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印日両国は相互利益のために接近し合う(DW English)
http://www.asyura2.com/14/asia16/msg/221.html
投稿者 無段活用 日時 2014 年 9 月 13 日 22:24:50: 2iUYbJALJ4TtU
 

(Mutual interests bring India and Japan closer together)
http://www.dw.de/mutual-interests-bring-india-and-japan-closer-together/a-17897608


2国間関係


印日両国は相互利益のために接近し合う


ナレンドラ・モディ印首相は、南アジア以外への初の主要な外遊となる5日間の日本訪問を終えた。DWはこのアジアの2民主主義大国間に育ちつつある経済・軍事関係を概観する。




日印両国は共にアジアで最も歴史ある民主国家で、いずれもアジアの3経済大国の一角だ。この両国の関係は地域と世界における「平和・安定・繁栄をもたらす力となるだろう」と、ナレンドラ・モディ印首相は9月1日、就任以来初の本格的な外遊となる5日間の日本訪問中に述べた。

日本訪問の日程を1日追加して8月30日から9月3日までと延長したことで、モディ氏は印日関係が彼にとって非常に重要なことを明確に示したと、専門家たちは語る。

また、インド首相は地元の学校や歴史的な場所を訪問することで日本の世論を勝ち取ったのは確実だと、ワシントンに本部を置くウッドロー・ウィルソン・センターの北東アジア専門アソシエート、後藤志保子氏は語る。しかし、この2国間関係はいかなる広報活動を以てもとても伝え切れないほど重要な意味を持つと、彼女は付け加えた。

モディ氏と安倍晋三・日本首相にとって、印日間の貿易・投資を増やすことは戦略的な優先課題の1つとなっている。2013年、印日間の商取引は総額158億米ドルと比較的低調だった。同時に、日本からタイ・シンガポール・インドネシア・ベトナムなどへの外国直接投資(FDI)はインドへの投資を上回った。しかし、これは直ちに改められるべきだと両指導者の意見が一致している。


日本はインドに、インフラ開発のために数億ドルの供与を約束するとともに、高速鉄道などの分野で協力を申し出た。


約束

安倍氏は印首相との首脳会談の後、投資と融資の形でこの南アジアの国に約335億米ドルの資金を供与すると約束した。同様に、彼はインフラ開発のために4億8000万米ドルを供与し、あわせて、日本の対印直接投資とインドで事業を行う日本企業数を今後5年間でそれぞれ2倍にすると約束した。安倍氏はまた、原子力や高速鉄道などの分野での協力を申し出た。

同じ機会に、モディ氏は印日貿易簡素化のために首相府に専門チームを置くと発表した。2日、彼は東京にある日本の財界団体に講演し、インドは「煩雑な手続きでなく丁重さ」を以て、このアジア第3の経済大国に拠点を構える選択をする日本企業を迎えたいと述べた。

日本のシンクタンク「東京財団」の政治アナリスト浅野貴昭氏は、モディ氏の強力な指導スタイルに財界人の多くが感銘を受けたと、DWに述べた。それでも、貿易・投資双方の障壁を簡素化するという意味で、モディ氏の巧みな言葉が現場でどれだけ実際に機能するかはまだ不透明だと、その会合に出席した浅野氏は述べた。


経済の相乗効果

また、インドに生産拠点を移したいと考える日本企業の数はすぐには増えないかも知れないが、長期的には、この南アジアの国は広大な市場と多数の熟練労働力を持つため、好ましい投資先になる可能性があると、このアナリストは強調した。


モディ氏は、インドは「煩雑な手続きでなく丁重さ」を以て、この南アジアの国で事業開始を望む日本企業を迎えたいと述べた。


専門家たちは、両国の経済には相乗効果があると強く考えている。インドは労働賃金が安く、一方、日本は先進的な科学技術と生産工程を持っているが人口が減少しつつあると、ニューデリーに本部を置く政策研究センターの政治アナリスト、バーラト・カルナド氏は説明する。この共生関係が成立すれば、「インドは速やかに、1980年代始めからの中国の立ち位置だった、世界の『工場』に変わる」だろうと、彼はDWに語った。

経済関係の他にも、両国は地域において影響力と攻撃的性格を強めつつある中国の挑戦に立ち向かっているため、多数の共通の利益がある。両国とも中国との領土紛争が進行中だ。中国はインドのアルナーチャル・プラデーシュ州の大部分の主権を主張しており、一方で、東シナ海上のある諸島の主権に関わる日本との苦々しい紛争の当事者となっている。

日本は隣国・中国と緊張状態にあるので、日本の政治家も財界人も日印両国の密接な関係を歓迎していると、北東アジア専門家の後藤氏は述べ、あわせて、日印両国は協調することで、中国によるアジア支配という構想に挑戦するために有利な立場を得たと付け加えた。


防衛関係

印日両国の軍事協力が拡大する見通しがついたことは特に注目に値すると、後藤氏は強調した。会談の間、モディ氏と安倍氏の双方は戦略的関係を強化することと、水陸両用機をインド海軍に販売する可能性について交渉を加速することに合意した。

「日本のインド向け武器輸出はすでに機が熟している。これは日本が自信を深めている表れであり、第2次世界大戦の罪をこれからも抱くのは嫌だという思いを強めつつある表れでもある」と、アナリストのカルナド氏は述べた。

一方、インドは中国が現在市場を支配しているレアアースの日本向け輸出を間もなく許可する見込みだと、後藤氏は指摘した。日本の主力輸出産業である家電製品や自動車など、コンピューターシステムを有するほとんど全ての製品の生産にレアアースは必要だ。

東シナ海上の係争中の島々の近くで中国漁船が日本の巡視船に衝突したために、2010年9月、中国はレアアースの日本向け輸出を制限した。それ以来、日本政府は代替供給元を探す試みを続けている。

しかし、前評判がかなり高かった両国の民生用原子力交渉が決着しなかったことで証明されたように、印日連携にも限界はある。交渉では「目覚ましい進歩」があったと安倍氏とモディ氏は主張したが、協定は1つも合意しなかった。

原子力貿易は、このアジア2国間の経済関係の中心ではなく、今後もならないだろうとカルナド氏は考えている。彼の説明では、インドの原子力計画は同国が独自に開発したプルトニウム燃料サイクルに基づいて運営されるが、日本の計画は濃縮ウランを燃料とする原子炉に基礎を置く。そのため、「この2つの計画に重なる部分はない」とカルナド氏は付け加えた。


戦略的に重要

しかし、こうした関係は戦略地政学的に際立って大きな重要性を持つと、この専門家は見ている。「両国はこの大陸の両端で強力な経済と強大な軍事力を持っているので、中国の軍事力拡張を阻止することが可能であり、またそのため、攻撃的な姿勢・行動によってアジアを支配したいとする中国の野望・計画を閉じ込めることが可能だ」と、彼は自論を述べた。

しかし、この印日両国の接近を中国は看過しなかった。中国は日印両国の関係強化について既に失望を公表し、日本は中国とインドを分断しつつあると非難したと、アナリストの後藤氏は述べた。


モディ氏と安倍氏は戦略的関係を強化することと、水陸両用機をインド海軍に販売する可能性について交渉を加速することで合意した。


インドは、日本とは戦略・軍事関係よりも経済関係にずっと強く注力したいと考えていると、東京財団の浅野氏は指摘する。事実、商取引の面では日印関係よりも日中・印中それぞれの関係の方が良好だ。例えば、2013年のインドの対中貿易額は655億米ドルに上り、対日貿易額の3倍となっている。

それでもなお、アジアの主要な2民主主義国家間の密接な関係は、「軸足をアジアに移したいとする米国の戦略が財政的・政治的制約の高まりに直面しつつあると同時に、地域の外側で紛争が激化する一方であるいま、米国に安心感を与えている」と後藤氏は見ている。



発表 2014年9月3日
記者 Srinivas Mazumdaru
関連テーマ アジア太平洋経済協力(APEC)アジア
キーワード アジアインド日本ナレンドラ・モディ安倍晋三




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(投稿者より)

ドイチェヴェレの英語サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

記事はインド首相の日本訪問の成果を踏まえた、日印2国間関係の将来の展望について概観しています。

今回の訪問について、IRIB(イラン)とVOV(ベトナム)が自局サイトに記事を掲載しています。特に、ベトナムが記事を出したという辺り、今回の訪問への地域の関心の高さを伺わせます。


 

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コメント
 
01. 2014年9月16日 11:47:31 : nJF6kGWndY

出遅れたインドは、自由選挙の歴史は古いが、さらに古いカースト制がある

当面は、中国のような、高い成長は期待できないだろう

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970203773004580155062101140690?mod=trending_now_3
インドはどの程度中国から遅れているのか 
By RAYMOND ZHONG
原文(英語)
2014 年 9 月 15 日 13:44 JST

ブラジルで7月に開かれたBRICSサミットで握手するインドのモディ首相(左)と中国の習主席 Agence France-Presse/Getty Images
 【ニューデリー】インドは、数年前には一部で中国を抜いて新興国の勝者になると予想されたが、今では経済発展がそれほど力強くないようにみえる。

 だが、一つの重要な要素を考慮すれば、中国とのレースはもっと伯仲しそうだ。それは、中国が13年前に経済を開放し企業に経営の自由を与え、経済大国化に向けて先行スタートを切ったことである。インドは、輸出、設備投資、外国投資の面で、2001年の中国と驚くほど似ているのだ。

 そのことは、3年間にわたった低成長と高インフレから立ち直ったインドに、慰めと不安をもたらすだろう。慰めは、インド経済は数年後には中国のような成長軌道に乗る可能性がまたあるということである。一方不安は、出遅れた結果インドは中国にブームをもたらした大きな利点を手にする機会を逸した可能性があるということだ。

 インドのモディ新首相が中国の輸出・投資主導の成功をまねようと懸命になっていることから、特に不安については考察してみる価値がある。中国の習近平国家主席が今週インドを訪問する際には、見慣れた経済再生のレシピに遭遇するだろう。インドは輸出促進を掲げ、今後5年間にインドの世界貿易に占める比率を50%高めることを目指している。

 モディ首相は、高速鉄道やスマート・シティの建設を公約し、経済特区の新設に乗り出そうとしている。モディ氏は、企業が国家の指令や支援でどのような恩恵を得られるか、中国からヒントを得ようとしているようだ。

 だが柳の下に2匹目のどじょうはいるのか。先行者に遅れてスタートすることの問題は重要なポイントになり得る。中国の高度成長への種は、トウ小平が改革開放政策を開始した1978年にまかれた。インドにとっての経済の離陸は企業の生産、輸入規制を撤廃した1991年だった。その後、両国は驚くほど似通った道をたどってきたようにみえる。経済自由化の後、輸出や外国投資、設備投資などは同じようなテンポで拡大した。

 だが違いもある。中国の経済成長はインドに比べはるかに製造業主導だった。インドは、ソフトウエアや企業のアウトソーシングなどサービス部門がエンジン役となっている面が強い。しかし、インドが中国と同じ道をたどろうとするならば、中国の最近の戦略を単にまねる以上のことをする必要がある。

 現在、低コストの製造業は成功を約束するものではなくなっている。インドは遅く到着したため、競争相手がひしめき合っている。バングラデシュは衣料、フィリピンはエレクトリニクス、タイヤベトナムはコンピューター部品をそれぞれ製造している。

 コーネル大学のエスワー・プラサド教授(経済学)によれば、もう一つの問題は、現在インドは通貨安で輸出を拡大できないことである。中国などこれまでアジアで成功した国と違い、インドは資本規制がかなり撤廃されており、ルピーは世界市場に合わせて変動する。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)による異例の量的金融緩和が縮小に向かっていることもある。

 だが、モルガン・スタンレーのエコノミストであるチェタン・アーヤ氏によれば、インドの経済的な強みは、若年層の人口が多いことだ。中国国民の年齢の中央値は30歳なのに対し、インドは27歳だ。

 しかし若年層の教育では、中国がインドよりはりかに先行している。識字率をみると、2011年のインドの水準は、1990年の中国にも達していなかった。成人の学校教育平均就学年数では、13年のインドは1985年の中国と同じ。インドは健康や衛生、平均寿命でも、同じように数十年も中国から遅れている。

 こうした基盤が確立していなければ、経済大国は生まれないものだ。


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