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ソウルの青瓦台で会議に臨む韓国の朴槿恵大統領(聯合=共同)
【朝鮮半島ウオッチ】“ゴールデンタイム”に入った「朴槿恵」「金正恩」 南北首脳会談の可能性は?
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150112/frn1501121121002-n1.htm
2015.01.12 夕刊フジ
日本は戦後70年の今年、朝鮮半島も「70年もの」の節目が控えている。南北にとっては光復70年(日本統治からの解放)、分断70年であり、北朝鮮は朝鮮労働党創設70年である。そんなタイミングで朴槿恵大統領は年末、北朝鮮に対話を提案、南北首脳会談にも意欲を示したが、金正恩第1書記も新年の辞で南北首脳会談に言及し、“息の合った”ところをみせた。2015年の南北関係は「分断70年目の大変革のゴールデンタイム」(韓国紙)などと呼ばれ始めたが、さて、南北首脳会談は実現する?(久保田るり子)
■任期の押し返しで政権の原動力に「統一問題」は最適、朴槿恵大統領は意欲満々?
南北高官級会談再開や首脳会談への前向き姿勢をみせた金正恩氏の「新年の辞」(1日)を受けて、朴槿恵大統領は新年、繰り返して「南北統一の実現」に向けた演説を行っている。2日のあいさつ会では「政府は統一が理想や夢ではなく、具体的な現実として実現できるよう最善を尽くして進む」と語り、6日の閣議では「早期にわれわれと朝鮮半島の平和定着、統一に向けた具体的な事業を実質的に協議すべきだ」と北朝鮮を促すなど、意欲をみせている。
朴政権は今年2月末から執権3年目に入る。5年任期の韓国大統領制の折り返し点で今年は勝負の年となる。朴政権は昨春の旅客船「セウォル号」沈没事故以来、事故処理をめぐる人心の政治離れや青瓦台人事介入疑惑などで政権への信頼度が落ちており、政権後半への原動力を欲していた。そんなさなかに北朝鮮の金正恩氏が「南北首脳会談カード」を出してきた。
金正恩氏の前向き姿勢についての韓国の分析は、「執権4年目に入ったが外交では孤立し経済難はますます深刻になっている。中朝関係も悪く、ロシアへ接近してもロシアに経済的余裕はない。難局を打開するための対南接近だろう」との見方が多い。ただ求心力回復を狙う朴槿恵政権にとっては格好のテーマだけに、「分断70年での南北関係大変革は最適、まさにゴールデンタイム」(韓国紙「中央日報」)などと韓国メディアも前のめりに報じている。
■金正恩氏4年目の正念場だが南北首脳会談には難題山積…
金正恩氏は今年、国際舞台にデビューできるのか。父、金正日氏死去から3年の喪が明け、北朝鮮最高責任者としての存在感が示せるかどうかの正念場だ。
金正恩氏の「新年の辞」の翌2日、オバマ米大統領が北朝鮮政府と朝鮮労働党に対する経済制裁の大統領令に署名した。ソニー・ピクチャーズエンターテイメントへのサイバー攻撃の報復で、これにより米政府は北朝鮮のいかなる団体、個人にも制裁をかけることが可能となった。
北朝鮮は昨年来、中国との関係も冷え切ったままで米中両国と事実上の敵対関係である。というわけで、金正恩氏の首脳会談の相手は、要人を度々派遣して接近中のロシア・プーチン大統領か、先方も乗り気の韓国・朴槿恵大統領ということになりそうだ。
しかし、現実の南北関係には懸案が山積だ。
朴槿恵大統領は「朝鮮半島信頼プロセス」という対北政策を掲げ昨年2014年は「統一時代の幕開けの年」と名付け、南北を分断する非武装地帯(DNZ)の世界平和公園とする構想や北朝鮮東北部の物流基地構想などを発表した。昨春にはドイツ・ドレスデンで「平和統一構想」を演説し、南北交流協力事務所の設置も北朝鮮に呼びかけている。ただ、いずれも北朝鮮の非核化が前提だ。
また韓国は現在、5年前の哨戒艇「天安」撃沈事件の報復として、北朝鮮に対し「5・24制裁」と呼ばれる措置を取っている最中。中身は政治家の訪朝不可、南北貿易中断、新規投資禁止、対北支援事業の保留−などだ。対する北朝鮮は「天安」事件を「韓国の謀略」として犯行を認めていない。このほか、金剛山観光開発で韓国女性が射殺された事件(2008年7月)問題も韓国側が謝罪や真相究明を求めているが、北朝鮮は放置したまま応じていない。
南北首脳会談に向けた高官協議が再開しても、(1)北朝鮮は核問題の協議に応じるのか(2)5・24措置の扱い(3)金剛山女性射殺事件の扱い−といった、双方の立場が真っ向から対立している課題の調整問題が避けられない。
朴槿恵氏が提唱している「朝鮮半島信頼プロセス」は構想実現に向け「統一準備員会」も組織され、昨年から動き出した。ただ「プロセス」の中身で核問題をどうア扱うのか、運用にどの程度の柔軟性が含まれているかなど不透明な部分がある。日本など周辺国への説明では、「対話と圧力」が基本で、関与政策に近い漸進的・段階的な統一構想とされている。
内政で閉塞(へいそく)感が漂う朴槿恵氏と、内外ともに苦境の金正恩氏は、互いの事情を値踏みしながら南北首脳会談に向け動き出すのか。朝鮮半島の2015年の見どころとなりそうだ。
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