01. 2014年8月05日 11:46:39
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韓国の若者も大変だなhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41400 恋愛も結婚も出産も、すべて諦める韓国の若者たち さらに人間関係とマイホームまで捨て、三放世代は五放世代へ 2014年08月05日(Tue) アン・ヨンヒ 韓国は夏休み真っ盛りだ。夏休みになる前に、大学院生たちに夏休みの計画を聞いてみたら、「私たちは『三放世代(サンポセデ)』ですから、勉強さえすればいいのではないでしょうか」という答えが返ってきた。 恋愛、結婚、出産をあきらめる若者たち 韓国の若者人口、2060年までに半減 政府報告書 韓国で成人の日を祝う若い女性たち〔AFPBB News〕 「三放世代」とは、「3つを放棄する世代」の略語で、日本の「さとり世代」と似たような言葉である。 「三放世代」の特徴は、1つ目は恋愛を放棄し、2つ目は結婚を放棄し、3つ目は出産を放棄することだ。 ちみに日本の「さとり世代」とは、最近の若者が現実を悟っているところから出た言葉で、彼らの特徴は、「欲がない」「恋愛に興味がない」「旅行に行かない」などと何もしないことを言う。 「三放世代」と「さとり世代」は少し観点は違うけれど、「どうせできないし、やっても無駄だ」という観念が大本に流れている。 現在韓国では少子高齢化問題が深刻化しており、出生率はOECD(経済協力開発機構)諸国の中で最下位である。政府は出産奨励金などを出しているというのに、当の若者たちは「三放世代」などと言い、出産から遠のいている。 三放世代が3つを諦めている理由は、経済的理由が最も高く、就職している人とそうでない人とでは恋愛している率が異なる。 また、結婚費用の負担があるので、結婚もできない。結婚式だけでなく、ソウルで住む家を探すにはまとまったお金が必要になるからだ。 出産に関しては、子供は生むだけでいいのではなく養育費がかかる。養育費はそれこそピンからキリまであるので、生んだからには最高の教育を受けさせようと考えたり、韓国の教育環境に辟易していたりするので、やはり出産を躊躇する人が多い。 特に、彼らは1980年代の後半から90年代に生まれた世代で、韓国は当時右肩上がりの高度経済成長が少しずつ停滞し始め、成熟した社会になりつつあった。 韓国はそれまでの成長一辺倒から先進国への仲間入りを果たすために、オリンピックなどを開催し、文化的にもグローバルになろうとしていた。そんななか、一人っ子政策などで兄弟がいない代わりに親たちが集中ケアをした世代だ。 激しい競争が格差を拡大、固定化した負け組 彼らには親の世代ができなかったことを何でもやらせようとし、教育熱心な親は父親の犠牲のもとで「雁パパ(韓国語ではギロアッパ)」(子供を早期留学させるために母親が留学先へ同伴し、父親は仕送りをする家庭)という韓国特有の文化の恩恵を受けた子供たちである。 そんなに大事に育てたのに、なぜ「三放時代」などと卑下するのか。答えは意外にシンプルである。ますます格差社会になり、ヒエラルキーの中での移動が困難になっているからだ。 親の世代は、目に見えるように独裁や圧政があり、それを見た人たちは反政府派となって闘い、圧政反対とかのデモをした。彼らは目の前で起こっている不条理や独裁に対して真っ向から闘いを挑み、民主化を勝ち取った。 民主化すれば皆が幸せな国になると思われたが、現在は目に見えない差別が存在する。巧妙に仕組まれた差別を受けると、それを受けとめる側は、元々こんな感じなのかと素直に受けとめてしまう。 民主化され、平等だと言われつつ、実際は巧妙に格差を固定する仕組みに変わっているのだ。 例えば、教育においてどんどん格差が生まれている。昔は、勉強さえできれば名門大学に進学できたが、今の状況では勉強だけでは入れないと言われている。 付加価値をつけなければ名門大学には進学できなくなる仕組みになった。その付加価値こそ、お金がなければつけにくいもので、普通の学校では教えてくれない。私費を使って獲得した子供たちが有利になるようになっているのだ。 名門大学に進学できないと、大企業に就職することが困難になる。大手企業に就職できないと、中産階級にとどまることができない。 大手企業の中ではサムスン電子が唯一学歴を見ないと言われてきたが、昨年、史上最大の人数(約9万人)が受験したことで、試験を受けさせるだけでサムスン電子の負担が増えたので、今年からは多少の選別をすると発表している。 また、良い企業に就職できるまで大学を卒業しない方がいいと言われるので、どんどん留年して大学に残る。大学院へ進学するのも就職のためのステップだったりする。 三放世代はマイホームも人間関係も放棄、五放世代に その間に公務員試験や教師資格試験などを受けたりもするが、それも競争が激しいのだ。年功序列、終身雇用はとっくになくなってしまったので、福祉の行き届かない韓国では終身雇用の保証される公務員または公社が就職先として好まれている。 これまで、3つの国家公務員試験(司法試験、外務試験、行政試験)は、身分を上昇させる1つのツールだった。これらの試験は学歴も関係なくパスするだけでエリート公務員になれるという、何人にも平等な道であった。 しかし、3つの国家公務員試験のうち、外交官になれる外務試験は去年で打ち切られ、「外交アカデミー」が設立された。これから外交官になるためには、大学を卒業してから外交アカデミーに進学しなければならない。 裁判官や検事、弁護士になる司法試験はまだ残っているが、合格者の数をぐっと減らし、現在はロースクール出身の人たちが弁護士になっている。とにかくエリート公務員になれる道もお金がなくては始まらない。 そのせいか、現在韓国の大学では、どの大学であれ「経営学部」を最高の学部と考える。以前なら大学によって学風も違い、好まれる科や学部は異なっていたが、現在では軒並み「経営学部」の競争率が高いというのだ。 何でも経営の合理化に基づいて考える、経営学部が優勢になっているせいで、これまでの「成長第一」論が頭をもたげ、結局、現在のような安全に無頓着な国になってしまったという意見もある。 三放世代は、最近「五放世代(オポセデ)」とも言われ、ますます韓国の未来を暗くしている。この五放世代とは、恋愛、結婚、出産以外に「人間関係」と「マイホーム購入」を付け加えたものである。 まだ、韓国政府は彼らに対して画期的な政策は打ち出せないでいる。 |