01. 2014年12月24日 08:55:56
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米国政府の結論は出ている、 慰安婦「強制連行」の証拠はなかった 日本糾弾勢力がひた隠す不都合な真実 2014年12月24日(Wed) 古森 義久 「日本軍が女性20万人を組織的に強制連行し、性的奴隷に貶めた」という慰安婦問題に関する日本への糾弾が歴史的な冤罪であることを、何度もこのコラムでも報じてきた。実は、その糾弾が虚構であることを証明する有力な資料が米国政府側にも存在する。その事実を改めて報告しよう。 日本側でもちらほら報じられるようになったが、詳細を伝えたい。日本側としては、慰安婦問題での濡れ衣を晴らす決定的証拠の1つとして、この資料こそを対外発信の柱とすべきなのである。米国や国連でなお「日本軍は組織的に女性たちを強制連行した」と主張する側にとっては、まさに「不都合な真実」だと言えよう。 その決定的な証拠とは、米国政府によるドイツと日本の戦争犯罪に関する大規模な調査の結果である。この調査結果は「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)アメリカ議会あて最終報告」というタイトルで2007年4月に公表された。 結論を先に述べると、次のようなことが明らかになった。米国政府の各関連省庁や軍部は7年がかりの大規模な調査を実施し、「日本軍の慰安婦に関する戦争犯罪や女性の組織的な奴隷化に関連する文書」を探し出そうとした。しかし、その種の主張を裏づける政府や軍の文書はただの1点も発見されなかったのである。 これほど明確な証拠もないだろう。米国の慰安婦問題糾弾勢力がこの証拠の存在について沈黙を保つはずである。むしろこの公開の資料にあえて言及せず、その存在を隠してきた気配さえある。だからこそ、慰安婦問題の核心に触れるこの調査結果が7年も前に公表されながら、これまでの議論の過程では話題にはならなかったのだと言える。 調査対象はドイツと日本の戦争犯罪 では、なぜそれがいま光を浴びるのか。 慰安婦問題との関連でこのIWG報告の存在や意味を最近になって世に知らしめたのは、米国の著名な軍事ジャーナリストのマイケル・ヨン氏を中心とする調査班である。ヨン氏の取り組みについては当コラムの記事(「米国の著名ジャーナリスト 慰安婦問題の真実解明に着手」)ですでに報告した。 念のために改めて簡単に紹介しておこう。 ヨン氏はフリーの記者として2003年から米軍のイラク介入の前線に長期滞在し、迫真の報道と論評で声価を上げた。2008年頃からはアフガニスタンでも同様に活動し、米国内での知名度をさらに高めた。ヨン氏のレポートは「ウォールストリート・ジャーナル」「ニューヨーク・タイムズ」や多数の雑誌に掲載され、大手テレビ各局でも放映された。『イラクの真実の時』という著書は全米ベストセラーとなり話題を集めた。 それほど著名な米国人ジャーナリストが日本の慰安婦問題の調査・取材に本格的に取り組み、「米欧大手メディアの『日本軍が組織的に女性を強制連行して性的奴隷にした』という主張は作り話だ」と明確に主張するのだ。そして、「慰安婦問題での日本糾弾は特定の政治勢力による日本叩きだ」とまで断言する。 ヨン氏の主張の有力な根拠の1つとなったのが、このIWG報告である。IWG報告の基礎となる調査自体は2000年に本格的に始まった。 この調査はクリントン政権時代に成立した「1998年ナチス戦争犯罪開示法」と「2000年日本帝国政府開示法」という2つの法律に基づいて行われた。目的は第2次大戦での戦争犯罪の情報開示を徹底させることにあった。 調査は国防総省、国務省、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、国家安全保障局、米軍当局など、戦争に関わったすべての主要組織に、未公開の公式文書を改めて点検し、ドイツと日本の戦争犯罪に関する書類を発見して公開することを指示していた。 本来はドイツを主対象とした調査だったが、後から日本も含まれた。その過程では在米の中国系政治組織である「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下「抗日連合会」)が動き、日本も調査の対象に含めることを米国の政府や議会に強く要請したことが明らかとなっている。 7年がかりの調査でも文書は見つからず 7年もの歳月をかけたこの調査には連邦政府の資金3000万ドルが投入された。膨大かつ詳細な調査結果は、議会あてのIWG最終報告としてまとめられた。約160ページにのぼる最終報告によると、調査対象となった未公開や秘密の公式文書はなんと総計850万ページにおよび、そのうち日本の戦争犯罪に関わる文書は14万2000ページだったという。 日本に関する文書の調査対象は、捕虜虐待、民間人殺傷、化学・細菌兵器、そして慰安婦問題など5項目だった。それらの案件に関する文書が見つかった場合はすべて報告することが求められた。対象となった記録の期間は1931年から1945年までである。対象範囲も対象期間も実に大規模な戦争犯罪再調査だった。 慰安婦問題については、調査開始時点で以下のような指示が出ていた。「いわゆる慰安婦プログラム=日本軍統治地域女性の性的目的のための組織的奴隷化」に少しでも触れる文書が見つかれば、その内容を精査して、報告し、公表すること、という指示である。 しかし7年近くの歳月と米国政府関連諸機関の全精力を投入しても、慰安婦関連の文書を発見することはできなかった。 同報告では、発見された文書の代表例として、戦時中の日本の官憲による捕虜虐待や民間人殺傷の報告が数十件列記されていた。だが、日本とドイツの戦争行動についての850万ページの米側公式記録、さらには日本の戦争犯罪に関する14万ページの米側公式記録のなかに、慰安婦に触れた記録は1ページもなかった。慰安婦問題に関する犯罪性や強制性に触れた資料は1点もなかったのだ。 「抗日連合会」に対して弁解する調査リーダー 最終報告の序文で、IWGの委員長代行だったスティーブン・ガーフィンケル氏は調査結果について「失望」を表明していた。 日本関連の文書のなかに、慰安婦問題などに関して戦争犯罪の裏づけが発見されなかったことを「失望」と評し、これまた驚くべきことに、前述の「抗日連合会」の名前を具体的にあげて弁解の限りを尽くしていた。この事実は、慰安婦問題で日本を不当に糾弾する主役はやはり中国系の「抗日連合会」であることを示すものと言ってよい。 ガーフィンケル氏は、特に抗日連合会が代表するとされる世界各地の犠牲者、被害者たちに向けて、以下のようにも述べていた。 「世界中の多数の人々が、この調査が日本の残虐行為の文書化に役立つ記録を数多く発見するだろうと期待していた。だが私がそれらの人々に明確に伝えたいのは、IWGによるアジアでの戦争犯罪の関連記録の探索は勤勉かつ徹底をきわめた、ということだ」。それでもなお、なにも発見されなかったというのだ。 このIWG最終報告をどう解釈するかについてヨン氏は以下のように述べた。 「米国政府が全力をあげて、これだけの規模の調査で慰安婦問題について強制連行やその他の犯罪性を探索してもなにも出てこなかったということは、そもそも『日本軍が20万人の女性を強制連行して性的奴隷にした』という主張が虚構であることを証明している。日本側は、このIWGの調査と報告を材料に、アメリカ議会での決議や国連での報告の撤回を求めるべきだ」 ヨン氏の言を待つまでもなく、日本側にとってこのIWG報告の効用が限りなく巨大であることは明白である。日本の政府も民間も、自国と自国民への冤罪を晴らすために、今後はIWG報告を大きな武器として対外発信を積極的に開始すべきだろう。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42528 |