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韓国セウォル号、乗組員全員が控訴=韓国ネット「自分の命は必死で守るんだな」「処罰は船長だけでいい」
http://www.asyura2.com/14/asia16/msg/510.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 18 日 14:42:05: igsppGRN/E9PQ
 

17日、韓国メディアによると、韓国で今年4月に起きたセウォル号沈没事故をめぐる裁判で、11日に第一審判決を受けた乗組員15人全員が控訴した。これを受け、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。写真は逮捕時の船長。


韓国セウォル号、乗組員全員が控訴=韓国ネット「自分の命は必死で守るんだな」「処罰は船長だけでいい」
http://www.recordchina.co.jp/a97626.html
2014年11月18日 11時46分


2014年11月17日、韓国・聯合ニュースによると、韓国で今年4月に起きたセウォル号沈没事故をめぐる裁判で、11日に第一審判決を受けた乗組員15人全員が控訴した。

一審では、船長イ・ジュンソク被告(69)に懲役36年、ほかの乗務員には懲役5〜30年の判決が言い渡された。

これを受け、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。

「刑が軽過ぎて、納得いかなかったようだ」
「本当に人間か?死刑じゃなかっただけでもありがたいと思うべき」
「責任感も罪悪感もないんだね」

「死刑にしないと遺族の怒りは収まらない」
「検察にチャンスがやって来た。次は絶対に死刑判決を勝ち取ってほしい」
「人の命は簡単に捨てるのに、自分の命は必死で守る。見苦しい姿だ」

「検察や国民は感情的過ぎる。船長だけでいいのに、なんでほかの船員まで処罰するの?生き残った船員と乗客の罪の重さは一緒だ」
「控訴は当然の権利でしょ?公正な裁判のために国民は静かに見守るべきだ。セウォル号沈没事故は基本原則が崩れたために起こった。そのことをもう忘れたのか?」(翻訳・編集/篠田)


 

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コメント
 
01. 2014年11月19日 16:21:21 : NgZveDCB26
明治維新を契機にドイツの法律を基に作られた日本の法律であるが、以降、150年にわたり試行錯誤と判例を積み重ねできたのが現在の日本の法体系である。しかしそれでもなお、完全とは言えないのが現実であり、更なる改革が求められている。これに対して、戦後、日本の法律をコピーして作られた韓国の法律において、その運用に未熟さが残るのはある程度、致し方ないことである。しかし法理を逸脱した法律の運用が許されるものではない。日本も無関係では済まされないからである。仏像は未だに戻ってこず、放火犯の引渡しも実現せず、戦後賠償もどんどん認められている。反日無罪、事後法、国際法無視等は、他の先進国にも例があるので韓国だけを非難するのは当たらないかも知れないが、法律よりも感情を優先させる人治がまかり通る国と安心して付き合えるものであろうか。裁判がある程度、世論の影響を受けるのは日本でも他の先進国でも同じであるが、船長が逃げた、300人が死んだと言う象徴的な出来事に目を奪われ、正しい法律の適用ができないとなるとこれは問題である。敢えて、議論するとすれば、乗客を船室に留めた事実である。もし船長、乗組員が、乗客を船室に留めれば、あるいは死ぬかも知れないと言う確定的意思を持ってこれを行ったとすれば、未必の故意による殺人が成立する可能性がある。未必の故意に対しては、日本でも死刑の判例があるので、確かに死刑判決はあり得るだろう。しかし確定的意思の証明は難しく、また船長が逃げたことも命を危険を感じたとすれば、緊急退避が認められよう。韓国において、人治的な滅茶苦茶な法律の運用がなされるとすれば、日本は韓国をまともな国家として認めるべきでは無く、条約等も結ぶべきではなく、韓国に進出する企業も撤退を考えるべきであろう。条件付き降伏を無条件降伏に強引に書き換え、感情に訴えて、国際法無視、事後法により行われた東京裁判の実例をジックリと噛みしめ、2度とこのような無法行為の犠牲にならないように、国民全員が自覚し、対応すべきである。

02. 2014年11月20日 07:17:42 : jXbiWWJBCA

「早読み 深読み 朝鮮半島」
「韓国異質論」のススメ

「儒教国家群」を岡本隆司准教授と読み解く(2)

2014年11月20日(木)  鈴置 高史

(前回から読む)

 「韓国異質論」が浮上する。京都府立大学の岡本隆司准教授と考える(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

徳治はナマの人治に

鈴置:前回の「韓国はなぜ『法治』を目指さないのか」は「中国や韓国という儒教国家は徳治を理想とするため法治に重きを置かない」というお話でした。

そして、「徳治」って言葉は美しいけれど、要は「人治」ではないのですか――と私が聞いて終わったのです。


岡本隆司(おかもと・たかし)
京都府立大学文学部准教授。1965年京都市生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は近代アジア史。多言語の史料を駆使した精緻な考証で、現代の問題にもつながる新たな歴史像を解き明かす。主な著書に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会、1999年、大平正芳記念賞受賞)、『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、2004年、サントリー学芸賞受賞)、『馬建忠の中国近代』(京都大学学術出版会、2007年)、『世界のなかの日清韓関係史』(講談社選書メチエ、2008年)、『中国「反日」の源流』(講談社選書メチエ、2011年)、『李鴻章』(岩波新書、2011年)、『ラザフォード・オルコック』(ウェッジ選書、2012年)、『近代中国史』(ちくま新書、2013年)、『中国経済史』(名古屋大学出版会、2013年、編著)、『出使日記の時代』(名古屋大学出版会、2014年、共著)、『宗主権の世界史』(名古屋大学出版会、2014年、編著)などがある。(写真:鈴木愛子、以下同)
岡本:その通りです。特に今は、徳を標榜する儒教が公式のイデオロギーではないだけに、「徳治」から徳を引き去ったナマの「人治」になってしまいました。

 とは申しましても、「徳」そのものも極めて主観的なものです。為政者・指導者が「自分は立派だ」と思ってしまえば「徳がある」ことになってしまう。独善・偽善に陥って裸の王様になりがちです。

 それでは政治が無茶苦茶になります。だから法がそれをひとまず食い止める歯止めの役割を果たしました。「徳治」のシステムの中にだって一応、法律というものはあるのです。

「情理」が決める判決

「徳治」下で「法」は、どう運用されるのですか。

岡本:中国法制史の専門家の間では、法源――裁判官が判決を下す際の基準ですが――その1つとして「情理」という言葉が語られます。

 四文字に引き延ばせば「人情天理」とか「人情事理」とか言います。裁判記録でもよくこの「情理」が使われます。

 裁判で判決を下すなり、政府が何らかの政治的決定を下す際に、大多数の人々が「なるほどな」と納得できる判断を示す、これが「情理」です。

 法律の条文はこの「情理」によって解釈され、また変更もされるものです。敢えて日本語で言えば「大岡裁き」あたりになるでしょうか。

 法律の条文は、そういう考え方を支えるものにすぎないのです。ですから、法が最終的なよりどころではあり得ない。

 判決などが最終的に依拠するのは「情理」――人々が「この辺が正しい」と思う、コンセンサスなのです。それを上手にくみ上げる為政者が「徳あるリーダー」と見なされたのです。

鈴置:韓国の裁判は今でも「情理」が基本です。国民感情に合致しない判決を下した裁判官は、世間から非難の的になります。「民主化」で世論が強くなった分、ますます「情理裁判」の傾向が深まった感じがします。

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情理を知らぬ日本を世界で批判

「法は法だ。従うしかない」と、例えばメディアは言わないのですか。


鈴置:そんな記事は見たことがありません。記者も韓国人ですし、国民が激している問題でそんなことを書けば、今度はメディアが血祭りに遭うからです。

岡本:私が申し上げたのは過去の歴史の話ですが、その視点から見ると腑に落ちる言動を、現代の中韓がよくやっているのも事実です。

 「徳治」のシステムに慣れた、彼らの歴史的なクセとして考えた方がよいのかもしれません。ともかく、そういう発想の国が隣にいくつもあって、日本はつき合っていかねばならないのが現実です。

鈴置:「慰安婦問題」もそうですし、不二越や三菱重工業などに対する戦時労働者の損害賠償要求もそうです。いずれも国交正常化の際の日韓基本条約で完全に決着済みです。

 でも、岡本先生の言葉を借りれば韓国人の「情理」にそぐわなければ、結んだ条約などは関係ないのです。

韓国人はそれがおかしいと思わないのでしょうか。

鈴置:韓国の中しか知らなければ「情理」による対日要求が当然と思うものでしょう。政治的な係争に関わる裁判も政権が交代するたびに、判決ががらりと変わるのが韓国です。

 それどころか、韓国人の目には、慰安婦などで自分たちの「情理」に応じない日本は「とんでもない国」に映るのです。だから、世界中で堂々と日本を批判するのです。

中国に貢物を捧げるのが秩序だ

日本は「情理」でものごとを決める国ではなく「法治」国家なのですが……。

鈴置:韓国人は日本も儒教国家であり、当然に「情理」が通じるはずだ、と思い込んでいるのです。だから、自分の要求に応じない日本に、よけい苛立つのでしょう。この誤解が問題をさらに複雑にしています。

 司空壹(サゴン・イル)という財務部長官を務めた有名なエコノミストがいます。この人が中央日報に書いたコラム「中国と世界秩序、そして韓国」(日本語版、9月1日)が象徴的です。

 台頭する中国とどう向き合うか、がテーマです。1780年に清の乾隆帝の70歳の誕生日を祝賀するため送られた、朝鮮王朝の使節団員の旅行記『熱河日記』の話から書き起こされています。

 コラムの結論は中国とうまくやっていこう、ということなのですが、それに至る歴史観が興味深いのです。関連する部分は以下です。

燕岩(『熱河日記』の著者である朴趾源の号)は「路上で見ると、四方から貢物を捧げる車が1万台にはなりそうだ」と書いた。これは、多くの国の使節団が中国の皇帝に貢物を捧げるため、険しい道にもかかわらず競って集まる光景だ。これを通じて、我々は過去の中国を中心とする世界秩序の一面を改めて実感できる。
日本も中国にひれ伏して当然


鈴置:確かに朝鮮王朝は、明や清に臣下の礼をとって、定期的に使節を送り、貢物を捧げていました。これを朝貢といいます。

 でも、日本やロシアは清と貿易はしましたが、朝貢などはしていません。ベトナムは朝貢しながらも、国内では中華王朝と肩を並べる「皇帝」を自称し、自分の元号も持っていました。

 だけど韓国人は、日本を含めアジア全体が中国にひれ伏し、儒教を国教としていたかのように考えがちです。中国と異常に近かった韓国が特殊な存在なのに。

岡本:何と言っても朝鮮王朝は「小中華」なのです。朝鮮王朝は中国の王朝政権につき従いながら、自身を本物の中華、「本中華」と重ね合わせることで、民族のプライドを維持しました。

 儒教イデオロギーや「本中華」への崇拝は、朝鮮王朝の人々には当然の行為でありましたから、自分たちより劣る日本人だってそうに違いない、そうでなくてはならない、と今も韓国人は考えるのかもしれません。

「韓国式民主主義」を自称した独裁政権

それにしても最近の韓国は異常です。慰安婦や三菱重工だけではありません。対馬から盗んだ仏像を返さないとか、日本の首相の親書を突き返すとか、昔はしなかったようなことを堂々とします。

鈴置:原因は2つあると思います。まず、韓国の国力の伸長と日本の凋落です。「日本を超えた韓国」は日本に対しては思うことをどんどんやっていい、と韓国人は考えているのです。

 もう1つは「米国から中国へのパワーシフトが起きつつある」との認識です。世界の潮流が変わったのだ、米国の好きな「法治」などにもう気を使わなくてもいいと、どこかで思い始めたように思われます。

 反政府運動家への苛酷な弾圧で、軍事独裁と非難された全斗煥(チョン・ドファン)政権でさえ「韓国式民主主義」を自称していました。当時は米国から独裁国家と見なされ、見捨てられたら政権が破滅したからです。

 でも今は、中国側に寝返るとの選択肢もある。もちろん中国は「法治」だの「民主主義」だのうるさいことは言いません。

先祖返りする韓国

岡本:冷戦時代に北朝鮮と対峙した韓国は、生きるか死ぬかの瀬戸際にありました。その北朝鮮は中国を後ろ盾にしていました。だから韓国は無理して、米国や日本に「合わせて」いたのでしょう。

 その無理が――情理や徳治ではなく、法治であらねばならぬ、という無理が、苛酷な法律を武器に強権を振るう独裁という形をとって現われたのかもしれません。

 でも、今や韓国にとって北朝鮮の脅威が大きく減った。一方で、中国が頼るべき、かつまた恐るべき存在になった。これはあたかも王朝時代の中韓関係を髣髴とさせます。

 その時代はまさに、中韓とも儒教・朱子学が体制イデオロギーであり、「徳治」が布かれていたのです。

 そう考えてみますと韓国は「法治」を目指すよりも、先祖返りして「徳治」を重視する過程にあると言えるのかもしれません。これが韓国の国際的な地位にも影響する可能性も出てきました。

鈴置:米国のアジア専門家、ビクター・チャ(Victor Cha)ジョージタウン大学教授らが「産経起訴」に関連し、韓国に厳しい警告を発しました。まさに、その点を突いたものです。

 米外交雑誌「The Diplomat」(10月16日)の「South Korea's Attack on the Press」がそれです。以下が関連部分です。

「不可解な韓国」

外から観察すると、韓国政府のやり方(起訴)は極めて不可解(simply baffling)だ。
韓国人にとって産経前支局長への起訴は、権力の乱用とか言論の自由への毀損というよりも、彼らの大統領を侮辱した極めつきの保守の日本の新聞への正当な処罰、と映っているようだ。
2011年以降、フリーダムハウスは韓国を積極的にメディアの検閲を実施する「半自由」(partly free)の国と見なしてきた。国境なき記者団もアムネスティ・インターナショナルも、国連も同様の評価を下している。
韓国は2018年の冬季五輪を開催する。2022年のワールドカップを主催することも希望している。検閲国家と見なされることは、韓国の国際的な地位を潜在的に毀損するだろうし、少なくとも向上させることはない。
 米国のアジア専門家から「急速に経済的に台頭する中国が、米国に代わってアジア各国の新たな政治・社会モデルになるのだろうか」と聞かれたことがあります。

 米議会によって設立されたアジア研究機関、東西センター(ハワイ)が2008年1月にバンコクで開いたシンポジウムでのことです。私は韓国に関するセッションのパネリストでした。

 この質問をきっかけにセッションでは「韓国の中国化」が議論になったのですが、私は「米国人は自分の文明が韓国に根付いたと信じ込んでいるのだな」と驚いたものです。


「英と仏」以上に異なる「日と韓」

鈴置さんは何と答えたのですか。

鈴置:「確かに多くのアジアの国は、米国を模範としているかに見える。だが、韓国など中国文明の影響を強く受けてきた国は、心の奥深いところでは今も中国的な規範の下で生きている。そもそも、米国化などしていないと見るべきではないか」と答えました。

岡本:19世紀末、欧米は日本に彼らのやり方を受け入れさせました。儒教の伝統が浅く、そのシステムも身につけなかった日本は、中華圏の国々と比べ「欧米式」を受け入れやすかったのでしょう。その意味で、日本は文明的にも東アジアで孤立した国家でした。

 欧米、ことに米国の人々は日本を見て、アジア全体も時間差はあれ「日本」のようになっていく、自分たちと同じようになっていくと思い込みがちです。相変わらずの西洋中心主義ですが。

 でも「中国と日本」、「韓国と日本」は、おそらく「フランスと英国」以上に違います。長きにわたって儒教国家群をなしてきた大陸・半島と日本列島とでは、国家・社会の作られ方自体が大きく異なるからです。

 これを世界に向け説明してゆく必要があるでしょう。「徳治」と「法治」の問題なども、その1つだろうと思います。

第2の日本ではなかった

鈴置:韓国の異質性に関しては少しずつですが、世界で認識され始めたと思います。これまで韓国は「中華帝国の一部だった国」ではなく「第2の日本」と見られてきました。

 冷戦期には極めつけの反共国家で、西側に属していたからです。冷戦末期の1987年には民主国家群にも滑り込みました。西洋人――ことに米国人にとっては、自分をモデルに頑張る可愛らしい国に映っていたのです。

 ただ中国の台頭とともに、アジア専門家の間では韓国に対する違和感が生まれてきました。

 外交的に米国から離れ、独裁国家の中国に従う。そのうえ平気で言論弾圧し、法治には関心を持たない。どうやら、韓国は西欧的な国家を目指していないようだ……。

 ビクター・チャ教授らの「極めて不可解(simply baffling)」という表現は、突然に顔を覗かせ始めた韓国の素顔への驚き――異質性への当惑を吐露したものでしょう。

「脱亜論」再び

「韓国異質論のススメ」ですね。

鈴置:120年前に書かれた、福沢諭吉の脱亜論が今、注目されています。日本人が韓国から「異質さ」を感じ取ったからと思います。福沢は当時から「韓国人は西洋型の国家を作らない」と読み切っていたのです。

 中国や韓国からすれば「東洋人のくせに『徳治』も知らない日本人こそが野蛮で異質だ」ということになるのでしょうけれど。

岡本:脱亜論を唱えた福沢は中国や韓国ではきわめて評判が悪い。脱亜論的な「異質の主張」が自分たちへの侵略と化した、と彼らは認識しているためです。

 一方、日本でも「韓国異質論」は、ナショナリスティックな「日本特殊性論」として受け止められかねません。そこで内心、韓国人らに「異質さ」を感じていても言いたがらない人が多いのではないでしょうか。

 ただ「脱亜」はともかく、「異質」のありように関しては、今や誤解を避けるためにも突き詰める必要があるでしょうね。

「国の履歴書」を見てほしい

 地域研究は「地域によっていかに異なるか」はきちんと調べます。でも、なぜ、そうなったかはあまりやらない。このため、その異同がぼやけて鮮明にならないようです。

 歴史家の我田引水と言われそうですが、現時点での「異なる点」を並べて比べるだけではなく、その「来歴」も見てほしいと思います。そうしてこそ「違い」の本質が分かるのです。「履歴書」を見ないでヒトを採用する企業はまず、ないでしょうに。

 互いの共通性をはっきり確認するためにも、「違い」を十分に認識しておかねばならないと考えます。「法治」というごくありふれた言葉だけでもそうです。

 中韓と日本は現在、摩擦を繰り返しています。安倍晋三と習近平・朴槿恵(パク・クンヘ)との仲の悪さがそれを代表し、また助長してもいます。

 けれどもその摩擦は、決して政権の個性によるものだけではないと思います。歴史的にずっと潜んでいた「違い」が今、先鋭に浮かび上がってきたと見るべきです。

(次回に続く)


このコラムについて
早読み 深読み 朝鮮半島

朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は日本経済新聞の編集委員。朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141118/273967/?ST=print


03. 2014年11月21日 12:09:50 : nJF6kGWndY

韓国は、まだ前近代のレベルだが、昔の日本も似たレベルだし

最近などは、厳罰主義が、逆に強まっているかもね

http://diamond.jp/articles/-/62524

【第526回】 2014年11月21日 中島恵
船長1人に「死の償い」を求め続けた韓国世論の異常
セウォル号事故の憤怒の深奥が日本人に見えない理由
――ジャーナリスト・中島 恵
死刑は回避され懲役36年の求刑へ
セウォル号船長への異常なバッシング

 4月に韓国南西部沖で発生した旅客船セウォル号の沈没事故から半年以上が経過した10月末、乗客らへの救助措置を怠ったとして殺人罪に問われていた船長のイ・ジュンソク被告らへの論告求刑公判が行われ、11月11日に懲役36年が言い渡された。殺人罪は認められず、遺棄致死罪などとなった。同日、政府は残る行方不明者の捜索打ち切りも発表した。

 検察側は論告求刑公判で、イ被告について「船長として船に留まる義務があるのに、何の救護措置も取らずに脱出した責任は最も重い。公判で虚偽の陳述をし、一貫して反省の様子が見られない」と主張。船長らは乗客が待機していることを承知していたのに、現場に駆けつけたタンカーからの支援申し出などを無視、自分だけ先に逃げ出したことを指摘され、「(殺人の)未必の故意」があったかどうかが、裁判の争点となった。

 イ被告は、「事故当時は混乱していて、まともな精神状況ではなかった。殺人の故意はなかった」と述べたが、検察側は「乗客は死んでもいいと思った内心が確認できる」としていた。

 日本でも判決は比較的大きく報道されたが、この一連のニュースに対し、喉に何かつっかえたような違和感や、胸苦しさを覚えた日本人は多かったのではないだろうか。

 事故当時、船長が必死になって逃げ出す姿を何度もニュース映像で見て憤りや怒りを感じた日本人であっても、やはりその瞬間、彼が“殺人”までも意識していたかどうかとなると、首を傾げざるを得なかったのではないか。

 もしあのとき船内に留まっていたら、彼も亡くなっていた確率は高い。「お客様の安全を第一優先にするのが船長の責務」であることは大前提だとしても、世間がそれを船長自身に強要すること(すなわち、死ぬかもしれない危険な状況に留まることを当然と考えること)はできないはずだし、また赤の他人にそこまで言う権利はないのではないか、と思ったからだ。「もし自分があの場にいたら……」と考えると、日本人でも全員がその場に残れた、とは言い切れないだろう。

 同じ状況が日本で起きているわけではないので、あくまで想像だが、もし日本で同様の裁判があったなら、おそらく死刑までは求刑されなかったのではないか。今回の海難事故では、過積載の問題や未熟な操縦士による急旋回、海洋警察の初動対応のまずさなど、現場で様々な不幸が重なっていたことは、これまでの報道でも指摘されてきた。

 むろん、船長や乗組員の責任の重さに変わりはないが、だからと言って、彼1人に全ての責任を押しつけて事件を終わりにしていい、というのは問題にフタをしていると思うし、どうも心が晴れない。

 だから今回、韓国でも「法理的に殺人罪の適用が難しかったのは妥当。社会全体で負うべき責任」(韓国の法律専門家)とされ、殺人罪が認められなかったことに、少しだけ安堵した気がした。だが、裁判所は国民感情の高ぶりなど世論に配慮し、極めて重い36年という懲役刑にせざるを得なかったのではないか、と筆者は感じている。

船長1人を死刑にすべきではない
でもそれを口に出して言いづらい

 おそらくそうした感じ方は、韓国でも同様なのではないか。そう思い、ソウルに住む40代の韓国人女性に聞いてみると、案の定、韓国でも様々な意見が飛び交っているとのことで、彼女はため息をつきながらこう語ってくれた。

「賛否両論ありますよね。『他の不運な出来事が重なったとしても、やっぱり船長は悪い。だから死刑にするべきだ』という意見もあれば、『船長は事件全てのスケープゴートにされてしまったのだ、極刑にまではすべきでない』という意見もある。事故から時間が経って、国民も少し冷静に考えられるようになってきたと思います。でも、内心彼に対して少し同情する気持ちがあったとしても、『それを公にはなかなか口にできない』といった空気が韓国にはあると思います」

 あの海難事故によって、韓国中が強いショックを受けたことは記憶に新しい。事故後、多くの市民ボランティアが現場近くの港に駆けつけて炊き出しをしたり、神仏に救出を祈ったり、追悼行事を行ったりした。韓国国民全てが打ちひしがれ、涙に暮れた。テレビ番組などでも自粛が続いたし、レストランに繰り出して宴会を開くことをはばかる空気も根強かった。

 私がちょうどその頃に読んだ日本の新聞コラムに、記者(そのコラムの筆者)が韓国でタクシーに乗っていたところ、運転手は記者に対して「船会社や誰か特定の人の責任ではない。事故が起きた責任は、こんな社会をつくってしまった我々大人全員にある。だから、私たちはこんなにも悲しく、高校生たちに申し訳なく、やり切れないのだよ」と語った、というようなことが書いてあって、筆者はその小さなコラムにとても共感したことを覚えている。韓国人の深い悲しみが伝わってきたのだ。

何の関係もない事故や事件なのに
なぜ大統領にまで怒りの矛先が向くのか?

 ところが先日、全く別の意見を耳にしてとても驚いた。韓国では、船長の責任を問うのと同じかそれ以上に、「この事故が起きた全責任は大統領にある」「全て大統領が悪いのだ」という声が非常に大きく、また多くの国民がそれを当然だと考えている」というのである。

 確かに韓国の報道を見る限り、事故直後から大統領の責任を問う声は大きかった。朴槿恵(パク・クネ)大統領が被害者家族の元を訪れたときも、亡くなった高校生の弔問に訪れたときも、大統領に強く責任を求め、詰め寄る場面があった。

 大統領は首相を解任し、海洋警察庁の組織を解体するなど対応に追われ、鎮静化を図ったが、それでも国民の怒りは収まらなかった。国家のトップの責任は重い。それは当たり前だ。だが、日本的に想像すると、まず現場の責任者(この場合であれば、船会社や海洋警察、地方自治体など)の一刻も早い指揮・指示が必要不可欠であり、それができなかった現場が第一に責任を問われるのが、自然なのではないか。

 日本でも、東日本大震災のときに原発事故が起きて、東京電力だけでなく首相の責任が大きく問われたことはあった。だが、国家が政策で設置や稼働を決定してきた原発で起きた未曽有の大惨事と、旅客船の沈没事故とでは規模も責任の大きさも比べものにならない。

 しかし韓国では、1994年の聖水大橋の陥落、95年の三豊百貨店の崩壊、2003年の大邱地下鉄放火事件など、民間で大事故が起きるたびに、時の大統領が国民から厳しく責任を問われてきたと聞き、仰天した。

 直接的には大統領に何の関係もない事故や事件なのに、なぜ国民の怒りの矛先はいきなり大統領へと向かってしまうのか。

 大統領に全責任を問うという論理は飛躍しすぎており、日本人にはなかなか理解できない。しかも、その建造物や事件の背景となる原因ができたのは、大統領の就任時よりもずっと前であることが多いのにもかかわらず、だ。

 筆者の疑問に対して、韓国人の友人はこう解説してくれた。

「韓国で大統領の権限が異常に強いのは、王朝の時代からの朝鮮民族の伝統だと思います。高麗、朝鮮王朝は合わせて1000年にもなりますが、王様には絶対的権限と権力を与えられてきました。その代わり、巷で伝染病や飢饉、天変地異などが起きても、災いは全て王様の責任だとされてきた。この国にはそうした社会的背景と文化があり、その影響だと思います」

 韓国の歴史ドラマなどを見ていても、王様の権力が驚くほど絶大なのはよく理解できる。王様の病が治せない主治医は殺されてしまい、国家の権力が王様1人に集約され、全ての富を手中に収める代わりに、悪政を行えば無残な最期を遂げることもある。

 王様の外戚になれば権力のおこぼれに預かることができ、甘い蜜も吸えるとあって、王様に近づく両班(貴族)は後を絶たず、反対勢力と権力闘争になる。韓国の歴史ドラマが面白いのは、対立の構造が非常にはっきりしているからだ。

歴史的に続く恐ろしいほどの一極集中ぶり
現場に権限がなく対応が遅れたという理屈

 それは、現代の大統領の親族が汚職などで逮捕され、任期中に大統領がレームダック化したり、退任後に自殺したりする姿ともだぶって見える。韓国の大統領は1987年から国民の直接選挙で選ばれるようになっており、権力が一極集中することにより、ヒト、モノ、カネを手にする大統領はまさに「現代に君臨する王様」だと言える。

 その極端とも思える国家の構造が、いまだに崩れないで維持されているのは、韓国が北朝鮮と対峙する緊張状態にあるということも関係しているのではないか。北朝鮮とは休戦状態であり、決して“平和”ではない韓国では、常に安全保障が最優先課題となるため、大統領には軍の最高司令官という権限も与えられている。大統領の任期は5年で1回限りであり、再選はできないが、5年間は権力がたった1人に集中し、大統領の指示によって国の全てが動くようにできている。

 恐ろしいほどの一極集中だが、韓国では初代大統領の李承晩(イ・スンマン)の時代から大統領は絶対的な支配者だった。議院内閣制で、話し合いを重ねて、何事も調和しながら物事を決定していく日本式スタイルとは異なり、全てをトップが決めるやり方だ。

 あとを継いだ朴正熙(パク・チョンヒ)大統領も、開発独裁、権威主義を貫き、韓国経済を飛躍的に成長させ「漢江の奇跡」を実現させたが、圧政により国民を苦しめた面もあった。彼はKCIA(韓国中央情報部)の幹部に暗殺されるという、非業の死を遂げた。朴槿恵大統領はその愛娘であり、さしずめ“現代版の王女様”と言えるかもしれない。

 韓国の大型書店は日本の書店と非常に雰囲気が似ているのだが、そこには数多くの「大統領」にちなんだ書籍が並べられていて、日本との違いに驚いたことがある。大統領の伝記や手記、子ども向けの読み物として大統領を紹介するものなどもあり、大統領についての情報はとにかく多い。

 ハングル文字をつくった朝鮮王朝4代目の世宗(セジョン)大王などは、今でも幅広い年代から尊敬されているし、米国映画によくあるように、韓国映画でもしばしば韓流スターが「王様」役や「大統領」役として登場する。それだけ国のトップは身近な存在であり、その一挙手一投足が注目される。そういう意味で、国民の政治意識は日本よりもずっと高いのだろう。

 だから、何かにつけて大統領に責任を押しつけてしまうという昔ながらの傾向は、なかなか変わらない。沈没事故の際も、コントロールタワーであるトップが動かない以上、地方は動けない。いや、動きたくても権限がないから動きようがなかったのだ、と韓国人の友人は弁明する。

民主化の歴史が浅い激動の韓国では
社会に様々な歪みが生まれてしまった

 それにしても、先進国の韓国で、あの緊急時にそこまで社会が硬直化し、身動きもできないほど国が脆弱だとは、にわかには信じがたいことだ。だが、奇しくも筆者がかつて書いた記事でも指摘した通り、常に上からの指示待ちに慣れてしまっていれば、「自分の頭で考えて、行動する」ということが身についていなかったことも考えられる。

 日頃メディアを通して見る韓国は、サムスンに代表される財閥企業が世界に躍り出ているし、ソウルの繁華街では若者が楽しそうに歩いている。筆者もこれまでに何十回も韓国を訪れているが、表面的に街を見て歩くだけなら、日本とほとんど変わらないように見える。中国と比べて、街の様子や人の顔がさらに日本と非常に似通っているので、違和感を覚える日本人は少ないと思う。

 だが、考えてみれば、韓国は民主化してからまだ30年も経っていない。朴正熙の開発独裁の後も軍事政権は続き、1980年には光州で流血の民主化運動が起きたが、民主化はなかなか達成されなかった。

 その後、韓国経済は88年のソウルオリンピックを境として飛躍的に伸びたが、97年には通貨危機でIMF(国際通貨基金)の管理下に入るなど、振り返ってみると、韓国人にとって平穏な時期は非常に短かった。その影響もあって、社会に様々な歪みが生まれてしまった。

非正規社員が30%、就職浪人は57万人以上
スペックが悪いとそれだけで“負け組”に

 先進国の中で、韓国の自殺率は第1位だ。受験戦争は中国と並んで年々熾烈さを増しているし、TOEICで900点以上取っても、韓国経済の中心であるサムスンなどの大手財閥企業に入社するのは極めて困難だ。2011年の韓国統計庁の調査によると、韓国の非正規社員の割合は34%で、就職浪人は57万人にも上る。

 韓国では「スペックが大事」だとよく言われるが、容姿、スタイル、頭脳、家柄、出身大学、出身地、コネによって人は差別され、「スペック」がよくないと、それだけでスタートラインにも立たせてもらえず、“負け組”にカウントされてしまう。

 新羅、百済、高句麗などの三国時代から続く地域差別や身分制度も、いまだに根強く残っていて、韓国人をがんじがらめにしている。極端な表現をすれば、財閥グループや公務員か、それ以外か。ソウル大学など一流大学出身か、それ以外か。ソウル在住か、それ以外か。そういった息苦しいまでの差別があるのが、韓国なのだ。そこで勝ち組になれなかった人は、人生に絶望してしまいがちだ。

 沈没事故の船長も非正規職員だった。あの船会社の職員の多くは待遇が悪く、勤務体系もキツかったという。船長は社会の弱者であり、大多数の韓国国民にとって、実は彼の姿こそ「鏡に映った自分の姿」だったとは言えまいか。

 聞くところによれば、犠牲者を多く出した檀園高等学校がある安山市は、工場労働者など比較的低所得者層が多く住む町だったという。ある韓国人は声をひそめながら、こう語ってくれた。

「ここだけの話ですがね、もしあの船に乗っていたのがソウルの江南(高級住宅地)にある高校の生徒だったら、政府の対応は少し違っていたかもしれません。親が金持ちで社会的地位の高い人たちですからね。悲しいことだけれど、これが現実なんです」

 私はこの記事を書くことによって、韓国がいかに日本とは違う国で、理解しがたい国であるのかを言いたいのではないし、韓国を蔑むことを目的とはしていない。「これだけ距離的にも文化的にも近い国でありながら、日本人は韓国のことをこれほどまでに知らず、無関心だったのだ」ということを、この記事を書きながら改めて思い、自分自身も反省した。

 日本人が代表的な韓国人の名前を挙げるとするならば、朴槿恵大統領とペ・ヨンジュンの2人くらいしかいないかもしれない。だが、韓国人に日本人の名前を挙げてもらったとしたら、安倍晋三首相をはじめ、村上春樹など様々な人の名前が挙がるはずだ。それくらい、日韓の温度差は大きい。

「韓国では大統領の権限がここまで強いのだ」ということをもっと日本人がよく理解していたら、日本の大衆メディアで一国の大統領をあそこまでこき下ろすセンセーショナルな見出しをつけることが、どれだけその国の人々の心を傷つけているか、わかるだろう。

 旅客船沈没事故は韓国人の心だけでなく、隣国で事件を真近に見た日本人の心をも深くえぐるような悲しい事件だった。日本でも非正規社員数は韓国に迫るほど増加しており、日本と共通の課題も多い。私たちは事件を「他人事」で終わらせてはいけないし、風化させてはいけないと思う。当時、日本の海上保安庁が救助できなかったことについて様々な意見が飛び交ったが、国家間の関係が悪化すれば、それは国の問題だけに終わらず、必ず国民にも何らかの形で悪い影響を及ぼす。

お互いに怒って思考停止に陥るべからず
沈没事故で考える韓国との付き合い方

 中国と日本との関係でも同様だ。私の記事を読んだ日本人読者の中には、「中国人の中にはいい人もいるだろうけれど、中国の政治体制が悪いから、とにかくあの国はダメなんだ」と一刀両断にする人がいる。しかし、筆者はその考え方には賛同できない。

 なぜなら、国家とは血の通った人間1人ひとりによって成り立っているからだ。そして中国も韓国も、日本以上に世論を重視している国だからである。「世論が変わればいつか政治も変わる」というのが、私の持論だ。

 だから、私たちは隣国の人々がなぜあのような行動を取ってしまったのか、その行動の背景に関心を持つべきであるし、また逆に日本のことや、日本人にも関心を寄せてほしいと思う。そうすれば、ただ感情に任せて「あの国の人はこれだから、まったく……」とお互いに怒り合って思考停止してしまうのではなく、どうやったらその社会をよい方向へと変えていけるのか、一緒になって冷静に考えることにつながるのではないだろうか。日本人はもともと「相手の立場に立って物事を考える」ことができる、優しい民族であるはずだ。

 韓国ドラマを見ていると、歴史ドラマであれ、現代ドラマであれ、様々なシーンに「日本」は頻繁に登場する。それくらい韓国人にとって、日本は身近で特別な存在だ。双方がそのことを自覚することによって、もっと見えてくるものもあると思うのだが、どうだろうか。

「韓国船沈没事故」の判決を見て、筆者はふとそんなことを考えさせられた。


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