http://www.asyura2.com/14/asia16/msg/395.html
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14日付の朝鮮労働党機関紙、労働新聞が掲載した、つえを突きながら住宅などを視察する北朝鮮の金正恩第1書記(聯合=共同)
【朝鮮半島ウオッチ】40日ぶり登場「金正恩」、くすぶる「権力不安説」 北朝鮮内部で何が起きているのか
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20141019/frn1410191907005-n1.htm
2014.10.20 夕刊フジ
北朝鮮は金(キム)正(ジョン)恩(ウン)氏ついて40日ぶりの活動を写真で公表し、国際社会に拡散していた“異変説”はいったん沈静化した格好だが、金氏の権力掌握度への疑念は依然、消えていない。この間、北朝鮮には新たな実力者が登場、最高幹部が韓国を電撃訪問するなどの変化があった。だが内政にも外交にも金正恩氏の影は薄い。北朝鮮内部では何が起きているのか?
(久保田るり子)
■金正恩氏の動静をめぐる最大のナゾ
朝鮮労働党機関紙「労働新聞」や朝鮮中央通信が「金第1書記が平壌に完成した科学者向けの住宅団地を視察した」と金氏の動静と写真を日付なしで報じたのは10月14日だ。つまり紙面は13日に編集されている。通常、動静報道は前日か前々日の活動であるため、写真の視察は10月11日か12日の活動とみられている。
では10月10日、金正恩氏はなぜ、出てこなかったのか。この日は北朝鮮にとって年で最も重要な祝日、朝鮮労働党創建記念日だった。金正恩氏は例年、金日成、金正日の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を訪問してきた。だが、今年、金正恩氏の姿はなかったのだ。
最高指導者が国家の慶事の記念日に現れず、翌日に団地視察とはあまりに不自然だ。金氏には党の記念日に出席できない理由があったはずである。
■金正恩氏は本当に権力を掌握しているのか−拭えない疑念
金正恩氏が足を引きずるようになったのは今年7月。そして9月3日の公演観覧を最後に動静が途絶えた。以来、9月9日の建国記念日、同月25日の最高人民会議、そして10月10日の党創建記念日の行事すべてを欠席した。この間、最高人民会議で黄(ファン)炳(ビョン)瑞(ソ)総政治局長が国防委員会副委員長に選出され、政権中枢でもずば抜けた実力者の地位に就いた。
金正恩氏の不在が長引くにつれ、痛風、脳の異常などの健康不安説、軍事クーデター説、拘束説などさまざまが取り沙汰されてきた。「北朝鮮に対する外部社会の不安が噂を作り、その噂が不安をあおる悪循環だった」(韓国紙)
米韓両国は、北朝鮮の内部監視のため衛星や通信傍受で北朝鮮の兵力異動や通信量をみている。現状では韓国政府、米政府も異変説には否定的だ。現在の最も有力なのは「初夏、現地指導で右足首にけがを負い、放置しておいたら両足首にヒビが入った。9月中旬に特権階層向けの病院で手術を受け、目下リハビリ中」(朝鮮日報)との説だ。
だが、それでも「北朝鮮の変調説」は消えていない。北朝鮮に詳しい韓国の消息筋は産経新聞にこう証言した。
「クーデターは起きていないが金正恩はすでに権力を喪失しているようだ。けがをしたとされる現地指導が金正恩氏への攻撃だった可能性もある。彼が一カ月以上執務しなくても障害がないのは、党組織指導部はじめとする権力層が集団で統治し、政権を動かしているからだ」
そしてこう付け加えた「クーデターを起こしたいのは金正恩の方ではないのか?」
■黄炳瑞・朝鮮人民軍総政治局長、崔(チェ)龍(リョン)海(ヘ)・朝鮮労働党書記、金(キム)養(ヤン)建(ゴン)・朝鮮労働党対南担当書記の3要人電撃訪韓のナゾ
最高指導者不在のなか北朝鮮から今月4日、黄炳瑞・軍総政治局長ら3要人が異例ずくめの電撃訪韓を行った。彼らは韓国に前日に通知し、翌朝、特別機で現れ、夜には帰途についた。たった12時間の滞在だった。仁川アジア大会閉幕式出席の名目だったが、形式や儀典にこだわる北朝鮮にしては、あまりに安易で目的が不透明なのだ。
北朝鮮の軍総政治局長の訪韓は1950年の朴(パク)憲(ホン)永(ヨン)氏以来、60年ぶり。黄氏は国防委員会副委員長も兼職しており、序列からいえば過去に訪韓した北朝鮮要人の最高位だった。ところが黄氏は金正恩氏からの親書も口頭メッセージも持参していなかった。
3人は韓国側の用意したウナギや松茸、アワビやロブスターの昼食コースを食し、統一相らと懇談して帰った。3人の訪韓で高位級会談を再開することが決まったが、先行きは不透明だ。そもそも、高位級会談は板門店の電話通知でも提案できる。
韓国で疑問視されているのは(1)金正恩専用機の特別機を利用し、金ファミリーの特別警護部隊である護衛総局の要員を同伴してきたこと(2)3要人の口から金正恩氏への「神格化」や「敬愛」「感謝」などの言及はほとんどなかったこと(3)3要人訪韓について北朝鮮メディアの宣伝がほとんどなく、3人訪韓の事実報道しかなかったこと−などだ。
前出の消息筋はこう述べる。
「特別機や護衛総局は首領の独占物で北朝鮮幹部はたとえ、配慮で使用を許可されても“忠誠心”から固持するのが普通だ。また代表団が金正恩氏の神格化宣伝を行わないなど、忠臣の道に背く行為に等しい。北朝鮮のアジア大会選手に金正恩氏の伝言を伝えないことも異例だった。狙いは自分たちの権力の誇示だったようにみえる」
要人が平壌に戻った3日後の7日午前、海上の北方限界線(海上の軍事境界線)を北朝鮮の警備艇が超えて韓国側に侵入、一時交戦状態になった。さらに10日には、韓国民間団体が北朝鮮に向け飛ばした北朝鮮体制批判のビラに、北朝鮮は高射機関銃を撃ち込んで対応している。
ナゾを呼ぶ金正恩体制の変調が続いている。
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