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香港「言論の自由」に危機、記者暴行相次ぐ 「一国二制度」きしみ象徴
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140407/frn1404070846000-n1.htm
2014.04.07 夕刊フジ
【上海=河崎真澄】香港で、1997年の中国返還後も保障されていた「言論の自由」をめぐる危機感が強まっている。中国や香港の政府に批判的な香港メディアの記者らが解雇されたり暴漢に襲われたりする事件が相次ぎ、反発した香港記者協会は先月まで2回にわたり、「言論の自由」を訴えてデモを行った。事件に政府側が関与した証拠はないが、香港終審法院の李国能・前首席法官(最高裁長官に相当)は先月、「言論の自由への懸念」を表明するなど、事件の背後関係への疑念をにじませた。
香港では今年に入り、民主派寄りテレビ局の新規免許申請を拒否した政府を批判した有力紙、明報の劉進図氏が1月、編集長の職を追われた上、2月に2人組に刺されて重傷を負った。
また、民放の商業ラジオに出演していた民主派ジャーナリストの李慧玲氏が2月に突然解雇された。李氏は「香港政府が解雇するよう圧力をかけた」と主張している。3月には、今年夏に創刊予定の日刊紙、香港晨報の幹部2人が、4人組に鉄パイプで襲われた。
英国から中国に主権が移った後も、言論の自由を含む高度な自治による民主主義社会が保障されていた香港。だが、今年7月で返還から17年となる中で、「一国二制度の形骸化が急速に進み、香港が“中国化”してきた」(香港紙記者)という厳しい指摘がある。
香港政府は「報道機関への干渉はあり得ない」と否定するが、テレビ局への免許発給拒否をめぐっては昨年10月、2万人以上が参加したデモが起きるなど、政府批判は強まっている。
民主派寄りの香港メディアは、香港政府トップを選ぶ行政長官選で、中国政府寄りの人物だけが候補者として間接的に選ばれる現行制度を批判。2017年の次期選挙から普通選挙に移行するよう論陣を張っており、中国政府が神経をとがらせている。
中国共産党を美化した教科書の使用や中国国旗の掲揚を求める「愛国教育」への反発も強まっている。香港記者協会は3日、産経新聞の取材に、「今後は香港の中学校で『言論の自由』を生徒に教える講座を拡大する」と強調し、「愛国教育」に対抗して民主主義社会の価値を教育する活動も行っていく方針を明らかにした。
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