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朴大統領は、崖っぷちに立たされている (AP)
【新・悪韓論】朴政権、高慢会見で支持率凋落 保守系紙まで事実上の下野要求
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150205/frn1502051140001-n1.htm
2015.02.05 夕刊フジ
霧のせいで少し見通しは悪いけれど、まぁ何とかうまく収まって…と、鼻歌交じりで歩いていたら、突然暗雲が立ち込めてきた−。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は「固定支持率4割」と言われていたのに、ガクン、ガクンと落ちた。韓国ギャラップは1月30日、支持率29%と公表した。
そして、保守系紙まで公然と反旗を翻した。どうやら、そのパーソナリティーが、彼(か)の国民をして「知れば知るほど嫌いになる」と作用させているようだ。
昨年の今ごろ、韓国の新聞は盛んに「経済革新3カ年計画」を報じていた。朴大統領が「潜在成長率4%、所得4万ドル(約470万円)、雇用率70%達成」という青写真を提起したからだ。詳細は大統領就任記念日(2月25日)に発表とされていたが、記念日に出てきたのはアクションプランなしの項目羅列集のようなものだった。
それでも、支持率は4割台を維持していた。
ほどなく、旅客船「セウォル号」が沈没した。政府の対策は後手の連続で、沈没原因の背後には「過重積載」の黙認など、汚職が蔓延していたことも明らかになった。だが、支持率はなぜか5割台に上がった瞬間もあった。
保守派の伝統的地盤である慶尚道(キョンサンド、旧新羅地域)には「支持理由は、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の娘だから」という分厚い支持基盤がある。逆に、金大中(キム・デジュン)元大統領の故郷である全羅道(チョルラド、旧百済地域)には「不支持理由は、朴正煕の娘だから」とするアンチ勢力が多い。
それでも全体としては、常に支持率4割台は固い−というのが韓国政界の常識だった。
それはセウォル号沈没当日の「空白の7時間」「秘線(密会相手)疑惑」が国会で採り上げられても揺るがなかった。
ところが、今年1月12日の年頭記者会見の後は、支持率が35%に落ち込んだ。就任2年にして記者会見をするのが2回目というのは、韓国のマスコミが「国民との意思疎通が不十分」と批判するところだ。
「閣僚とは直接会ったらどうなのか」という質問も、その脈絡で出た。「門番3人組」と言われる側近秘書官を切ったらどうなのかという意味が込められていたのだが、朴大統領は会見台の横に控える閣僚たちを見やって、「私に会いたいの」の一言でやり過ごした。大統領府広報の仕切りで「再質問なし」だから、まさに木で鼻をくくった答弁の連続だった。
この会見を機に保守系紙の論調が変わった。
朝鮮日報(1月19日)の社説「政権交代を待ちわびる韓国の経済官僚たち」とは、朴大統領への下野要求に等しい。「経済革新3カ年計画」なんて、だれか覚えているのだろうか。
朴大統領は体制立て直しを目指して1月23日、次期首相に李完九(イ・ワング)与党院内代表を指名したが、中央日報(1月27日)は「私は李完九首相に共感できない」との見出しの論説委員コラムを掲載した。
任期はまだ3年と20日ある。大統領支持率とソウルの青年層の失業率(10%台)が競い合う日も近いかもしれない。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。
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