01. 2014年9月11日 07:57:22
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ソウル市民が恐れる客船沈没より怖いシンクホール 市内の路面が次々陥没、第2ロッテワールド建設も槍玉に 2014年09月11日(Thu) アン・ヨンヒ 今年の夏、梅雨真っ盛りの豪雨の中、川の多いソウルではたびたび道路が冠水したというニュースが流れた。それと同時に「シンクホール」という聞き慣れない用語がメディアに登場するようになった。ソウルの街に次々と生じた路面の陥没 建設中の第2ロッテワールド 「シンクホール」とは、突然地面が陥没し、地表に大きな穴が開く現象を言う。土壌や地盤の浸食、建造物の浸食などにより地中の空洞化が進んだ結果引き起こされると考えられている。
6月29日、ソウルの芳夷(バンイ)洞(町の名前)で直径60センチのシンクホールが発見されてからこれまで、9つのシンクホールが続々と発見された。 その中でも最も大きかったのは、8月5日に石村地下車道で発見された直径2メートル50センチのものである。特に、雨の降る中、急にできた道路の穴に自動車の車輪がはまった写真はSNSなどで広まり、シンクホールの深刻さを訴えた。 現在、韓国では旅客船の沈没事故以来、安全に関してとても神経を尖らせており、市民たちは日常の中に潜む不安を目の当たりにしてとても恐怖心を煽られた。 さらに、SBS放送の「ニューストーリー」という報道番組では新たな事実を突きつけ、韓国の国民を震撼させた。 この報道によると、最近たて続けに現れた蚕室(チャムシル)のシンクホール現象と第2ロッテワールド工事とに関連性が見られるというのだ。 ロッテは2011年11月から第2ロッテワールド建設の工事を始め地下6階まで地下駐車場を建設するために、2度の掘削作業を実施し、これによって地下水の流出量が5倍になったという。 ロッテ側はこれを全面否定したが、問題を深刻に受け止めたソウル市の市長であるパク・ウォンスン氏は「ロッテタワーとシンクホールの関連性を綿密に分析し、これを防ぐ方法は何なのかを調べ、総合的な対策が必要である」として、民間の調査委員会を立ち上げ調査を進めた。 ソウル市の発表によると、民間の調査委員会が原因を多方面で調査した結果、石村地下車道の洞空の原因は、地下鉄9号線のシールド工法(地盤内にシールドという円形の構造物を入れてそれを前進させながらトンネルを掘る工法)によるトンネル工事のせいであるという。 また、蚕室以外の地域で発生しているシンクホールに関しては、老朽化した下水道管によるものだと発表した。 引っ越し準備をする住民が増えているロッテワールド近郊 同市ではまた市民たちの恐怖の源がシンクホールという呼び方にあるとみて、道路に自然に穴が開いてしまった現象をシンクホールと一律に呼ばせず、形態などによって沈下、陥没、シンクホール、洞空と、4つに分類した。 それによると、沈下は、地盤の下向き変位を表す広範囲な表現。陥没は、地盤がえぐられた形態で沈下したもの。 シンクホールは、地盤内の洞空(ホール)が崩壊したもので、地下水または人工的な影響で発生した洞空が原因。 洞空とは、地盤内の空間、シンクホールの発生条件のうちの1つで、主に地下水の作用によって発生し、岩盤層の場合、腐食作用で、土砂層の場合地下水の流れによる細粒分の移動(土砂流出)で発生するという。 だが、すでに巷では、「第2ロッテワールドのせいで蚕室は地盤沈下している」「シンクホールは第2ロッテワールド建設のせい」などのウワサが後を絶たない。怖くて引っ越しを考えている人たちもいるという。 ここで、第2ロッテワールドについて少し触れておこう。「第2ロッテワールド」とは、現在ロッテが建設を進めている超高層ビル計画で、「ロッテの受難」として語られているプロジェクトである。 第2ロッテワールドの構想は、1987年にまで遡る。当時の構想としては、108階建ての超高層ビルを現在のロッテワールドに隣接した敷地に建設するというものだった。だが、その場所が軍用の航空基地に近い場所であったのが受難の始まりだった。 1990年に事業計画書をソウル市に提出し、94年12月にプロジェクトを始めたが、95年に空軍の反対と交通難などのネガティブな世論に押され、結局98年に韓国の金融危機とソウル空港(大統領などが使用する軍用空港)の滑走路の視野確保問題で許可が下りず断念したという経緯がある。 しかしロッテはすでに広大な敷地を確保しており夢を諦めきれず、また政権が代わったこともあり、2002年には123階建ての「第2ロッテワールド」計画を新たにスタートさせた。 市民が抱くロッテへの強い疑心暗鬼 2006年に着工式を行ったが、これもまた国防部での実務会議で不可となり工事は中断。 転機が来たのは、2009年の李明博大統領政権の時だった。ソウル空港の滑走路の角度を調整するなどの対策が発表され、最終的に許可が下りて、本格的に工事を始めることができた。 現在は第2ロッテワールドという名称を改めロッテワールドモールとなった。今年の9月には臨時のモールオープンのため工事を急いでいた。最終的には2016年10月に完工する予定である。 歴代の政権に何度も煮え湯を飲まされてきただけに、今回は慎重にことを運び、是が非とも第2ロッテワールドをオープンしたいロッテ。 ソウル市が下水道管の老朽化やサムスン物産が工事を担当している地下鉄工事の影響だと発表し、後押ししてくれているものの、念には念を入れて自主的に9月6日から16日まで安全性を市民たちに知ってもらうためにプレオープンをすると発表した。 ロッテとしてはソウル市の後押しもさることながら、市民の了承を何としても得たいということだろう。 プレオープンとは臨時使用承認如何を決定する前に市民たちに建物を開放することである。まだ、正式オープンではないので、商品は並んでいないが、安全な建物かどうかを知ってもらうにも都合がいいというものだ。 だが、地元住民たちの懸念は、第2のロッテワールドが安全かどうかよりも、第2のロッテワールドが完成されるために、どれだけ地盤を掘り、周りの地盤から水を抜き取ったのかに関心が集まっている。 その疑問には今回のプレオープンは全く答えにならないため、依然としてロッテに対する市民の疑心暗鬼は消えていない。 ちなみに政府は、今回のシンクホール問題を安全と関連して深く受け止め、安全関連の補正予算として203億ウォン(約20.3億円)を組んでいる。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41701 |