http://www.asyura2.com/14/asia16/msg/723.html
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事情聴取のためソウル西部地裁に出頭した際、マスコミに取り囲まれる大韓航空の趙顕娥・前副社長=2014年12月17日(共同)
企業価値消失、独り負け「大韓航空」 ナッツリターン事件の無残な“爪痕”
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150115/frn1501150830002-n1.htm
2015.01.15 夕刊フジ
【ソウル=名村隆寛】大韓航空前副社長の趙顕娥(チョ・ヒョナ)被告(40、航空保安法違反などの罪で起訴済み)が、自社機内で客室乗務員のナッツの出し方に怒り、旅客機から責任者を降ろし、離陸を遅らせた“ナッツリターン事件”が、大韓航空の経営や業績など、先行きへの不安要素に浮上しつつある。
■右肩下がり続く?
韓国のナショナル・フラッグ・キャリア(国を代表する航空会社)である大韓航空は、国旗に描かれた巴マークを、旅客機の垂直尾翼に掲げている。韓国を象徴する企業として、長らく海外での知名度も高い。
ところが最近は、格安航空会社(LCC)や中国をはじめとする海外の航空会社の躍進の影響を受けており、自らが起こしたナッツ事件の影響を受け、当面は苦戦を強いられそうだ。
韓国メディアが同国の国土交通省と航空振興協会のデータとして伝えたところでは、韓国での大韓航空の国際線旅客シェアは、2012年が35・6%、13年が32・6、昨年(11月末時点)は29・3%にまで落ち、初めて30%台を割り込んだ。
乗客数も減っている。大韓航空国際線の乗客数は12年が1698万6675人、13年が1664万5952人(前年比2%減)、昨年(11月末時点)は1523万1002人(同0・5%減)。12月上旬にナッツ事件が起きたこともあり、年間でのシェア、乗客数ともに下落は必至だ。
■独り負け
日本からの観光客は激減しているものの、韓国を訪問する海外からの観光客数は増えている。中国人観光客の増加が主な要因で、韓国の国際線旅客数は昨年11月までの時点で約9%増え、5200万人に迫った。外国人観光客は韓国史上最高水準となった。
韓国の観光が“好況”であるはずの中、LCCや中国の航空会社がシェア、乗客ともに伸ばす中、国際線で乗客が減っているのは大韓航空のみ。韓国の航空7社のうち唯一、昨年(11月末時点)の乗客数が前年(同期)を下回った。まさに“独り負け”の状態にある。
ただし、これらのデータはいずれも、ナッツ事件が起きる直前のものだ。
■下がり続ける株価
事件の影響は、株価にもろに表れた。国際原油価格の下落への期待感から、他航空各社同様、大韓航空の株価は昨年12月11日に直近の3カ月では最高値の5万700ウォン(約47万円)をつけた。
ところが、同月18日までの1週間で大韓航空の株価は5%下落し、一度も上がることなく、時価総額は2兆7087億ウォンから1467億ウォン減少。親会社の韓進KALの株価も5・47%下がった。
株価はその後も下落傾向にあり、年が明けても変わらず、7日午前には4万1900ウォンまで下げた。事件の発覚から1カ月足らずで、大韓航空の株価は約27%も減ったことになる。
国旗を機体や会社のマークにあしらった韓国のナショナル・フラッグ・キャリアは、創業者の孫で三代目(趙被告)の不祥事と逮捕により、より厳しい状況に追い込まれている。
貨物輸送では、2004〜09年の6年間、世界トップの座に君臨した大韓航空だが、景気低迷で全体の物流量が減った現在、かつての栄光は影をひそめた。
■業績の前に課題山積
趙顕娥被告の父親で大韓航空を中核とする財閥、韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長は今年の新年のあいさつ(5日、一部代読)で、一連の騒動について社員らに謝罪し、「(大韓航空が)生まれ変わる機会にする」と表明。「企業文化を刷新するために、社内に有識者らも交えた委員会を設置する」と明らかにし、「非合理的な制度、慣行を変えていく」とも強調した。
趙被告はすでに、韓進グループのすべての役員職から退いた。日本流に言えば、けじめはつけたかたちではあるが、大韓航空への批判は依然、くすぶり続けている。一族が支配してきた財閥企業の風土、慣行を一朝一夕に変えることは容易ではない。業績うんぬんの前に、やるべき課題は山積している。
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