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【7月17日 AFP】シンガポールの国立図書館が先週、所蔵する児童書3作品について、同性愛を助長するとの理由で破棄する計画を発表したことを受け、同国の著名作家などは激しい怒りの声を上げている。さらに16日には、米長寿コミックシリーズのうち同性婚を描いた1巻が発禁処分となっていたことも判明した。
26の公共図書館をつなぐ公設団体であるシンガポール国立図書館委員会(National Library Board、NLB)は9日、同委員会が方針とする「家族主義」に反するとして、3つの児童書を破棄する決定を下したことを明らかにした。保護者1人からの苦情を受け、内部で審査した結果だという。
破棄対象とされたのは、米ニューヨーク(New York)の動物園で雄のペンギン2匹が赤ちゃんペンギンを育てた実話に基づいた「And Tango Makes Three」(邦題:タンタンタンゴはパパふたり)、異性愛者や同性愛者、異人種間カップル、シングルマザーなどに養子にとられ育てられた子どもたちを描いた「The White Swan Express」、同性カップルなどさまざまな家庭形態を描いた「Who's In My Family」の3作品。
この決定について、同国の芸術・文学関係者らは「焚書(ふんしょ)」や検閲に等しい行為だと非難し、NLBのボイコットを呼び掛けたり、NLB主催行事への参加を取り止めたりする行動に出ている。シンガポール内外の書籍を扱うオンライン書評サイト「シンガポール・レビュー・オブ・ブックス(Singapore Review of Books)」も、本を破棄するというNLBの決定について「一線を越え、本を燃やして葬り去る恐怖の域に達している。そこからは何の希望も生まれない」と表明している。
13日には保護者らを含む約400人が図書館で、破棄対象となった3作品を自分たちの子どもに読み聞かせる抗議集会を開いた。さらに16日には同国最高峰の文芸賞「シンガポール文学賞(Singapore Literature Prize)」の審査員3人が、NLBの計画に抗議して辞任した。
一方、ヤーコブ・イブラヒム(Yaacob Ibrahim)情報通信相は、交流サイト(SNS)・フェイスブック(Facebook)への11日の投稿で、3作品破棄の決定は「社会的規範に従った」ものだとして、NLBを擁護している。
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■米長寿コミックにも発禁処分
こうした中、シンガポール・メディア開発庁(Media Development Authority、MDA)は16日、AFPに宛てた声明で、1950年代から続く米国の長寿コミックシリーズ「ライフ・ウィズ・アーチー(Life with Archie)」の中の「アーチー:結婚生活 第3巻(Archie: The Married Life Book Three)」について、同国の「社会的規範」に背いているとして、今年3月に発禁処分としていたことを認めた。
2013年に出版されたこの巻は、同シリーズの主人公アーチー・アンドリュース(Archie Andrews)の友人で、シリーズで初めて同性愛者であることを公にしたキャラクターとして描かれたケビン・ケラー(Kevin Keller)とアフリカ系米国人の同性パートナー、クレイ・ウォーカー(Clay Walker)との結婚生活を描いた計6号分のコミックを1冊にまとめたもの。
メディア開発庁は声明で、一般からの苦情1件をきっかけに内容を見直し「同性婚に関する描写はガイドラインに違反していると判断した」「よって国内の販売業者に対し、同コミックを輸入したり、小売店に流通させたりしないよう通達した」と説明している。
メディア開発庁の発表と同じ16日に米国で発売された「ライフ・ウィズ・アーチー」最新号では奇しくも、米上院議員の友人ケビンを暗殺から守ろうとして、主人公アーチーが亡くなる展開になっている。
シンガポールでは、英国の植民地だった時代にさかのぼる刑法の条項に基づき、同性同士による性行為が違法とされており、違反者は最大で禁錮2年が科されることになっている。
だが同性愛者の権利擁護活動は近年勢いを増しており、先月28日に開かれた集会には、イスラム教やキリスト教の保守派によるインターネット上での対抗運動にもかかわらず、2万人を超える参加者が集まった。(c)AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3020832
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