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北朝鮮の最高人民会議に出席する金正恩第1書記=2014年4月9日、平壌(AP)
【劇場型半島】正恩氏激怒…相次ぐ幹部失踪に「中国が亡命そそのかし」「CIAが拉致」の虚偽報告とは
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20141231/frn1412311143005-n1.htm
2014.12.31 夕刊フジ
海外で勤務する北朝鮮の幹部らの相次ぐ失踪事件が金正恩(キム・ジョンウン)政権を揺るがしている。「中国が亡命をそそのかしている」との噂に加え、「米中央情報局(CIA)が拉致した」との虚偽報告まで飛び出し、金正恩第1書記が大激怒。ベテラン工作員らの強制召還を命じたという。だが、大量召還ともなれば、秘密資金を支える兵器や麻薬、偽たばこといった闇取引ルートが崩壊しかねず、国際社会に知られてはまずいジレンマを抱えている。(桜井紀雄)
■秘密資金管理者、中国代表、中南米の工作員まで
「中国当局が『金正恩氏の周辺情報を提供すれば、身辺の安全を保障する』と意図的に亡命を誘導している」
海外で勤務する北朝鮮の幹部らと接してきた複数の消息筋によると、中国在住の北朝鮮幹部らの間で最近、こんな噂が飛び交っているという。
噂の信憑(しんぴょう)性は不明だが、噂が広まる背景には、実際に海外で、幹部らによる第三国亡命とみられる失踪が立て続いている実態がある。
最も正恩政権を揺るがした事件は6月以降、ロシアで起きた。ロシア地域で、金第1書記の秘密資金の管理を担う朝鮮大聖(テソン)銀行の首席代表が秘密資金約500万ドル(約6億円)を持ったまま、極東地域で行方をくらませた。
この人物は、秘密資金を担当する朝鮮労働党39号室のロシア地域責任者という裏の顔を持つが、こともあろうに第三国に亡命を打診したと伝えられた。
党傘下機関の在中国代表も失踪したほか、中東や東南アジアでも幹部らの失踪が相次いだ。一般脱北者らとは違って、周到に逃走を準備していたとみられ、ほとんどが摘発には至っていないという。
中南米では昨年、韓国に偽装入国するために、現地の国籍を取得した工作機関、偵察総局の要員が麻薬の裏取引に使う巨額の資金を着服したまま、逃走していたことも判明した。だが、海外の幹部の監視に当たる秘密警察の国家安全保衛部が「CIAに拉致された」と虚偽報告していたことも発覚した。
■賄賂に勝てず…ミイラ取りが次々ミイラに
こうした状況に金第1書記が大激怒したという。
11月には「公館勤務者、兵器取引担当者、工作員など職責を問わず、長期にわたって、海外に勤務する要員らを全て強制的に帰国させろ」と「特別指示」を発したという。
これに先立ち、7月ごろには、海外にある公館や貿易機関に対する特別査察を指示していた。
査察団の団長として白羽の矢が立ったのは、党中枢に位置する党組織指導部の課長級だ。同部幹部は、国内の幹部人事を統括し、「現場」しかも、海外に派遣されるのは極めて異例の事態だ。
というのも、海外に派遣された幹部を監視するはずの保衛部要員が、賄賂で籠絡(ろうらく)され、失踪に結び付くような数々の幹部らの不正を見逃してきたからだ。
火の粉が降りかかってきた揚げ句は「CIAに拉致」と虚偽報告する始末。ミイラ取りが完全にミイラになっていたのだ。査察には、保衛部の不正を追及する意味もあった。
保衛部は、日朝合意に基づき、日本人拉致被害者らの再調査に当たる中心組織でもあり、再調査の停滞への影響を指摘する見方もある。
だが、派遣された肝心の査察団も海外勤務の保衛部員らからさっそく、金品を贈られたり、接待されたりして骨抜きにされ、保衛部にどこまで査察のメスが入るかも不透明だという。
金第1書記の激怒の伏線には、「ミイラ取り」たちの度重なるこんな体たらくがあった。
■海外の闇社会頼みの正恩氏のフトコロ
金第1書記は9月にも「5年を超える海外勤務者の召還」を打ち出していた。11月の指示に合わせ、海外業務担当者への外国語などの抜き打ち試験が行われ、約半数がふるいに掛けられたともされる。
「試験が苦手な50、60代を追い落とし、金第1書記と同世代の30、40代と入れ替える腹積もりだ」と漏らす海外勤務者もいるという。
その一方で、ベテラン召還に関する「特別指示」がどこまで実行されるかを疑問視する海外勤務者も少なくないという。指示が実行され、海外に散らばる裏取引の担当者らが強引に世代交代させられれば、金第1書記の秘密資金という「フトコロ」を直撃しかねないからだ。
北朝鮮の外貨獲得事業は、鉱物輸出や労働者派遣といったオモテの取引を除いて、兵器や麻薬、偽たばこ密輸など、現地政府にとっては全て憎むべき不法行為だ。
金第1書記はITにも力を入れるが、北朝鮮はインターネットを使った違法賭博でも外貨稼ぎを行っているという。
ともかく、現地のマフィアといった裏社会で、「どれだけ顔が利くか」がものをいう世界だ。こうした中、「ウラ」を担ってきたベテラン工作員や担当者を一掃する行為は、闇取引ルートの崩壊を意味する。
国際社会にとって、これほど喜ばしいことはないが、怒りに任せた強権発動が自分のフトコロを寒くすることに、若き最高指導者は、どこまで気付いているのだろうか。
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