の環境課に務める職員は、「廃食用油回収企業が、1リットル1.5円でレストランから回収した廃食用油で生成したバイオ燃料は、日本政府が1リットル88円で高額買取りする」と語った。米国は事業税を減らすことで助成を提供しており、その基準は次のようになっている。農産物によって生産されたバイオディーゼルは1ガロンあたり1ドル、その他の原材料(回収された廃食用油など)によって生産されたバイオディーゼルは1ガロンあたり0.5ドル。
◆中国の課題と対策
専門家は、一部の先進国の廃食用油の処理に関する経験と手段は、中国も参考にする価値があると指摘した。
(1)部門の職能を統合し、飲食業のハードルを引き上げる。中国の廃食用油の回収・運搬・加工・販売などの処理は、食品薬品監督管理、都市管理、商工業、衛生、環境、交通などの各部門に関連する。職能が重なり、管理がバラバラになっているため、法執行の力が分散化している。
(2)処罰を強化し、就業者に対して抑止力を形成する。中国の「食品安全法」が定める、食品の安全を損なう行為に対する罰金は、商品価格の5−10倍のみとなっている。復旦大学公衆衛生学院教授のレイ曙光氏(レイはがんだれに萬)は、「違法レストランを閉店に追い込むという海外の手法は参考になる。違反者により多くの代価を支払わせることで、再び罪を犯す力を徹底的に断ち切ることができる」と指摘した。
(3)社会管理を革新し、社会の力により監督する。政府部門の監督管理の不足を補うため、通報者に報奨金を出すといった方法により、市民を監督者に変える。報奨金は高額の罰金の中から、一定の比率に基づき支払われる。また新聞、テレビ、ネットワークなどの世論の監督を加え、飲食業の違法行為を暴露し、市民の「敏感度」を高める。
(4)政府の助成を拡大し、企業に安定的な市場を提供する。中国の正規の廃食用油加工企業が生産するバイオ燃料は高額で、市場において競争力を持たない。多くの企業が、経営不振に陥っている。これにより、正規の企業がレストランから回収する廃食用油と捨て汁の価格は低くなっている。一部のレストランは利益に目が眩み、小規模の違法業者に高額で売りつける。この点、関連部門は科学研究を強化し、企業の技術面の難題克服を助け、効率を高め規模化を促すことができる。また、政策を制定し、政府部門の車両、清掃車などに廃食用油で作ったバイオ燃料を優先的に使用し、企業に安定的な市場を提供することができる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月18日
http://j.people.com.cn/94476/8602071.html
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