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3日、ソウルの青瓦台で会見したオランダのウィレム・アレクサンダー国王(左)と朴大統領(ロイター)
【緯度経度】歴史的同志? オランダを急に礼賛し始めた韓国の不思議 ソウル・黒田勝弘
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20141117/frn1411170846001-n1.htm
2014.11.17 夕刊フジ
オランダのウィレム・アレクサンダー国王夫妻が日本訪問の後、韓国を訪れた。韓国に王室はないし歴史的にオランダと特別な関係があったわけでもない。あえて関係を探れば、2002年の日韓共同開催W杯サッカーで韓国をベスト4に導いたヒディンク監督がオランダ出身だった。このため当時、にわかにオランダへの関心が高まった。
その後、これに便乗するように17世紀中ごろ船の事故で韓国に漂着し13年間、抑留されたオランダ船の乗組員ハメルらの話が浮上し各地に観光用の“ハメル記念施設”ができた。ハメルは迫害を逃れて脱出に成功し日本に保護された。後にその体験を『朝鮮幽囚記』として書き残したことで知られる。
韓国とオランダのかかわりはそんな程度だが今回、国王の日韓訪問には異様(?)な関心を示した。
まず国王が日本での宮中晩餐(ばんさん)会の際、戦時中の日本とオランダの過去に触れたことに飛びつき「オランダ国王、日王の前で“心痛む過去を忘れずにいる”と発言」などと大々的に報道した(10月31日付、朝鮮日報)。
さらにその後、韓国を訪れたオランダ国王に対し朴槿恵(パク・クネ)大統領が日韓関係に触れ「歴史認識の問題が懸案になっており、とくに慰安婦問題の解決に努力している」などと述べたことも大きく伝えた。
つまり韓国にとってオランダは急に“歴史的同志”になったのだ。
オランダは戦時中、日本軍によって植民地支配のインドネシアから追い出されたが、その後、民間人収容所にいたオランダ女性が慰安婦として日本軍の現地の将校らに連行された事件があった。上層部は軍の方針に違反したとして慰安所を閉鎖し、関係した日本軍人は戦後、戦犯として有罪判決を受けたが、韓国はこの慰安婦問題に目を付け“同じ被害国”としてオランダを持ち上げているのだ。
オランダはヨーロッパではナチス・ドイツに支配され「アンネの日記」のようなユダヤ人迫害が起きている。韓国マスコミはそのことを紹介しながら今回のオランダ国王の対日発言をこう論評している(11月1日付、東亜日報)。
「オランダはナチに融和的だったことを大いに恥じている。恥を知るオランダが恥を知らない日本に訓戒を与えた」
韓国は「戦後のドイツは反省しているのに日本は反省していない」と日本に対し「ドイツに学べ」とよくいうが、今度は「オランダに学べ」と言いだしたのだ。「ええっ?」である。
オランダは300年以上もインドネシアを植民地支配したが、そのことで明確な謝罪も補償もしていない。植民地支配を恥じたことなどない。またインドネシアがその過去の歴史について、オランダに何かグズグズ要求し続けているという話も聞いたことがない。
韓国は過去、日本に植民地支配されたとして「その被害者の気持ちを知るべきだ」とし「謝罪と反省」を言い続けてきた。それがオランダと“歴史認識”が一致するかのようにほめているのだ。インドネシアが知れば驚きあきれるだろう。
韓国は同じく植民地だったインドやインドネシア、ベトナムなどとの比較を避けたがる。日本からすれば逆に韓国に対し「インドネシアを見習ったらどうか」と言いたいくらいだ。日本非難さえできれば何でも飛びつくが、今回のオランダ礼賛もその歴史認識のいいかげんさを物語るものだ。
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