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アジア大会の開閉会式が行われるメーンスタジアム=韓国・仁川(共同)
【新・悪韓論】盛り上がらぬ仁川アジア大会と韓国経済の暗い影 朴大統領は怪気炎…
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140911/frn1409111140001-n1.htm
2014.09.11 夕刊フジ
朝鮮半島の秋夕(チューソク)とは、簡単に言えば日本のお盆だ。陰暦の8月15日(中秋節)であり、韓国では前後3日間が祝日になる。今年は9月6〜8日がそれに当たった。
秋夕に先立ち、大統領がメッセージを出すのが恒例で、朴槿恵(パク・クネ)大統領も5日、自身のフェイスブックにメッセージをしたためた。
いわく、「韓国経済を再びもり立てて、皆が幸せに暮らせる国をつくるよう、私も最善を尽くす」。
めでたい秋夕に向けたメッセージというのに、韓国経済が落ち込んでいて、国民が幸せでない状況認識を語っているように思える。
それは、そうだ。旅客船「セウォル号」が沈没してからというもの、2人の首相候補が罵声の中で葬られたことに象徴される政治の混乱は、まだ続いている。
朴氏は「国軍の名誉」という言葉が好きなようだが、いま陸軍では、いじめが大問題になっている。前線での乱射事件も「いじめの報復」が理由だった。いじめを苦にした自殺兵も相次ぎ、いじめ殺人まで起きた。
さらに、中部から東部戦線を守る野戦軍の司令官(陸軍大将)が任地を離脱して泥酔の挙句の果てに“裸踊り”のような醜態を演じて、事実上の解任になった。「国軍の名誉」など、どこへやら。
そして、あちこちの道路で突然の陥没(シンクホール)現象が発生している。まさに「韓国沈没」。国民が心やすらかでいられるはずがない。
韓国の国民性からすると、秋夕に続く、「仁川(インチョン)アジア大会」(9月19〜10月4日)で大いに盛り上がるところだが、開会式の入場券すら3割しか売れず、9月6日には3割の割引販売が始まったという。
無理もない。高給職場の代表である金融界でついに人員整理が始まったのだから。きっと最後は兵隊と生徒を大動員して「満員の開会式」を演出するのだろう。
2018年の「平昌(ピョンチャン)冬季五輪」は、本来なら「成功に向けて…」の掛け声に乗って、政権の浮揚ファクターになる絶好の日程だ。ところが、政治家も経済界も逃げる一方だ。朴氏自身、次期開催国の元首としてソチ五輪を視察しなかったのだから、やはり無理もない。
サムスンと現代(ヒュンダイ)自動車の2大財閥の不振、対中輸出の落ち込みと、中国の類似産業部門での追い上げが、暗さの根底にある。
そうした中で、朴氏は今月1日、「われわれが日本の失われた20年のような愚を犯さないためには、労・使・政が知恵を合わせなければならない」と演説した。
日本は、その20年間にも、金融資産大国であり続けたし、リーマン・ショックで打ちひしがれた韓国を支援した。そんな現代史も、この大統領はご存じないらしい。
それにしても、日本のような「愚を犯さないため」とは、よく言ってくれたものだ。「千年恨」以来の歴史に残る発言になるだろう。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。
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