04. 2014年7月22日 15:38:04
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「朝・日接近は韓中蜜月に対する一時的な反発」北東アジアの新秩序を語る SAISライシャワー東アジア研究所長、ケント・カルダー氏 韓日は米国と3カ国首脳会談を開き、関係修復に向けた信頼構築を 日本が過去を反省すれば同盟強化は可能 再軍備に進む日本、予算もなく立法も困難 韓国は安保と経済の調整が必要…米中間でのバランスポイントを模索すべき ジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長は「韓米関係は強固。北朝鮮と日本が接近しているのは、韓中蜜月に対する一時的な反発にすぎない」と語った。またカルダー所長は、北東アジア情勢が極めて混乱しているように見えるが、実際は正反対と考えることも可能だとして、現在の北東アジアの状況を19世紀のように危ういものとする見方を警戒した。その一方でカルダー所長は「日本がもう少し積極的に歴史認識問題に取り組めば、同盟はもっと堅固になる」と語った。 またカルダー所長は「北東アジア地域で経済的・地政学的圧力が噴出しており、伝統的な同盟の枠組みが少しずつ変化している。韓国は、対中貿易の量が対日・対米貿易の合計をはるかに上回っているため、経済と安全保障をどのように調整するかが重要」と語った。
−北東アジアにおける対立の原因を挙げるとするなら。
「北朝鮮の軍事的脅威は明白な危険要因で、中・日の対立も同様。しかし、わたしは少し楽観的だ。相互依存が強いため、誰もが地域情勢の安定を望んでいる。その方が利益が大きいからだ。米中間の軍事的・経済的緊張関係は消えないが、互いに用心している」
−列強が角逐を繰り広げていた19世紀末と変わらない、という意見もあるが、どう思うか。
「19世紀とは四つの点で異なる。まず、経済的相互関係が深い。グローバルな資本市場は、各国政府が過激な行動を取らないように制御する役割を果たしている。そして北朝鮮の核という破壊的な兵器、過去には存在しなかった韓米日の同盟が、対立を制御している。相対的に安定しているといえる」
−北朝鮮の核問題を解決する方法はないか。
「北朝鮮の核問題を解決する方法はよく分からない。北朝鮮政権が『核兵器を完全に撤廃すべき』と考えるまでは、6カ国協議も無意味だ。今の北朝鮮の政権を見ると、政治的にせよ戦略的にせよ、核を放棄するとは考えにくい」
−韓米日の同盟という伝統的な枠組みが変わり、北朝鮮と日本が接近していて議論もあるが。 「揺らぐことはあり得る。経済的、地政学的な圧力が強まっている。韓中関係が深まっていることもあり、北朝鮮と日本が接近する傾向もある。しかし、限度がある。日本は拉致問題のために北朝鮮へ接近しているが、韓中が接近していることへの反発でもある」
−韓中が急速に接近していることを、米国はどのように見ているのか。
「韓中関係は根本的に変わった、と見ているかもしれない。両国間の貿易量が、利害関係を極めて大きくしたからだ。このため、経済と安全保障の調整が必要になった。例えば、米国はミサイル防衛(MD)システムに韓国を参加させようとしているが、韓国は中国を意識せずにはいられない。両国の間でバランスの取れるポイントを模索すべきだ」
「しかし、韓米関係は前向きで、粘り強い。まずエネルギー分野で、米国のシェールガスを輸入する最初の国は韓国になる可能性が高い。技術協力の分野でも、両国関係は強固だ。サムスンとグーグルの協力が一例だ。米国は依然として、韓国にとって魅力的な国だろう」
「中国は、韓国を米国から遠ざけようとしている。安倍首相の責任といえる部分もある。韓日関係が良くないので、中国の狙いも可能なのだ」
−中国は米国に次ぐ超大国になるために、力を誇示しようとしている。米国の考えはどうか。
「中国がそのような努力をしても、米国は全ての政策分野で、中国がG2(主要2カ国)だとは認めない。だからといって、中国をあえて刺激する理由もない。中国にとって米国は信頼に足る国だということを伝えなければならない。こういう観点から、グアムを強化することが重要だ。中国本土から地理的に離れているので、米国がこの地域で何をしても、中国は神経をとがらせないだろう。それでも、原子力潜水艦や爆撃機などをグアムに配備すれば、アジア全域をカバーできる」
−日本の膨張主義はどうか。最近、集団的自衛権の行使を拡大し、攻撃用の兵器を大量に購入しようとするなど、露骨な軍備強化に乗り出しているが。
「日本の力は、誇張されている面がある。急速に高齢化が進んでおり、社会福祉分野に巨額の予算を投じなければならない。対外債務の問題もある。加えて、集団的自衛権の行使を現実的に可能にするための立法手続きは、二院制の特性上、かなりの時間が必要だ。さらに、日本の一般市民も慎重だ。そのまま静観していて構わない。むしろ、中国や北朝鮮がさらに攻撃的になり、日本の行動を過激なものにしかねないということの方が心配だ」
−歴史認識・慰安婦問題で日本は後退している。これでは、韓日関係は容易ではないのでは。
「互いに確信と信頼を築いていくことが必要だ。オバマ大統領が朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相の会談をあっせんしたが、こういう3カ国首脳会談のようなことが重要だ。双方とも挑発は避けた方がよい。日本は歴史問題で韓国の痛みに慎重になるべきで、指導者は過去の反省にもっと真剣になるべきだ」
−日本は韓半島(朝鮮半島)統一についてどのような見方をしているのか。
「一部の日本人は、金大中(キム・デジュン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記が首脳会談を行ったとき、非常に懸念した。統一を望んではいないだろうが、統一するとなったら受け入れることができるだろう。重要なのは、統一韓国が核を保有するかどうかだ。もし核があれば、日本も核武装に乗り出す可能性が高い」
ワシントン=ユン・ジョンホ特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/22/2014072201376.html http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/22/2014072201376_2.html http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/22/2014072201376_3.html |